2014
11.04

アムステルダムAmsterdam

Jacques Brel Amsterdam


今回は、ジャック・ブレルJacques Brelの「アムステルダムAmsterdam」(1964年)。出します!



Amsterdam   アムステルダム
Jacques Brel  ジャック・ブレル


Dans le port d'Amsterdam
Y a des marins qui chantent
Les rêves qui les hantent
Au large d'Amsterdam

  アムステルダムの港には
  つきまとってくる
  外海への夢を
  唄う水夫たちがいる

Dans le port d'Amsterdam
Y a des marins qui dorment
Comme des oriflammes 注1
Le long des berges mornes

  アムステルダムの港には
  陰気くさい土手沿いに
  垂れた旗みたいになって寝ている
  水夫たちがいる

Dans le port d'Amsterdam
Y a des marins qui meurent 注2
Pleins de bière et de drames
Aux premières lueurs

  アムステルダムの港には
  多量のビールと雑多ないざこざのせいで
  曙光のなかで
  死んだようになっている水夫たちがいる

Amsterdam1.jpg


Mais dans le port d'Amsterdam
Y a des marins qui naissent
Dans la chaleur épaisse
Des langueurs océanes

  またアムステルダムの港には
  海洋のけだるさがもたらす
  重苦しい暑さのなかで
  生き生きする水夫たちもいる

Dans le port d'Amsterdam
Y a des marins qui mangent
Sur des nappes trop blanches
Des poissons ruisselants 注3

  アムステルダムの港には
  真っ白なナプキンの上の
  汁の滴る魚を
  食らう水夫たちがいる

Ils vous montrent des dents
A croquer la fortune
A décroisser la lune 注4
A bouffer des haubans

  奴らは歯をむきだして
  財を食いつぶし
  月を食いちぎり
  シュラウド綱をほおばる

Amsterdam2.jpg


Et ça sent la morue 注5
Jusque dans le cœur des frites
Que leurs grosses mains invitent
A revenir en plus

  そして鱈(売女)の匂いが
  フライドポテトの中まで染み込んだものを
  ごつい手で手招きする
  もっとよこせと

Puis se lèvent en riant
Dans un bruit de tempête 注6
Referment leur braguette
Et sortent en rotant

  それから笑いながら立ち上がり
  屁を一発かまし
  ズボンのチャックを閉め
  ゲップをしながら出ていく

Dans le port d'Amsterdam
Y a des marins qui dansent
En se frottant la panse
Sur la panse des femmes

  アムステルダムの港には
  女たちの丸い腹に
  太鼓腹をこすり付けながら
  踊る水夫たちがいる

Et ils tournent et ils dansent
Comme des soleils crachés 注7
Dans le son déchiré
D'un accordéon rance

  古びたアコーデオンの
  かすれた音のなか
  彼らは車花火さながらに
  回って踊り

Ils se tordent le cou
Pour mieux s'entendre rire
Jusqu'à ce que tout à coup
L'accordéon expire

  互いの笑い声をもっと聞こうと
  首をよじる
  アコーデオンの音が
  プツリと消えるまで

Alors le geste grave
Alors le regard fier
Ils ramènent leur batave 注8
Jusqu'en pleine lumière 注9

  それからいかめしい物腰で
  不遜な目付きで
  水夫たちは連れのオランダ女を
  明るい場所に連れ出す

Dans le port d'Amsterdam
Y a des marins qui boivent
Et qui boivent et reboivent
Et qui reboivent encore

  アムステルダムの港には
  呑んだくれの水夫たちがいる
  呑んで、また呑んで
  またまた呑む

Amsterdam.jpg


Ils boivent à la santé
Des putains d'Amsterdam
De Hambourg ou d'ailleurs
Enfin ils boivent aux dames

  彼らはアムステルダムや
  ハンブルグや他の地の
  娼婦たちの健康を祝し酒を呑む
  つまりは 一枚の金貨のために

Qui leur donnent leur joli corps
Qui leur donnent leur vertu 注10
Pour une pièce en or
Et quand ils ont bien bu

  きれいな体を彼らに与えてくれる女
  操を彼らに捧げてくれる女のため
  彼らは酒を呑む
  そしてたっぷり呑んだら

Se plantent le nez au ciel
Se mouchent dans les étoiles
Et ils pissent comme je pleure
Sur les femmes infidèles

  鼻を天に据え
  星々のなかで洟をかむ
  そして僕だったら泣くのと同じに小便を浴びせる
  裏切り女たちに

Dans le port d'Amsterdam
Dans le port d'Amsterdam

  アムステルダムの港では
  アムステルダムの港では

[注]
1 oriflamme「旗」とは、風が無い時の旗のようにだらっとなった状態を言っている。
2 meurentとあるが、実際に死ぬのではなくて、死んだようになっているという意味。同様に、4行あとのnaissentも、生まれるのははなくて、生き生きとするという意味。
3 poisson ruisselantは、北欧特産のニシンの塩漬けや酢漬けを指すようだが、白いナプキンがシーツで、その上に横たわる女の体を表しているという見方もある。
4 décroiser「(組んだものを)解く」という動詞はあるが、décroisserは辞書にない。croissant「三日月」をもじって作った造語のようだ。
5 morueは「鱈」だが、「売春婦」をもあらわす。ここでは両義をかけている。
6 tempête「嵐」は語感の類似でpet「屁」、péter「おならをする」を暗に示している。
7 soleilは「車花火、回転上昇花火」で crachéは「(唾やガムなどが)吐き出された」だが、ガスや火花が噴出する場合にも用いる表現。
8 bataveはオランダ人の女性のこと。
9 en pleine lumièreは、朝の光のもとに、ではなく、暗いダンスホールから、バーなどの明るい照明の場所へ、ということ。
10 vertu「貞節」を娼婦が捧げるというのは、言葉の彩。



コメント
音源が載ってませんでしたので、
https://www.youtube.com/watch?v=r8lWkNnhJB0
ぴょこぴょこdot 2015.05.13 13:14 | 編集
用意していながら入れ忘れたようです。ありがとうございました。
朝倉ノニーdot 2015.05.13 13:28 | 編集
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