2016
05.15

もしも貧乏になって(青春の旅立ち)Si l'on revient moins riches

Michel Sardou Vladimir Ilitch


布施明が「青春の旅立ち」という邦題で歌っているのは、ミッシェル・サルドゥーMichel Sardouの「もしも貧乏になってSi l'on revient moins riches」という曲。作詞:サルドゥー自身とディディエ・バルブリヴィアン Didier Barbelivien、作曲:ジャック・ルヴォーJacques Revaux。1983年に、アルバムVladimir Ilitchに収録されています。「二人で旅に出よう」と恋人にもちかける内容の歌詞で、旅に出て「もしも貧乏になって戻って来るとしても」、それでもいいじゃないか、それはたぶんより良いことだ、というのです。ちょうどイソップ寓話の「アリとキリギリス」のキリギリスのように冬が来たときに食べ物の蓄えがなかったとしてもいいじゃないか、アリたちがリッチであろうと、そんなこと知ったことじゃないさと言っているようですが、社会に組み込まれて実益にのみ目を向けるみじめな生活から抜け出して広い世界に飛び出そう、いのちを輝かせて生きようというステキな提案なのです。



Si l'on revient moins riches  貧乏になって(青春の旅立ち)
Michel Sardou          ミッシェル・サルドゥー


Et si j’te racontais 注1
Notre prochain voyage?
J’veux dire... en plein délire, 注2
En plein vagabondage.
J’ai l’air de plaisanter
Mais j’rigole pas du tout :
Etre une fois cinglés, 注3
Une fois vraiment fous.

  じゃあ、君に語ろうかな
  僕たちの今度の旅について?
  つまり…気違い沙汰で、
  放浪そのものなのさ。
  僕は冗談を言っているみたいだけど
  笑ったりなんかしないんだ:
  ちょっと頭がおかしくなったり、
  またほんとうに狂ってしまったりすることを。

Si lon revient moins riches1


Partir, bon Dieu! partir
Sans savoir où l’on va,
Faire de la planche à voile
Au détour d’un delta,
D’accord, on prend la fuite :
Imaginons la suite,
Pour un mois pour un an,
J’sais pas.

  出発するんだ、なんとまぁ!出発するんだよ
  どこへ行くのかは知らないが、
  三角州を回って
  ウィンドサフィンをやるのさ、
  よし、僕たちは脱出しよう:
  続きは想像しよう、
  ひと月後一年後は、
  僕には分からない

Et si l’on revient moins riches,
Qu’est-ce que ça peut faire?
D’ailleurs qui seront les riches?
C’est pas notre affaire.
Je rêve d’une route en plein soleil,
D’île aux oiseaux
Où nous aurions toujours sommeil.

  僕たちがもしも貧乏になって戻ってきても
  それが何なんだ?
  他の人たちは金持ちだろうって?
  そんなこと知ったことじゃない。
  僕は太陽の降り注ぐ道を夢見る、
  鳥たちのいる島を
  そこで僕たちはずっとまどろむんだ。

Si lon revient moins riches2


Et si l’on revient moins riches,
C’est tout aussi bien.
D’ailleurs qui seront les riches?
Ça je n’en sait rien.

  僕たちがもしも貧乏になって戻ってきても
  それでもいいじゃないか。
  他の人たちは金持ちだろうって?
  そんなこと僕は知らない。

Je t’aurai vue nager 注4
Sous un ciel d’occident,
Rêver tout éveillée
Devant un océan,
Un été éternel
D’un amour aquarelle,
C’est pas original
C’est bleu carte postale.

  僕は君が泳ぐのを見ることだろう
  西方の空のもとで、
  はっきりと目覚めながら夢みる
  海原をまえに、
  常夏
  水彩画に描かれた恋、
  それは新奇なものじゃない
  それは青い絵ハガキだ。

Si lon revient moins riches3


Nous garderons, tant pis,
Même si c’est un peu bête,
Ces reflets de la vie
Comme un mauvais poète.
On aura eu l’idée
D’un paradis sur terre.
On aura joué la pièce entière.

  僕たちは保っていよう、しかたないさ
  それがちょっとばかげたものでも、
  まずい詩みたいな
  この生の輝きを。
  僕たちは思い描く
  地上の天国を。
  僕たちは劇作品をまるごと演じるだろう。

Et si l’on revient moins riches,
Qu’est-ce que ça peut faire?
D’ailleurs qui seront les riches?
C’est pas notre affaire.
Je rêve d’une route en plein soleil,
D’île aux oiseaux
Où nous aurions toujours sommeil.

  そして僕たちがもしも貧乏になって戻ってきても
  それが何なんだ?
  他の人たちは金持ちだろうって?
  そんなこと知ったことじゃない。
  僕は太陽の降り注ぐ道を夢見る、
  鳥たちのいる島を
  そこで僕たちはずっとまどろむんだ。

Et si l’on revient moins riches,
C’est peut-être mieux.
Avant que l’on en finisse,
Avant d’être vieux,
On aura eu des souvenirs,
Des nuits entières
A rêver sans dormir

  そして僕たちがもしも貧乏になって戻ってきても、
  それはたぶんより良いことだ。
  僕たちが死ぬ前に
  歳を取る前に、
  僕たちはいろんな想い出をもつだろう
  幾晩も夜通し、
  眠らずに夢見ることだろう

[注]
1 si+半過去?の形で、主語がjeで主節が省略されている。願望を述べながら相手の意向を伺う内容。
2 en plein+n.「…のただなかで、真ん中で」が本義だが、訳語としてはまったく異なる表現にならざるを得ない。
3 une fois…une fois「ある時は…、またある時は…」
4 前未来という時制のここでの使い方は、未来の様子をリアルに想像しているようでもあり、夢見た内容を語っているようでもある。




コメント
管理者にだけ表示を許可する
 
back-to-top