
今回は、エディー・ミッチェルEddy Mitchellの「ミント水の色Couleur menthe à l'eau」です。セルジュ・ゲンズブールSerge Gainsbourgの「コーヒー色Couleur café」は彼女の肌の色でしたが、「ミント水の色」は彼女の目の色。作詞:Moine Claude、作曲: Pierre Papadiamondis。1980年にリリースされた彼の21枚目のアルバム「ハッピー・バースディHappy Birthday 」に収録されています。私がお世話している、フランス語で歌う会《アミカル・ド・シャンソン》では、女性たちはとても多彩なレパートリーを持っていますが、男性たちは選曲がはっきり言ってヤボイ。アズナヴールなどばかり歌わないでこんな歌も歌ってくれたらなと。
エディー・ミッチェルに関しては、「最終上映La dernière séance」の記事をご覧ください。
Couleur menthe à l'eau ミント水の色
Eddy Mitchell エディー・ミッチェル
Elle était maquillée
Comme une star de ciné
Accoudée au juke-box
La la la la la
Elle rêvait qu’elle posait
Juste pour un bout d’essai 注1
A la Century Fox
La la la la
彼女は化粧していた
映画スターみたいに
ジューク・ボックスに肘をついて
ラ ラ ラ ラ ラ
ポーズを取っているつもりでいた
まさしくセンチュリー・フォックスの
スクリーン・テストのために
ラ ラ ラ ラ
Elle semblait bien dans sa peau 注2
Ses yeux couleur menthe à l’eau
Cherchaient du regard un spot
Le dieu projecteur
Et moi, je n’en pouvais plus 注3
Bien sûr, elle ne m’a pas vu
Perdue dans sa mégalo
Moi, j’étais de trop 注4
彼女は調子よさそうに見えた
ミント水の色をした瞳は
スポットライトを
神様の投光器を探していた
僕はといったら、なす術もなく
もちろん、彼女は僕を見なかったし
誇大妄想に浸り込んでいて
僕は、お呼びじゃなかった

Elle marchait comme un chat
Qui méprise sa proie
En frôlant le flipper
La la la la la
La chanson qui couvrait
Tous les mots qu’elle mimait
Semblait briser son cœur
La la la la Oh
彼女は獲物に無頓着な
猫のように歩いていた
ピンボールの台すれすれに
ラ ラ ラ ラ ラ
彼女が表現する言葉をすべて覆い隠す
(ジューク・ボックスから流れる)歌は
彼女の心を痛ませるかのようだった
ラ ラ ラ ラ オー
Elle en faisait un peu trop 注5
La fille aux yeux menthe à l’eau
Hollywood est dans sa tête
Toute seule elle répète
Son entrée dans un studio
Décor couleur menthe à l’eau
Perdue dans sa mégalo
Moi, je suis de trop
hum hum hum hum
彼女はちょっとやり過ぎだった
ミント水の色をした瞳の娘は
ハリウッドが彼女の頭にあった
たったひとりで彼女は繰り返す
スタジオに入るところを
ミント水の色の舞台装置に
誇大妄想に浸り込んで
僕は、お呼びじゃなかった
フム フム フム フム

Mais un type est entré
Et le charme est tombé
Arrêtant le flipper
La la la la la
Ses yeux noirs ont lancé 注6
De l’agressivité
Sur le pauvre juke-box
La la la la
だがひとりの男が入ってきた
魔法は地に落ちた
ピンボールを止めながら
ラ ラ ラ ラ ラ
彼の黒い目は
攻撃的な光を放った
あわれなジュークボックスに向けて
ラ ラ ラ ラ
La fille aux yeux couleur menthe à l’eau
A rangé sa mégalo
Et s’est soumise aux yeux noirs
Couleur de trottoir 注7
Et moi, je n’en pouvais plus
Elle n’en a jamais rien su
Ma plus jolie des mythos
Couleur menthe à l’eau
Hum hum hum hum…
ミント水の色をした瞳の娘は
誇大妄想を引っ込め
そして黒い目に降伏し
舗石の色になった
そして僕はといったら、なす術もなく
彼女はまったく知る由もなかった
僕にとって虚言癖のある者のうち一番きれいなのは
ミント水の色をした瞳だってことを
フム フム フム フム…

[注]英単語が多く用いられているが、発音に関しては、英語の発音通りでもないし、フランス語の発音規則にも合致しないので、歌を聴いて判断されたい。
1 bout d’essaiテストフィルム、(俳優の)スクリーンテスト
2 être bien dans sa peau「くつろいだ気分でいる、元気旺盛である」
3 n’en pouvoir plus「もう駄目である、力尽きている」
mégalomane「誇大妄想の、誇大妄想者」を、話し言葉では形容詞、名詞ともmégaloと略す。
4 de trop「よけいに、不必要な」
5 en faire trop「やりすぎる」
6 les yeux noirsのnoirは「黒い」というだけでなく「陰気な、敵意のこもった」という意味も持つ。
trottoir「歩道」couleur de trottoir は、couleur menthe à l’eauの澄んだ色との対比で、「舗石のような薄汚れた色」。前行のles yeux noirs「黒い目」すなわち敵意を持った男の目(注6参照)に降伏した目を形容する。ブリュエルの「偉人広場Place des Grands Hommes」にTrottoirs usés par les regards baissés.( 伏せた視線ですり減らされた歩道。)という表現があったのを思い出す。faire le trottoir「(街娼が)客の袖を引く」という成句からの類推で、「街娼」という含みがあるようだ。ハリウッドに憧れる彼女の正体がそうであると解釈すると、歌詞全体の意味がつながる。
Comment:1
コメント
まぁ 何てお洒落な歌なのでしょう♪
男性陣はアズナヴールがお好き?? 思わず微笑んでしまいました^^
古くはトレネ、ジャン・フェラ等々素敵な歌手がメジロオシ
ですのにね♫
今日もありがとうございました^^
花粉症つらいですね。ご自分に合うお薬と巡り合えますように^^
男性陣はアズナヴールがお好き?? 思わず微笑んでしまいました^^
古くはトレネ、ジャン・フェラ等々素敵な歌手がメジロオシ
ですのにね♫
今日もありがとうございました^^
花粉症つらいですね。ご自分に合うお薬と巡り合えますように^^
mimiha
2016.03.01 11:22 | 編集
