2016
11.18

夜の顔Gueule de nuit

Barbara Le soleil noir


バルバラBarbaraの「夜の顔Gueule de nuit」1968年のアルバム:Le soleil noirに収録されている曲。Gueuleはもともと「肉食獣の口」を意味し、人間の口や顔のことも、ちょっと悪いニュアンスを含めて言います。「ツラ」といった感じかな。歌詞中、ネズミsourisそして夜の顔geule de nuitと自称するのは、夜にモンパルナスのミュージックホールで歌っている歌手なのでしょう、朝早くに秋を見たいという叶わぬ願いを表します。

口先でDu bout des lèvre」といっしょに入っている動画です。




Gueule de nuit  夜の顔
Barbara     バルバラ


J'suis une souris, geule de nuit,
Et je vais, je viens, je passe, passe.
J'suis pas du jour, gueule d'amour.
D'ailleurs j'suis de Montparnasse, nasse. 注1
Cherchez pas de mystère, j'en ai pas.
J'ai bon caractère, mais faut pas,
Pas pousser grand-mère d'un faux pas, ah. 注2

  私はネズミ、夜の顔よ、
  行って、戻って、私は通る、通る。
  私は昼の者じゃない、愛の顔じゃ。
  それに私はモンパルナス、ナスの者よ。
  秘密を探ろうとしないで、私にはないわ。
  私はいい性格よ、でもダメよ、
  足を踏み間違えて婆さんを蹴飛ばしちゃ、アー。

Barbara Gueule4


Oui, j'aurais pu, comme vous
Ou comme toi, être ronde, ronde
Mais c'est foutu, c'est classé 注3
Car Dieu m'a préférée longue, longue.
Pour c'que j'ai à faire, ça m'gêne pas.
On peut pas s'refaire, jeune ou pas.
Passez donc la main,
La main dans la main, et viens.

  ええ、私はできたかも、みんなのように
  あるいはあなたのように、おデブさんに、デブになることが、
  でもそれはダメ、ムリなの
  だって神さまは私がノッポの、ノッポのほうがお気に召したから。
  私の仕事には、それは邪魔にならないわ。
  自分は作り変えられない、若いかそうじゃないかとか。
  さぁ手を出して、
  手に手をとって、行くのよ。

J'voudrais voir l'automne, dans le petit matin,
Quand le ciel s'étonne
Sur le canal Saint-Martin. 注4
Au lieu d'ça, je trime,
Alors j'imagine
Que je vois l'automne, dans le petit matin
Et je m'abandonne
Et j'en rêve et c'est bien.
J'ai jamais vu ça,
J'ai jamais vu ça.
J'voudrais voir l'automne,
L'automne avec toi.

  秋を見たいわ、朝早く、
  空がびっくりするときに
  サン=マルタン運河で。
  そうする代わりに、私は汗水たらして働いて、
  想像するの
  朝早くに秋を見ることを
  そして身をゆだね
  それを夢見るの、とてもすてきよ。
  私は見たことない、
  私は見たことないの。
  秋を見たいわ、
  秋をあなたと。

Gueule de nuit1


Parfois je pense à ce que j'aurais pu être, être,
Tiens, la Goulue, Malibran, ou la Divine peut-être, être. 注5
Ah, les années trente, trente et un,
Monsieur de Truc ou de Machin 注6
Prenait ta vertu
Et t'avait pignon sur rue. 注7

  ときどき私は考える、自分がなれた、なれたかもしれないものを、
  ほら、食いしん坊、オペラ歌手、女神、かも、かもよ。
  ああ、30年、31年間
  なにが氏かそれが氏は
  あなたの貞女をものにして
  そして通りに立派な店を構えた。

Je m'serais payé, dans mon fiacre,
Un drôle de tour du monde, monde
Et, des montagnes aux lacs,
Je l'aurais dansée ma ronde, ronde
En boa, bottée, dans mon fiacre 注8
Et toi, chapeauté, chapeau clac, 注9
On s'en s'rait allés.
Allez, fouette cocher, et viens ! 注10

  自分に奮発したいものよ、辻馬車に乗って、
  おかしな世界巡り、世界巡りを
  そして、山や湖を、
  ロンドを踊って巡るの、ロンドを
  ボアを巻き、長靴履いて、辻馬車に乗って
  そしてあなたは、帽子をかぶって、帽子をバシッと、
  出かけるのよ。
  さぁ、御者よ馬を鞭打って、出発!

Gueule de nuit3


Viens donc voir l'automne, dans le petit matin,
Quand le ciel s'étonne, sur le canal Saint-Martin.
Non mais t'imagines ?
Au lieu d'ça, je trime.
J'voudrais voir l'automne, dans le petit matin,
Quand le ciel s'étonne, de Passy à Pantin. 注11
J'ai jamais vu ça,
J'ai jamais vu ça.
J'voudrais voir l'automne,
L'automne avec toi.

