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2016
11.25

カナダ旅行Voyage au Canada

Charles Trenet Voyage au Canada


今回はシャルル・トレネCharles Trenetの「カナダ旅行Voyage au Canada」(1951年)。トレネは1945年にケベックとニューヨークを訪れた後、ブラジルからカナダまでを2年近くかけて回り、その旅行で得たインスピレーションで数多くの曲を作りました。この曲も、文字通りその内の1曲です。シャンソンとしては珍しく、単純過去形が多く用いられています。物語やお伽噺の語り口です。



Voyage au Canada  カナダ旅行
Charles Trenet    シャルル・トレネ


Une famille des plus charmantes
Trois enfants maman papa
Partit un beau jour de Nantes
Pour visiter le Canada
Fixant leur itinéraire
Après maintes réflexions
Ils choisirent pas ordinaire
Ces moyens de locomotion
C'est ainsi qu'avant de partir
Ils chantaient pour se divertir

  とってもすてきな家族
  3人の子どもとパパとママが
  ある日ナントから出発したとさ
  カナダを訪れるために
  何度もよく考えて
  旅程を決めたけど
  彼らはありきたりじゃないのを選んだよ
  この移動手段を
  それはね出発前に
  彼らが面白がって歌ったとおりだよ

Canada1.jpg


{Refrain:}
Nous irons à Toronto
En auto
Nous irons à Montréal à cheval
Nous traverserons Québec à pied sec 注1
Nous irons à Ottawa en oua oua 注2
Nous irons à Valleyfield sur un fil 注3
Nous irons à Trois Rivières en litière
Passant par Chicoutimi
Endormis
Nous irons au lac Saint-Jean en nageant
Voilà ! Voilà !
Un beau voyage un beau voyage
Voilà ! Voilà !
Un beau voyage au Canada !

  僕たちはトロントへ行くよ
  車でね
  僕たちはモントリオールへ馬で行くよ
  僕たちは足を濡らさずにケベックを横切るよ
  僕たちはウアウアでオタワに行くよ
  ヴァレーフィールドには水路を行くよ
  トロワ・リヴィエールには駕籠で行くよ
  シクティミを
  眠ったまま通り過ぎて
  僕たちはサン・ジャン湖を泳いで渡るよ
  ほら!ほら!
  素敵な旅行だ、素敵な旅行だ
  ほら!ほら!
  素敵なカナダ旅行だ!

Canada4.jpg


Oui mais parfois c'est étrange
On ne fait pas toujours ce qu'on veut
Bien souvent le hasard change
Nos projets les plus heureux
Nos amis furent c'est pas de chance
Victimes d'une distraction
Du chef du bureau de l'agence
Des moyens de locomotion
Et à cause de l'employé
Qui s'était trompé de billets

  そう、だけど時には状況は変わり
  いつも思い通りには行かない
  しばしば偶然が変えてしまう
  とっても楽しみな僕たちの計画を
  僕たちの友だちは運悪く
  移動手段の
  代理店の所長の
  不注意の犠牲になったんだ
  そして切符を間違えた
  担当者のせいでね

Ils allèrent à Toronto
En nageant
Ils allèrent à Montréal endormis
Ils se rendirent à Québec en litière
Ils allèrent à Ottawa sur un fil
Ils allèrent à Valleyfield à pied sec
Ils allèrent à Trois Rivières en oua oua
Passant par Chicoutimi à cheval
Ils plongèrent dans le lac Saint-Jean en auto
Voilà ! Voilà !
Un beau voyage au Canada !

  僕たちはトロントへ行った
  泳いでね
  僕たちはモントリオールへ眠ったまま行った
  僕たちはケベックに駕籠に乗って行った
  僕たちはオタワに水路を行った
  ヴァレーフィールドには足を濡らさずに行った
  トロワ・リヴィエールにはウアウアで行った
  シクティミを馬で通り過ぎて
  僕たちはサン・ジャン湖に車で飛び込んだ
  ほら!ほら!
  素敵な旅行だ、素敵な旅行だ
  ほら!ほら!
  素敵なカナダ旅行だ!

