2016
07.21

名もない人々Les gens sans importance

Yves Duteil Les gens sans importance


イヴ・デュテイユYves Duteilの曲はすでに何曲か取り上げました。今回ご紹介する「名もない人々Les gens sans importance」は、「夜の通行人に捧ぐHommage au passant d'un soir」とともに、1981年に出たアルバムCa n est pas c' qu'on fait qui compteに収録されています。



Les gens sans importance  名もない人々
Yves Duteil           イヴ・デュテイユ


Ce sont des gens sans importance 注1
Avec des gestes quotidiens
Qui font renaître l’espérance
Et le bonheur entre leurs mains.

  それは平凡なふるまいをする
  名もない人々だ
  手のうちで
  希望と幸福をよみがえらせるのは。

Yves Duteil4


Ce sont des gens sans artifices
Qui vous sourient quand ils sont bien
Et vont cacher leurs cicatrices
Parmi les fleurs de leurs jardins.

  それは作為のない人々だ
  元気なときにはあなたがたに微笑みかけ
  庭の花々のあいだに
  自分の傷を隠そうとするのは。

Ils ont le cœur un peu fragile
Et la pudeur de leurs chagrins
Leur donne un doux regard tranquille,
Un peu lointain.

  彼らはちょっとばかり繊細な心を持っているから
  自分の悲しみに対する恥じらいが
  彼らに 静かで、ちょっとぼやっとした
  優しいまなざしをもたらしている。

Yves Duteil2


Ce sont des gens sans importance
Et qui parfois ne disent rien
Mais qui sont là par leur silence,
Quand ils sont loin.

  それは名もない人々で
  ときには何も言わない
  だが彼らは遠くにいても、
  沈黙という形で存在している。

Moi j’ai le cœur en plein Décembre. 注2
L’ami Pierrot s’en est allé 注3
En emportant mes chansons tendres
Et ton passé 注4

  僕ときたら真冬の気分だ。
  友だちのピエロが行ってしまった
  持ち去って 僕の優しい歌と
  君の過去の思い出を

Yves Duteil1


Et tous les mots sans importance 注5
Qui résonnaient dans la maison,
Mais qui sont lourds de son absence
Dans ma chanson.

  そして 家のなかで響いていた、
  たあいのない言葉もすべて、
  だがそれらは彼の不在によって重く残る
  僕の歌のなかに。

C’est peut-être à ceux-là qu’on pense 注6
Quand la mort vient rôder, pas loin, 注7
En emportant notre insouciance
Un beau matin.

  僕らが思うのはたぶんあの人々のことだ
  遠からず、死がうろつき始めたときに、
  僕らの無頓着を奪って
  ある朝に。

Yves Duteil3


À tous ces gens sans importance
Avec lesquels on est si bien
Qui font renaître l’espérance
Et sans lesquels on n’est plus rien.

  これら名もない人々すべてのことだ
  彼らといると僕たちはとても元気で
  彼らは希望をよみがえらせてくれる
  彼らがいなければ僕らはもう無力だ。

[注]
1 sans importance「重要性のない」「権威を持たない」という意味だが、一般的な邦題の「名もない」を採用した。「遠くの親戚より近くの隣人(他人)」という格言が思い出される。Ce sont … qui …:後続の節との関連で、「それは…で、彼らは…だ」という形で訳していたが、.「…するのは…だ。」という構文として訳し直した。
2 Décembre「12月」というより「冬」で、en plein Décembre「真冬」。le cœurを修飾し「暗い気持ち」をあらわしている。
3 l’ami Pierrot:前回の「ラ・ダム・ブリュンヌ(褐色の髪の女性)La dame brune」で紹介したフランスの古い童謡「月明かりでAu clair de la lune」のmon ami Pierrotを「友だち」の代名詞としている。
4 ton passé「君の過去の姿、君が残した思い出」という意味合いであろう。君とはmon ami Pierrot。
5 tous les motsも前節のemportantの目的語に含まれると解釈する。
6 ceux-là 「あの人々(物たち)」は次節のtous ces gens sans importanceとなる。
7 pas loin「(時間的に)遠くない」と捉えた。




訳詞に関して貴重なコメントをいただき、それを機に、全体を見直して大幅に訳文を訂正した。(2018年1月14日)

コメント
このコメントは管理人のみ閲覧できます
dot 2018.01.13 20:00 | 編集
今回も的確なご指摘、ありがとうございます。単純な見間違いがありお恥ずかしいです。これを機会に、ご意見を参考に全体を見直し、かなり手を加えました。まだ固い訳で、もう少し意訳してもいいかと思いますが…。
朝倉ノニーdot 2018.01.14 17:22 | 編集
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