2014
10.22

コワQuoi

Jane Birkin Lost song


ジェーン・バーキンJane Birkinの代表曲のひとつである「コワQuoi」は、ゲンズブールの作詞で、イタリアのグイド・デ・アンゲリスGuido De Angelisとマウリツィオ・デ・アンゲリスMaurizio De Angelisの兄弟が作曲しました。85年にレコーディングされ、86年にイタリアの「チネチッタCinecitta」というテレビ番組の主題歌に使われ、同年、日本信販(現・三菱UFJニコス、NICOS)のテレビCMにも使われました。87年のアルバム:Lost Songに収録されています。

ゲンズブールの作った歌詞の特徴として、言葉遊びの多用が目立ちます。エロティックな内容以外に、ゲンズブール自身のようなアナーキーな性格の男と付き合っている女性の立場の歌詞も多いです。この曲は、先に取り上げた「ロスト・ソングLost song」以上に二人の関係の難しさを託って「いいかげんにしてよ」と相手に訴えている内容です。



Quoi                 コワ
Jane Birkin             ジェーン・バーキン


Quoi d'notre amour fou n'resterait que des cendres 注1
Moi j'aimerais qu'la terre s'arrête pour descendre 注2
Toi tu m'dis qu tu n'vaux pas la corde pour te pendre 注3
C't à laisser ou à prendre 注4
Joie et douleur c'est ce que l'amour engendre
Sois au moins conscient que mon cœur peut se fendre 注5
Soit dit en passant j'ai beaucoup à apprendre 注6
Si j'ai bien su te comprendre

  私たちの狂った愛の何かは灰しか残さない
  私は地球が停まってほしいわ降りるから
  あなたは自分のことを人間のクズだと言い
  さぁやめるのか買うのかどっちなんだと
  喜びと苦しみは愛が生み出すもの
  少なくとも私の心が張り裂けそうなのを気づいてほしい
  ついでに言わせてもらえば私はたくさん学んだわ
  あなたを理解することができたというのならね

Gainsbourg birkin8


Amour cruel comme un duel
Dos à dos et sans merci 注7
Tu as le choix des armes ou celui des larmes 注8
Penses-y, penses-y
Et conçois que c'est à la mort à la vie 注9

  激しい愛はまるで死闘
  背中合わせで情け容赦なく
  あなたは武器を選ぶのか涙を選ぶのか
  考えて、考えて
  そしてそれは永遠に続くんだと分かってよ

Quoi d'notre amour fou n'resterait que des cendres
Moi j'aimerais qu'la terre s'arrête pour descendre
Toi tu préfères mourir que de te rendre 注10
Va donc savoir va comprendre 注11

  私たちの狂った愛の何かは灰しか残さない
  私は地球が停まってほしいわ降りるから
  あなた あなたは降伏するより死んだほうがましなのね
  まったくなんだか分からない なんとも理解できないわ

Amour cruel comme en duel
Dos à dos et sans merci
Tu as le choix des armes ou celui des larmes
Penses-y, penses-y
Et conçois que c'est à la mort à la vie

  激しい愛はまるで死闘
  背中合わせで情け容赦なく
  あなたは武器を選ぶのか涙を選ぶのか
  考えて、考えて
  そしてそれは永遠に続くんだと分かってよ

{Instrumental}

Gainsbourg birkin7


Toi tu préfères mourir que de te rendre
Va donc va comprendre

  あなた あなたは降伏するより死んだほうがましなのね
  まったくなんだか分からない なんとも理解できないわ

Quoi d'notre amour fou n'resterait que des cendres
Moi j'aimerais qu'la terre s'arrête pour descendre
Toi tu m'dis qu tu n'vaux pas la corde pour te pendre
C't à laisser ou à prendre

  私たちの狂った愛の何かは灰しか残さない
  私は地球が停まってほしいわ降りるから
  あなたは自分のことを人間のクズだと言い
  さぁやめるのか買うのかどっちなんだと

Gainsbourg birkin6


[注]
1 quoiは疑問詞ではなく、「何か」という意味で主語となっていて、d'notre amour fouはそれを修飾する。この語が題名になっているが、この読みのカタカナ表記「コワ」が邦題として広く知られている。発音記号は[qwa]なので「クワ」のほうが近いが、moiは「ムワ」でなく「モワ」と表記されてきたし、toiは 「トワ」とするしかないし、これもまぁいいかということで採用した。条件法は仮定的未来を示す。
2 地球を乗り物として、降りたいから停止して欲しい。意味としては、二人の関係をおしまいにして、下りたいということだろう。条件法は婉曲表現。
3 valoir pas la corde pour se pendre「縛り首の縄にも値しない、人間のクズだ」
4 C’est à prendre ou à laisser.「さお買いになるかおやめになるかいずれかです」。C’tと略し、韻のためか語順を変えている。
5 se fendre「裂ける」
6 soit dit en passant「ついでに言えば」
7 dos à dos「背中合わせで」昔の決闘は、まず背中を合わせて立ち、10歩歩いてから撃ち合ったとか。 sans merci「情け容赦のない」
8 le choix「選択の可能性」。武器を持って戦うのか、涙を流して和合するのかといったニュアンス。celui(= le choix)をジェーンが「セルイ」と発音しているのが気になるが…。
9 à la vie à la mort「永遠に、いつまでも」ここも、韻のためか語順を変えている。
10 se rendre「降伏する」
11 va savoir「全然確かなことは分からない、なんとも言えない」va comprendre も同様。doncは強意語で、cは発音しない(文頭および母音の前では発音する)。



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