
エディット・ピアフÉdith Piaf「あなたに首ったけJe t'ai dans la peau」は、1952年にその年に結婚した相手の歌手ジャック・ピルスJacques Pillsが作詞し、当時無名だったジルベール・ベコーGilbert Bécaudが作曲しました。「私の歌がすてきになるためにPour qu'elle soit jolie ma chanson」とともに1953年の映画「パリに響く砲声Boum sur Paris」の主題曲にもなりました。
Je t'ai dans la peauは、文字の上からは、「私はあなたを私の皮膚の内側に持つ」ということですから、ちょうどジャズの曲名I’ve got you under my skinと同じみたいです。こちらは「あなたはしっかり私のもの」という邦題がついています。フランス語の場合は、若干違った意味の成句で「…を熱愛している、にご執心である」すなわち「あなたに首ったけ」という邦題のとおりですから、英語とは逆に、捕えられたのは「私」のほうなのでしょう。
ピアフ
パトリシア・カースPatricia Kaasがアコースティックな感じで歌っています。
Je t'ai dans la peau あなたに首ったけ
Édith Piaf エディット・ピアフ
Toi...
Toujours toi...
Rien que toi...
Partout toi...
Toi... toi... toi...
Toi...
あなた…
いつもあなた…
あなたでしかない…
あなただらけ…
あなた…あなた…あなた…
あなた…
Je t’ai dans la peau,
’y a rien à faire. 注1
Obstinément, tu es là.
J’ai beau chercher à m’en défaire, 注2
Tu es toujours près de moi.
Je t’ai dans la peau,
’y a rien à faire.
Tu es partout sur mon corps.
J’ai froid, j’ai chaud.
Je sens la fièvre sur ma peau.
あなたに首ったけよ、
どうしようもないわ。
執拗なまでに、あなたは存在してる。
追い払おうとしてもむだ、
あなたはいつだってわたしのそばにいる。
あなたに首ったけよ、
どうしようもないわ。
あなたはわたしの体のいたるところにいる。
寒くなったり、暑くなったりする。
熱を感じるわわたしの肌に。

Après tout, je m’en fous de ce qu’on peut penser. 注3
Je n’peux pas m’empêcher de crier.
Tu es tout pour moi, j’ suis intoxiquée
Et je t’aime, je t’aime à en crever. 注4
やっぱり、ひとがどう思おうが気にしないわ。
叫びたくなるのをやめられない。
あなたはわたしにとってすべてなの、わたしは中毒よ
あなたを愛しているわ、死ぬほど愛している。
Je t’ai dans la peau,
’y a rien à faire.
Obstinément, tu es là.
J’ai beau chercher à m’en défaire,
Tu es toujours près de moi.
Je t’ai dans la peau,
’y a rien à faire.
Tu es partout sur mon corps.
J’ai froid, j’ai chaud.
Je sens tes lèvre sur ma peau.
あなたに首ったけよ、
どうしようもないわ。
執拗なまでに、あなたは存在してる。
追い払おうとしてもむだ、
あなたはいつだってわたしのそばにいる。
あなたに首ったけよ、
どうしようもないわ。
あなたはわたしの体のいたるところにいる。
寒くなったり、暑くなったりする。
あなたの唇を感じるわわたしの肌に。

’y a rien à faire, j’ t’ai dans la peau...
どうしようもないわ、あなたに首ったけよ…
[注]
1 ’y a rien à faire=Il n’y a rien à faire「どうしようもない、お手上げだ」
2 avoire beau+inf.「たとえいくら…しても(無駄)である」
3 après tout「結局のところ、なんといっても」。je m’en fous「そんなことどうだっていい」ピアフの曲にはよく出てくる言い回し。
4 à crever「はちきれそうなほど」と「死にそうなほど」の二つの意味。ここでは後者。en=de cela「それによって」。
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