2016
12.26

テネシー・ウィリアムズQuelque chose de Tennessee

Johnny Hallyday Quelque chose de Tennessee


アメリカの劇作家テネシー・ウィリアムズTennessee Williams(1911–1983)は、多くの作品を書き、「欲望という名の電車Un tramway nommé désir」と「熱いトタン屋根の猫Chat sur un toit brûlant」でピューリツァー賞を受賞しました。仲のよかった姉が精神障害でロボトミー手術を受けたことなど、彼の家庭にあったもろもろの問題が作品の背景になっているといわれます。また、彼はゲイだったことで知られ、5人の10代の少年にヘイトクライム(特定の属性を有する人々に対する偏見による暴行)的な暴行を受けたことがあります。晩年は死や孤独に対する恐怖からアルコールやドラッグが手放せなかったそうです。ニューヨークのホテルで、ボトルのキャップを喉に詰まらせて窒息死しましたが、殺害されたのだともいわれています。

ミッシェル・ベルジェMichel Bergerが1985年にテネシーへのオマージュとして作った曲「テネシー・ウィリアムズQuelque chose de Tennessee」を、ジョニー・アリディーJohnny Hallydayが歌っています。ちなみに、ミッシェル・ベルジェは、アメリカの伝説のピアニスト、ジェリー・リー・ルイスJerry Lee Lewisへのオマージュ「彼は立ってピアノを弾いたIl jouait du piano debout」も書いています。



Quelque chose de Tennessee  テネシー・ウィリアムズ  
Johnny Hallyday          ジョニー・アリディー


{Intro féminine:}
"A vous autres, hommes faibles et merveilleux 注1
Qui mettez tant de grâce à vous retirer du jeu 注2
Il faut qu'une main posée sur votre épaule
Vous pousse vers la vie, cette main tendre et légère"

  {女性の声によるイントロ:}
  「賭けごとから身を引くことをたいへんありがたく思っている
  あなた方、すなわち脆弱ながらも素晴らしい人たちには
  あなた方の肩に置かれたひとつの手が
  あなた方を人生に向かって後押ししてくれることが必要です、この優しく敏捷な手が」

On a tous quelque chose en nous de Tennessee
Cette volonté de prolonger la nuit
Ce désir fou de vivre une autre vie
Ce rêve en nous avec ses mots à lui 注3
Quelque chose de Tennessee

  私たちは皆、テネシーがもつ何かを自分のなかに持っている
  夜を引き延ばそうとするこの望み
  違った人生を生きたいというこの狂おしい願い
  私たちのなかのこの夢は彼の言葉とともに
  テネシーがもつ何かだ

Quelque chose de Tennessee2


Cette force qui nous pousse vers l'infini
Y a peu d'amour avec tellement d'envie
Si peu d'amour avec tellement de bruit
Quelque chose en nous de Tennessee

  無限に向かって私たちを後押しするこの力
  幾多の欲求とともにわずかの愛がある
  幾多の雑音とともにごくわずかの愛がある
  私たちのなかのテネシーがもつ何かだ

Ainsi vivait Tennessee
Le cœur en fièvre et le corps démoli
Avec cette formidable envie de vie
Ce rêve en nous c'était son cri à lui

  テネシーはこのように生きた
  心は熱く燃え体はボロボロで
  この驚嘆すべき生への欲求を持って
  私たちのなかにあるこの夢は彼の叫びだ

Quelque chose de Tennessee1


Quelque chose de Tennessee
Comme une étoile qui s'éteint dans la nuit
A l'heure où d'autres s'aiment à la folie
Sans un éclat de voix et sans un bruit
Sans un seul amour, sans un seul ami

  テネシーがもつ何か
  ほかの人々が夢中で愛し合っているときに
  夜の闇に消えるひとつの星のように
  声も上げず物音も立てず
  ただひとつの愛も得ぬまま、ただひとりの友もないままに

Ainsi disparut Tennessee
A certaines heures de la nuit
Quand le cœur de la ville s'est endormi
Il flotte un sentiment comme une envie 注4
Ce rêve en nous avec ses mots à lui
Quelque chose de Tennessee

  テネシーはこのようにして消えた
  街の中心地が寝静まった
  夜中のある時間に
  欲望に似た感情が漂う
  私たちのなかのこの夢は彼の言葉とともに
  テネシーがもつ何かだ

Quelque chose de Tennessee3


Quelque chose de Tennessee
Y a quelque chose en nous de Tennessee

  テネシーがもつ何か
  私たちのなかにはテネシーがもつ何かがある

[注]
1 autreは人称代名詞強勢形nousおよびvousとともに用いて、他との違いを強調する。
2 grâce à inf.(=vous retirer)で、grâce à vousではない。
3 à lui「彼の」はsesを言い直して強調している。
4 非人称のilで、意味上の主語はun sentiment。



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