2016
05.29

マガリMagali

Gloria Lasso Magali


エディット・ピアフÉdith Piafの「群衆La foule」にも歌われているファランドールとは、プロヴァンスの民族舞踊。今回はそのファランドールをテーマにした曲「マガリMagali」です。1962年に作られ (作詞:Robert Nyel 作曲:Gaby Verlor)、先に「ボン・ヴォワヤージュBon voyage」を取り上げたグロリア・ラッソGloria Lasso と男性歌手のロベール・リパRobert Ripaが歌いました。マガリMagaliは、マグダラのマリアMaria Magdalenaに因むとされる女性の名前で、男性の立場で作られた歌詞ですが、グロリア・ラッソの曲としてご紹介します。

ロベール・リパ



グロリア・ラッソ



プロヴァンス地方のオック語の民謡に、同名の曲があります。これは男性コーラスです。



Magali      マガリ
Gloria Lasso  グロリア・ラッソ


Magali, Magali Qu'est-c'qui m'a pris de t'emmener aux Saintes Maries de la Mer 注1
Ah si j'avais pu deviner que le malheur était dans l'air Magali
Tu as préféré les guitares au son des fifr's et tambourins 注2
La farandole provençale ne me donnera plus la main 注3

  マガリ、マガリ 何が僕に君をサント・マリー・ド・ラ・メールへ連れて行かせた?
  あぁ僕がもし不穏な空気を見抜けていたら マガリ
  君はファイフや太鼓よりギターを好んだ
  プロヴァンスのファランドールはもう僕に手をさし伸べてくれない

Oh! Magali, tu te rappelles ces tambourins, comme ils sonnaient
La farandole était si belle jusqu'à l'espère, on l'a dansée 注4
Magali depuis trois jours dans la Camargue, je te réclame sans arrêt 注5
Avec ce soleil qui me nargue, en tournoyant dans les cyprès

  おー!マガリ、君はこれらの太鼓を思い出す、どんなふうに鳴ったのか
  ファランドールはとても美しくて心ゆくまで、ひとは踊った
  マガリ カマルグで3日前から、僕はずっと君を呼び求めている
  僕をあざ笑うこの太陽を受けて、糸杉のあいだでくるくる回りながら

Magali3.jpg


Magali, Magali qu'est-c'qui t'a pris de t'en aller pour le pays de nulle part 注5
Parc'qu'un gitan t'a regardée en faisant chanter sa guitar' Magali
Toute la Crau résonne encore d'Arles et de Nîmes jusqu'à Marseille 注6
De ma voix qui criait si fort que j'ai gardé mal aux oreilles

  マガリ、マガリ なにが君をどこかの国へ行かせたの
  ひとりのジプシーがギターをかき鳴らしながら君に目を向けたせいなのか マガリ
  クロー平野中に さらにはアルルやニームからマルセイユまで響く
  自分の耳が痛くなるほど大きく叫ぶ僕の声の反響が

Oh! Magali, que tu me manques, voici déjà les tambourins
La farandole est impatiente de nous revoir main dans la main, Magali
Et le soleil de la Camargue se moque de me voir languir
Oh je t'en prie, si tu t'attardes les tambourins vont repartir

  おー!マガリ、君がなんて恋しいのか、ほらもう太鼓たちが集まっている
  ファランドールは僕たちが手を取り合うのを見るのが待ちきれないんだ、マガリ
  カマルグの太陽は僕がしょげているのを見ても知らん顔だ
  おー!お願いだ、君がぐずぐずしていたら太鼓たちはまた行ってしまう

Magali1.jpg


Magali, Magali sous le soleil de la Provence, ma tête est prête à éclater
J'entends les fifres qui s'avancent, rien ne peut plus les arrêter, Magali
Ma tête cogne encor plus fort, le soleil n'a plus de pitié
Qu'est-c'qui t'a pris de me quitter ?

  マガリ、マガリ プロヴァンスの太陽のもとで、僕の頭は爆発寸前だ
  ファイフの音が昂進するのが聴こえる、なにもそれを止められないんだ、マガリ
  僕の頭はさらにもっとガンガンし、太陽はもう容赦してくれない
  君を僕から去らせたのは何なんだ?

Oh! Magali, je te retrouve, ne me refuse plus ta main 注7
La farandole enfin s'entrouvre, nous danserons jusqu'au matin, Magali, 注8
Et toute entière la Camargue fait résonner cent mille accords,
Sous le soleil qui nous regarde, Oh Magali, dansons encore.

  おー!マガリ、君をまた見つけたよ、もう手を僕に出すのを拒まないでくれ
  ファランドールはとうとう輪を開いてくれる、僕たちは朝まで踊ろう、マガリ、
  カマルグは全域に10万もの合唱を響かせる、
  僕たちを見守る太陽のもとで、おー、マガリ、また踊ろう。

Magali4.jpg


[注] 
1 Saintes Maries de la mer:プロヴァンス地方のカマルグの首都。マグダラのマリアともう二人のマリアがこの地に来て、マグダラのマリアは去り、残った二人のマリアに因んで、この地はそう呼ばれるようになった。
2 fifre「ファイフ」は、小さなフルート。tambourinは、タンバリンではなく、大きな長太鼓(歌詞中の写真参照)。これらの、昔からのファランドール用の楽器よりも、新しいギターに惹かれてマガリは行ってしまったということだ。
3 farandole「ファランドール」は、プロヴァンス地方の民族舞踊。男女が交互に並んで手をつないで踊る。ここは、パートナーがいないから輪に入れてもらえないという意味。
4 espèreは、古プロヴァンス語 esperar「期待する=espèrer」由来の古語で「待ち伏せ」。
5 de nulle part「どこにも(…ない)」だが、少し妙な用い方だ。
6 la Crau「クロー平野」カマルグの東側に広がる広大な平野。
7 この節にある、マガリが帰ってきていっしょに踊るというのは、空想上のことのようだ。前節に、頭がおかしいとあるので、妄想状態なのであろう。



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