
「黒猫のタンゴ」は日本では皆川おさむの歌で大ヒットしましたが、もとは、1969年イタリアの童謡コンテスト「第11回ゼッキーノ・ドーロLo Zecchino d'Oro」で入賞した曲:Volevo un gatto neroです。作詞:マリオ・パガーノMario Pagano(フラマリオFramarioの筆名)、アルマンド・ソリチッロArmando Soricillo、フランチェスコ・サヴェリオ・マレスカFrancesco Saverio Maresca。作曲:マリオ・パガーノ。オリジナル歌唱:ヴィンチェンツァ・パストレッリVincenza Pastorelli。原題は「黒猫が欲しかった」と言う意味で、「ワニやキリンやゾウや動物園まるごと、あんたにあげるから、私に黒猫をちょうだいって言ったのに、あんたがくれたのは白猫だった。話が違うでしょ」といった内容。
Je veux vivre tangoというフランス語の歌もあるのでご紹介しましょう。でも、黒猫の話ではなく、ぐうたらな親をかこつ生意気な子どもの話。1972年にエリック・ベルダEric Berdaが歌いました。フランス語歌詞:ミッシェル・ベルナールMichel Bernard。タイトルは「タンゴを(踊るように?)生きたい」という意味です。邦題は意訳して「タンゴ大好き」とし、「黒猫のタンゴ」を副題としました。
Je veux vivre tango タンゴ大好き(黒猫のタンゴ)
Eric Berda エリック・ベルダ
Mes parents exagèrent
Ils ne me comprennent pas
Et parfois j'ai les nerfs
Noués au bout des doigts
Pour aller a l'école
Je me lève à 6 heures
Et j'ai les yeux qui collent
Et j'ai les yeux qui pleurent
僕の親はほんとに勝手なのさ
僕をちっとも分かってくれなくて
時には神経が指先で締め付けられるみたいに
ピリピリする
学校に行くのに
僕は6時に起きるんだ
目はくっついて開かず
泣けてくるよ

{Refrain:}
Moi je veux vivre tango tango tango
Mais mon père et ma mère sont toujours après moi
Moi je veux vivre tango tango tango
Vraiment ils exagèrent
Ah quels parents j'ai là
La la la la la la la
僕はねタンゴ、タンゴ、タンゴみたいに生きたいよ
でも父さんと母さんはいつも僕のあとに起きてくる
僕はタンゴ、タンゴ、タンゴみたいに生きたいのに
ほんとに勝手だよ
ああなんて親を持ったことか
ララララララ、ラーラ
En rentrant de l'école je veux jouer aux billes
Faire des cabrioles
Et puis courir les filles
Mais prenant mon cartable
Ma mère ah ce bourreau
Me dit : "Mets-toi à table
Et mets-toi au boulot."
学校から帰ったら僕はビー玉遊びしたり
飛んだり跳ねたり
女の子を追いかけたりしたいのに
僕のカバンを取って
母さんは、ああこの冷血漢は
言うんだよ「机に向かって
勉強しろ。」って

{Refrain}
Tous les soirs c'est la course
Pour regarder la télé
Papa veut voir NOUNOURS 注
Maman des variétés
Moi ce qui m'intéresse c'est les films d'amour
Mes parents me complexent
Et vivent à contre-jour
毎晩のことさ
テレビのチャンネル争いは
父さんは幼児番組
母さんはバラエティー番組
僕が好きなのはメロドラマ
僕の親は僕に恥ずかしい思いをさせる
日陰者たちなのさ

{Refrain}
Conflit des générations
On ira dans la rue
Et la révolution sera notre salut
世代間の争いだよ
街に出ようぜ
革命が僕らの合言葉さ
{Refrain}
[注] nounoursは幼児語で「クマちゃん」。大文字で表記されており、Bonne nuit les petitsというテレビの幼児番組の、1976年から始まった第3シリーズのパーソナリティのようだ。

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