Canada3.jpg



Depuis ce temps-là
Messieurs dames
Les voyageurs ont compris
Pour éviter bien des drames
Il faut à n'importe quel prix
Contrôler dans les agences
Les billets de locomotion
Si vous partez en vacances
La plus simple des précautions
C'est de chanter mon petit air
Mon petit air itinéraire

  こういうことがあるから
  紳士淑女の皆さま
  旅行なさる方はお分かりですよね
  こうしたトラブルを避けるためには
  何としてでも
  代理店で
  移動のための切符を確認しなくちゃならない
  あなたがヴァカンスに旅立つのなら
  一番簡単な予防策
  それは僕のささやかな歌を歌うこと
  ささやかな旅程の歌をね

{au Refrain}

Canada2.png


Toronto「トロント」はLake Ontario「オンタリオ湖」の北西湖岸にある。
湖の東端から北東へセントローレンス川(英: St. Lawrence River、仏: Fleuve Saint-Laurent)が流れ出し、セントローレンス湾に注ぎ込む。Montréal「モントリオール」、Trois Rivières「トロワ・リヴィエール」、Québecケベックの順に川沿いに位置する。
Ottawa「オタワ」はモントリオールでセントローレンス川に合流するオタワ川の上流にある。
地図にないValleyfield「ヴァレーフィルド」=Salaberry-de-Valleyfield「サラベリ=ド=ヴァレフィルド」はモントリオールのすぐ近くのセントローレンス川上流の中洲にある。
Lac Saint-Jean「サン・ジャン湖」は、ケベックの更に下流でセントローレンス川に合流するサグネ川の水源で、Chicoutimi「シクティミ」はその川の中ほどにあるSagueney「サグネ」の中心地域。
以上、歌詞中の地名を水路中心に説明したが、陸路として、ナイアガラからケベックまでの全長約800kmに及ぶルートはメープル(カエデ)の木が多く秋になると一斉に紅葉することから、「メープル街道」と呼ばれる。   

予定していた「ありきたりではない移動手段」は、地名と韻を踏んでいる。
(車で)トロント→(馬で)モントリオール→(足を濡らさずに)ケベック州(を横切り)→(ウアウアで)オタワ→(水路を)ヴァレーフィールド→(駕籠で)トロワ・リヴィエール→(眠ったまま)シクティミ(を通り過ぎ)→サン・ジャン湖(を泳いで渡る)
実際には、予定通りの旅程ながら、移動手段がまったく変わってしまい、押韻は崩れている。
(泳いで)トロント→(眠ったまま)モントリオール→(駕籠で)ケベック→(水路を)オタワ→(足を濡らさずに)ヴァレーフィールド→(ウアウアで)トロワ・リヴィエール→(馬で)シクティミ(を通り過ぎ)→サン・ジャン湖(に車で飛び込んだ)

[注]
1 à pied sec「足を濡らさずに」という意味だが、歩くとしたら距離が長すぎる。à pied, à cheval et en voiture「あらゆる手段で」という熟語があり、ここまではそれを踏まえたのかもしれない。
2 oua ouaはフランス語のeau「水」とも類似し、Wiktuonaireの、トイレWC.を意味するwawaという語の解説に、waterの意味の幼児語wawaを語源とするとあり、oua oua=wawa=waterかと考えたが、この歌詞の英訳では、guaguaとされ、その脚注に、ラテン・アメリカやカナリア諸島でバスを意味する語であると記されているとのコメントをいただいた。この語は英語のwagonの変形だと考えられているようである。Ottawa 「オタワ」との語呂合わせの意図も伺えるので、判断保留のまま、読みの仮名書きにした。
3 sur un fil:英訳では filを「糸、ロープ」とし、on a tightrope(綱渡りで)と訳している。「ありきたりではない」ならこちらかもしれないが、Valleyfieldのfieldとfil d'eau「水の流れ」との語呂合わせが裏にあると思われるので「水の流れに乗って」と捉え、川を遡る場合もあるので「水路を」と訳した。




2022年10月21日、記事を大幅に訂正した。

コメント
このコメントは管理者の承認待ちです
dot 2023.10.18 20:51 | 編集
コメントありがとうございました。いろいろ調べ直し、記事を大幅に書き換えました。
Nonniedot 2022.10.21 11:03 | 編集
このコメントは管理人のみ閲覧できます
dot 2022.10.18 14:53 | 編集
このコメントは管理人のみ閲覧できます
dot 2022.10.18 14:50 | 編集
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