2016
04.05

小さな庭Le petit jardin

Jacques Dutronc Le petit jardin


公園・庭園をテーマにした優しい曲を取り上げましょう。ジャック・デュトロンJacques Dutroncの「小さな庭Le petit jardin」です。デュトロンはフランソワーズ・アルディーFrançoise Hardyのダンナで、夫婦でデュオで歌っている「あなたが旅立つというのでPuisque vous partez en voyage」「コルヴィザール通りの霧Brouillard Dans La Rue Corvisart」「泥棒紳士Gentleman cambrioleur」をすでにご紹介しました。アルディーの知的な雰囲気とはまた違って、いつもサングラスをかけて、不良中年風のちょっと崩れた雰囲気をもつデュトロン、現72歳で、俳優としても活躍しています。

1972年にジャック・ランズマンJacques Lanzmannが作詞、デュトロン自身が作曲。一見、なんでもない優しい歌詞のようですが、その裏に、パリの近代都市への変貌を憂う気持ちが込められています。



Le petit jardin    小さな庭
Jacques Dutronc  ジャック・デュトロン


C’était un petit jardin
Qui sentait bon le Métropolitain 注1
Qui sentait bon le bassin parisien 注2
C’était un petit jardin
Avec une table et une chaise de jardin
Avec deux arbres, un pommier et un sapin
Au fond d’une cour à la Chaussée-d’Antin

  それは小さな庭だった
  都会らしい好ましい感じで
  パリ盆地らしい好ましい感じだった
  それは小さな庭だった
  庭用のテーブルとイスが一つづつあり
  木が2本、リンゴの木とモミの木があった
  ショセ・ダンタン通りの中庭の奥にあった

Le petit jardin1


Mais un jour près du jardin
Passa un homme qui au revers de son veston
Portait une fleur de béton
Dans le jardin une voix chanta

  だが ある日、庭のそばを
  ひとりの男が通りかかり、背広の襟に
  コンクリートから花をとってつけた
  庭のなかから 歌う声が聞こえた

{Refrain:}
De grâce, de grâce, monsieur le promoteur,
De grâce, de grâce, préservez cette grâce
De grâce, de grâce, monsieur le promoteur
Ne coupez pas mes fleurs

  お願い、お願い、不動産屋さん
  お願い、お願い、お慈悲だから
  お願い、お願い、不動産屋さん
  わたしの花を取らないで

C’était un petit jardin
Qui sentait bon le Métropolitain,
Qui sentait bon le bassin parisien
C’était un petit jardin
Avec un rouge-gorge dans son sapin
Avec un homme qui faisait son jardin
Au fond d’une cour à la Chaussée-d’Antin

  それは小さな庭だった
  都会らしい好ましい感じで
  パリ盆地らしい好ましい感じだった
  それは小さな庭だった
  コマドリがモミの木にいて
  手入れする人がいた
  ショセ・ダンタン通りの中庭の奥にあった

Mais un jour près du jardin
Passa un homme qui au revers de son veston
Portait une fleur de béton
Dans le jardin une voix chanta

  だが ある日庭のそばを
  ひとりの男が通りかかり、背広の襟に
  コンクリートから花をとってつけた
  庭のなかから 歌う声が聞こえた

{au refrain}

C’était un petit jardin
Qui sentait bon le Métropolitain
A la place du joli petit jardin
Il y a l’entrée d’un souterrain
Où sont rangées comme des parpaings
Les automobiles du centre urbain

  それは小さな庭だった
  都会らしい好ましい感じで
  美しい小さな庭の代わりに
  地下への入り口ができ
  その地下には 都会の車たちが
  コンクリート・ブロックのように並んでいた

Le petit jardin3


C’était un petit jardin
Au fond d’une cour à la Chaussée-d’Antin.
C’était un petit jardin
Au fond d’une cour à la Chaussée-d’Antin.

  それは小さな庭だった
  ショセ・ダンタン通りの中庭の奥の
  それは小さな庭だった
  ショセ・ダンタン通りの中庭の奥の

[注] jardinは、「公園」と訳そうかと考えたが、やはり「庭」とした。
1 sentir+定冠詞+名詞「…のにおいを放つ、の印象を与える」。bonがついて「…のいいにおいを放つ、のいい印象を与える」。名詞のmétropolitainは、métro「地下鉄」の古い形だが、ここでは大文字で始まっていることから、「首都の」という意味の形容詞が、定冠詞がついて名詞化したと考えられる。
2 bassinは「池」あるいは「盆地」で、le bassin parisienは「パリ盆地」。
3 revers d’un veston「背広の折り返し襟」
4 de grâce「お願いだから、後生だから」




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