2016
06.22

アデュー・パリAdieu Paris

Berthe Sylva Adieu Paris


私たちは昨夜、深夜便でパリを立ち、今日の夕方、日本に帰る予定です。それにふさわしく、今回は、ベルト・シルヴァBerthe Sylvaが歌った「アデュー・パリAdieu Paris」を。その原曲は、1927年にアルゼンチンのフリオ・サンデルスJulio Cesare Sandersが作曲し、セサル・ベダーニCesar Vedaniが作詞した「アディオス・ムチャーチョス(さらば友よ)Adiós muchachos」で、死の床にある病んだ男が、神の思し召しのまま恋人と母親の待つ天国に行くと友達に別れを告げる、という悲しい曲。
1929年にルシアン・ボワイエLucien Boyerがフランス語の歌詞を作りました。ちなみに谷村新司 の「アデュー巴里」はまったく別の曲。

また、1951年にDorcas CochranがI Get Ideasというタイトルで英語の歌詞を作り、ルイ・アームストロングLouis Armstrong らが歌いヒットしています。

カルロス・ガルデルCarlos Gardelの歌う原曲



ベルト・シルヴァ



Adieu Paris   アデュー・パリ
Berthe Sylva  ベルト・シルヴァ


Adieu Paris, je me retire à la campagne,
L'ennui me gagne, assez d'champagne, 注1
J'en ai soupé d'aller souper avec les poules, 注2
Et de rentrer comme si l'pavé faisait d'la houle.  注3

  さようならパリ、私は田舎に引っ込むわ
  退屈が私をとらえる、シャンパンはもうたくさんよ
  夜明けに夜食を食べに行くのはもうたくさんよ、
  舗石がうねるみたいに戻ってくるのももうたくさん。

Adieu Paris, car j'en ai par-dessus la tête, 注4
Faire la fête, oh, qu'ça m'embête,
Je vais me mettre au vert, vivre comme les bêtes, 注5
Me coucher tôt et ne plus boire que d'l'eau.

  さようならパリ、だってもうたくさんよ
  お祭りさわぎ、おお、それってうんざりだもの
  私は緑地に身を置き、獣たちのように生き、
  早起きして水しか飲まないわ。

Adieu Paris3


Oui mais,
Avant que je te quitte,
Que je vive en ermite, 注6
Tout là-bas loin de toi,
Oh ! Ville des merveilles,
Encore une fois,
Vidons une bouteille,
Et puis deux, et puis trois.

  ええだけど、
  あんたの元を去り、
  あんたから遠く離れて
  隠遁生活を送る前に、
  おお!すばらしい街よ、
  もう一度、
  瓶を1本空けましょう、
  そして2本、そして3本。

Oh ! La drôle de chose,
Lorsqu'un bouchon explose,
Je vois la vie en rose,
Profitons-en, garçon !
Apportez-moi la carte,
On doit, sans façon,
Faire avant que je parte
Un bon gueuleton.

  おお、おかしなことに、
  瓶の栓が抜けると、
  バラ色の人生が見えるわ、
  好都合だわ、ギャルソン!
  メニューを持ってきて、
  出発の前に
  やらなくちゃ、存分に、
  大宴会をね。

Adieu Paris2


Adieu Paris, ville de rêve et d'épouvante,
Ville méchante, ville charmante,
Tu fais payer bien cher le bonheur que tu donnes,
Mais en mourant, on t'aime tant qu'on te pardonne.

  さようならパリ、夢と恐怖の街よ、
  よこしまな街、魅力的な町、
  あんたは与えた幸福に高い代価を払わせる、
  でも人は、死ぬときに、あんたを許すのと同じだけ愛するのよ。

Adieu Paris, adieu Montmartre et Notre-dame,
Et jolie femme, et vilain drame,
Toute l'éternité nous te donnons nos âmes, 注7
Leur paradis, c'est le ciel de Paris !

  さようならパリ、さようならモンマルトルそしてノートル=ダム。
  きれいな女も、ひどい事件も、
  ずっと昔から私たちはあんたに自分の魂を捧げている、
  私たちの魂の天国、それはパリの空よ!

[注]
1 assez de qc.「…はもうたくさん」
2 avoir soupé de qc.「…にうんざりする」。avec les poules「雌鳥とともに」すなわち「夜明けに」。
3 酔っ払って道を歩いて帰ってくる様子を、「舗石がうねる」と表現しているのだろう。
4 en avoir par-dessus la tête「もうたくさんだ」
se mettre au vert「緑の山野に行く、田舎で休養する」
5 viver en ermite「ひとり暮らしする、隠遁生活を送る」。ermiteは「隠者、世捨て人」。
6 (de) toute l'éternité「大昔から」




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