  さぁ秋を見に行くの、朝早く、
  空がびっくりするときに、サン=マルタン運河で。
  いいえでもあなた想像できる?
  そうする代わりに、私は汗水たらして働くの。
  朝早くに秋を見たいわ、
  空がびっくりするときに、パッシーからパンタンまで。
  私は見たことない、
  私は見たことないの。
  秋を見たいわ、
  秋をあなたと。

Gueule de nuit2


On peut rêver, rêvasser
A c'qu'on aurait voulu être, être,
Mais c'est foutu, c'est classé.
Ce n'est pas plus mal peut-être, être
V'là la fin du jour, geule d'amour.
C'est bientôt la nuit, gueule de nuit.
En robe de lumière,
J'serai à mon affaire, viens.

  夢見て、夢想することはできるわ
  なること、なることを望んだものを、
  でも、それはダメ、ムリ。
  もう悪くないかも、かもね
  もう一日の終わりよ、愛の顔の。
  まもなく夜、夜の顔。
  光のドレスをまとって、
  自分の仕事に取りかかるわ、いらっしゃい。

Après tout, l'automne, dans le petit matin,
Quand le ciel s'étonne, on verra ça demain.
Viens, la ville s'allume
Et Paris s'emplume.
Après tout, l'automne, dans le petit matin,
Qu'est-ce que ça peut faire
Puisqu'on s'aime et c'est bien.
Un amour comme ça,
J'ai jamais vu ça.
J'ai jamais vu ça,
Dieu, que ça m'étonne, tilalala...

  ともかく、秋を、朝早く、
  空がびっくりするとき、明日それを見るの。
  さぁ、街は火を灯し
  そしてパリは羽飾りで覆われる。
  ともかく、秋を、朝早くに、
  それが何になるのかって
  だって私たちは愛し合うわすてきなことよ。
  そんな愛、
  私は見たことないの。
  私は見たことないの、
  神さま、それが私をびっくりさせてくれますように、ティラララ…

J'suis ta souris, gueule de nuit.
Avec toi je vais, je passe, passe.
J'suis ta souris de la nuit.
Viens, j't'emmène à Montparnasse, nasse.
J'suis ta souris de la nuit,
J'suis ta souris, gueule de nuit.
J'suis ta souris de la nuit,
J'suis ta souris, gueule de nuit

  私はあなたのネズミ、夜の顔。
  あなたといっしょに行く、私は通る。
  私はあなたのネズミ、夜の顔。
  いらっしゃい、あなたを連れて行くわモンパルナス、ナスに。
  私はあなたの夜のネズミ。
  いらっしゃい、あなたを連れて行くわモンパルナス、ナスに。
  私はあなたの夜のネズミ。
  私はあなたのネズミ、夜の顔。
  私はあなたの夜のネズミ。
  私はあなたのネズミ、夜の顔。

Barbara Gueule3


[注]
1 Montparnasse「モンパルナス」はセーヌ川左岸14区にある地区。繁華街で、ミュージックホールも多い。nasseは1行目のpasseと語呂を合わせるために意味無く加えているだけ。
2 d'un faux pas「足を踏み間違えて」
3 c'est foutu / c'est classéともに「もうおしまいだ、万事休す」
4 canal Saint-Martin「サン=マルタン運河」(ウルク運河に続く)ラ・ヴィレット貯水池と(セーヌ川に続く) バスティーユのアルスナル港を結ぶ運河。
5 Malibran「マリブラン」スペイン出身のオペラ歌手で、事故で夭折した。ここではオペラ歌手の代名詞。
6 Monsieur de Truc / Monsieur de Machinともに、名前の分からない人物、特定しない人物のことで、「某氏」。
7 avoir pignon sur rue「街に立派な店を構える」。pignonは建築用語で「切り妻」。
8 boaは「大ヘビ」のことも言うが、羽毛や毛皮の襟巻き「ボア」。botté「長靴を履いた」。ペローPerraultの童話「長靴を履いた猫」はChat botté。
9 chapeauté「帽子をかぶった」。 clacは「パチン、パチッ」などの擬音語。
10 Fouette, cocher !「御者よ馬を鞭打て!進め!がんばれ!」
11 Passy「パッシー」パリ16区セーヌ左岸のメトロ6号線の駅。Pantin「パンタン」サン=マルタン運河の始まる19区のラ・ヴィレットに隣接するコミューン。de Passy à Pantin「パッシーからパンタンまで」は、セーヌ川とサン=マルタン運河を遡って行くコースになる




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