
ミッシェル・トールMichèle Torrの歌う「喜びに涙してJ'ai pleuré de joie」(1970年。作詞:ジャック・ドマルニーJ. Demarny、コレット・レミィC. Rémy、作曲:エンリコ・マシアスEnrico Macias、ジャン・クロードリクJ. Claudric、編曲:ジャン・クロードリクJ. Claudric)です。
ミッシェル・トールは、1947年生まれのフランスの歌手、64歳の今も現役で、昨年もオランピアのステージに立ちました。その力強い歌声は「ブロンドのピアフPiaf blonde」とも評されます。434曲を録音し、出した53アルバム、70デイスクのうち、30枚がゴールドディスク、1枚がプラチナディスクに輝き、計35万枚の売り上げを誇っています。
1975年に来日し、第2回世界歌謡祭に出場して歌唱グランプリを受賞し、この時に、この曲の日本語バージョン「しのび泣き」もレコーディングしています。そして「喜びに涙して」だったフランス語の曲の邦題もこの演歌風の邦題に変えられましたが、原題の「喜びにむせぶ、嬉し泣きする」といった意味と正反対になってしまうので、もとの邦題のほうを採用したいと思います。
なお、作曲者の一人エンリコ・マシアス も1970年に録音しています。
J'ai pleuré de joie 喜びに涙して
Michèle Torr ミッシェル・トール
Que de fois j'ai pleuré de joie
Face à mon bonheur qui vit dans ton cœur 注1
Que de fois ta façon d'aimer a ensoleiller mes jours
Et pourtant nous avons tremblé
Chaque fois qu'il y avait un danger
Mais tout ça c'est la peur du feu
D'un amour heureux
なんど私は喜びにむせび泣いたことか
あなたの心のなかに生きる私のしあわせに
なんどあなたの愛が私の日々を照らしてくれたか
だけど私たちは身震いした
危険があるたびに
でもそれはすべて
しあわせな愛の炎への
恐れだった

Que de fois j'ai pleuré de joie
A te regarder vivre à mes côtés
Que de fois j'ai vu dans tes yeux
L'existence du merveilleux
Trop de gens souffrent encore
D'être seul dans la vie
Et leur cri chaque jour
Est un cri d'amour
なんど私は喜びにむせび泣いたことか
あなたが私の傍らで生きるのを見て
なんど私はあなたの目のなかに見たことか
素晴らしいものの存在を
あまりにも多くの人々がいまだに苦しむ
人生で独りっきりであることを
そして彼らの叫びは
愛の叫びとなる

Que de fois j'ai pleuré de joie
Depuis cet instant du premier serment
Et depuis mon cœur ne reçoit
Que ce qui me vient de toi
Les enfants que tu m'as donnés
Les élans de ta sincérité
Ton sourire, ta confiance en moi
Je te dois tout ça 注2
なんど私は喜びにむせび泣いたことか
最初の誓いのその瞬間から
そして私の心は
あなたからのものしか受け入れないから
あなたが私に授けてくれた子どもたち
あなたの誠実さのあらわれ
あなたの微笑み、あなたの私への信頼
すべてをあなたに感謝しているわ

Quand je prends ma vie dans tes bras
Je prends chaque fois le monde avec toi
Mais ce soir encore une fois
J'ai envie de pleurer de joie
あなたの腕に抱かれて生きているときは
いつもあなたといっしょの世界を手にする
でも今夜もう一度
喜びにむせびたいの
[注]
1 face à「…に直面して、…に向かって」だが、訳語はあえて簡略化した。
2 devoir「…に…を負っている、…は…のお蔭である」
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