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2016
12.14

パ・ラPas là

Vianney Idees blanches


今回は、新しいところで、ヴィアンネイVianneyの「パ・ラPas là」を。1991年生まれの25歳のシンガー・ソングライターで、ピアノとギターを弾きます。この曲は、2014年のファースト・アルバム:Idées Blanchesに収録されていて、このアルバムで今年ヴィクトワール賞を受賞しました。Pas làとは、Tu n'es pas là(君がいない)をはしょっているわけですが、言葉の響きが面白いので、読みの仮名書きを邦題にしました。



アコースティックヴァージョン



Pas là   パ・ラ
Vianney  ヴィアンネイ


Je suis une cruche,  注1
percée de plus,
j’ai la peau craquelée
depuis toi, desséchée

  僕は水差し、
  おまけに穴が空いてる、
  皮膚はひび割れて
  君がいないせいで、乾いてる

Pas là6


Quand vient la lune
et le vent frais,
par habitude,
j’te cherche sur le canapé

  月が出て
  爽やかな風が吹くと、
  いつものように
  ソファーの上に君を探す

Dieu qu’elle est loin  注2
la nuit de liesse
où j’ai trouvé ta main
bien avant la tristesse

  ああ、なんと遠くに去ったのか
  悦楽の夜は
  その時僕は君の手を見つけた
  悲しみの訪れる前のこと

Pas là5


Tu me traquais,
tu m’avais vu,
tu m’as pris en collier 注3
et mon cou tu l’a tordu 注4

  君は僕を追い詰めた、
  君は僕を見た、
  君は僕に輪をかけ
  僕の首を絞めた

{Refrain :}
mais t’es pas là, mais t’es où?
mais t’es ou ? (pas là, pas là pas là…)

  でも君はいない、でもどこにいるの
  でもどこにいるの?(いない、いないいない…)

Des nuits d’ivoire
sûr, ça je t’en doit,
si les tiennes sont noires
non, je ne t’en veux pas

  象牙色の夜
  もちろん、それは君次第、
  もし君の夜が真っ暗なら
  いや、君にそれは望まない

Ainsi va la vie
enfin, surtout la tienne,
je m’abrutis
à jouer les fontaines 注5

  こんな風に人生は過ぎる
  結局は、特に君の人生は、
  僕は大泣きして
  どうかなっちゃう

Pas là3


{Refrain}

Je te remplace
comme je le peux
que tout s’efface
j’en fais le vœu 注6

  君の埋め合わせをするよ
  それはできる
  すべてが消えてしまうよう
  僕は願う

Ça sera sans toi alors,
alors je n’ai plus qu’a être d’accord

  それは君なしでのこと、そのとき
  そのとき僕はもう甘んじるしかない

A vous les cruches,  注7
les cœurs en miettes,
soyons la ruche, 注8
d’un futur en fête

  君たちにあげるよこの水差しのかけらを、
  砕けちゃった心を
  ハチの巣をつついたみたいににぎやかにやろうよ、
  楽しい未来のために

Pas là2


{Refrain}

[注] 3,4,6はコメントをいただき確認し訂正した箇所。
1 cruche「水差し、壷」が本義だが、「ばか、とんま」の意味もある。
2 elleは次行のLa nuit
3 最初の動画ではtu m’as pris pour collierと歌っているが、2番目のアコースティックヴァージョンの動画ではtu m’as pris en collierと歌っており、こちらのほうが意味的に整合性があるので訂正した。
4 tenduとしていたが、torduに訂正した。tordre le cou à qn.「(人)の首を絞める」
5 faire jouer les grandes eaux「大泣きする、おいおい泣く」から類推。
6 faire le vœu de qc.「…を願う、誓う」。入手した歌詞ではj’en fais, le veuxとなっていたが、指摘を受けてj’en fais le vœuに訂正した。発音は同じだがあきらかにこちらが正しい。
7 cruche「水差し」は最初は単数だったが、ここでは複数。
8 ruche「ハチの巣」が本義で「人が集まる活気に満ちた場所」をも言う。




コメント
最初に得た歌詞による先入観のせいでtenduと聴こえたのかもしれません。最初の動画を聴き直すとtorduに聴こえる気がし始めました。torduにしか聞こえないというまでには至りませんが、たしかにtordre le cou「首を絞める」のほうが意味的な整合性がありますのでこちらに訂正いたします。
en collierに関しては、tordre le couとするなら、collierは「(犬などの)首輪」ではなく「首吊り用の紐」のようなものを意味するのでしょう。そして手がその働きをするとお考えなのでしょうね。
朝倉ノニーdot 2020.07.21 07:54 | 編集
私にはどちらのバージョンもtorduにしか聞こえません(水掛け論になってしまいますが)。

また、先にも言いましたが、アルバムのリーフレットの中でご本人がtorduと表記しています。

さらに、「首輪を付けて引っ張る」と言うときに、tendreは使わないのではないかと思います。これは「引っ張ってぴんと張る」といった意味で使われる動詞です。ゴム紐を両手で引っ張ったり、弓を引き絞ったり、というような。あなたのおっしゃるような意味ならむしろtirerを使うのではないですか。

ついでに。en collierはprendreしたときの手の形の説明、ないしは手の位置の説明ではないですかね。よくわかりませんけど。







anonymedot 2020.07.20 13:28 | 編集
再度ありがとうございます。
掲載した動画ではpour collierと聴こえますが、acoustic version (HD)ではたしかにen collierと歌っていて、こちらのが意味的に整合性があるので変えました。この動画も加えました。
次行は、ともに、tu l'as torduではなくtu l’a tenduと聴こえます。「首輪を付けて引っ張る」ということで意味的にもつながると思います。
j’en fais le vœuは納得です。発音は同じですが…。歌詞を訂正し注にも書きました。
朝倉ノニーdot 2020.07.16 08:18 | 編集
私にはこう聞こえます。念のため別のバージョンも聞いてみました。YouTubeにこの曲のacoustic version (HD)というのがあります。そちらを聞いてみてください。はっきり分かります。

ついでにもうひとつ。
j’en fais le vœu
anonymedot 2020.07.15 20:33 | 編集
音源を聴き直しましたが、そうは聴こえません。
あなたはいかがですか?
朝倉ノニーdot 2020.07.12 15:59 | 編集
ご本人のアルバムのリーフレットに記載された歌詞では

Tu m'as pris en collier
Et mon cou, tu l'as tordu

になっています。歌詞の意味も違ってきますね。

anonymedot 2020.07.11 15:24 | 編集
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