
フランソワーズ・アルディーFrançoise Hardyの「告白Message Personnel」は、1973年の同名のアルバムに収録されています。このアルバムは、アルディーが息子トマの出産後に復帰を記した点で重要な位置を占め、アルディー本人作詞の作品のほか、ミッシェル・ベルジェMichel Bergerの作詞・作曲、セルジュ・ゲンズブールSerge Gainsbourgの作詞、ジョルジュ・ムスタキGeorges Moustakiの作詞・作曲のものなどが含まれ、バラエティーに富んだ濃い内容のものです。これは1991年に曲目を一部変えてCD化されました。→2013年の再録版(10曲のYouTube動画)
また1999年に日本で発売されたCD名は「私小説」。これは前作「私生活La Vie Privee」に合わせたようです。しかし曲の邦題は、「告白」で、「個人的なメッセージ」という原題の意味に合わせています。
この曲は、ミッシェル・ベルジェが作詞・作曲し、アルディー自身が語りの台詞を付け加えています。ミッシェル・ベルジェは、フランス・ギャルfrance gallの夫で、非常に有能な作曲家でありミュージシャン。1992年に亡くなりました。
フランソワーズ・アルディーの歌は、語りの部分から始まります。
作詞・作曲したミッシェル・ベルジェ自身の弾き語り。没後の1994年にCDになりました。
ララ・ファビアンLara Fabian、ヴェロニク・サンソンVéronique Sanson、フランス・ギャルFrance Gall、エロディー・フレジェElodie Frégé、エレーヌ・セガラHélène Ségara、ジュリエット・グレコJuliette Gréco、オリヴィア・ルイズOlivia Louiseなども歌っています。もう、スタンダード曲と言っていいものです。
なお、フランソワ・オゾンFrançois Ozon監督の2002年の作品「8人の女たち8femmes」のなかでは、イザベル・ユペールIsabelle Huppert が歌っています。
Message Personnel 告白
Françoise Hardy フランソワーズ・アルディー
{Partie parlée : }
Au bout de téléphone il y a votre voix
Et il y a les mots que je ne dirai pas
Tous ces mots qui font peur quand ils ne font pas rire
Qui sont dans trop de films, de chansons et de livres
Je voudrais vous les dire et je voudrais les vivre
Je ne le ferai pas: je veux, je ne peux pas
電話の向こうにあなたの声が聞こえる
そして私なら言わないだろう言葉が
それらの言葉はすべて 笑わせないならおびえさせる
それは映画や歌や本にある言葉
私はあなたにそれを言いたいしそれを生きたいけど
私はそうしないわ そうしたい、でもできない

Je suis seule à crever et je sais où vous êtes 注1
J'arrive, attendez-moi, nous allons nous connaître
Préparez votre temps, pour vous j'ai tout le mien
Je voudrais arriver, je reste, je me déteste
Je n'arriverai pas: je veux, je ne peux pas
私はとても寂しいしあなたがどこにいるか知っている
行くわ、待っていて、お互いをよく知りましょう
時間を作ってよ、私の方はあなたのための時間はちゃんとある
行きたいわ、わたしはとどまる、自分がいやになる
行かないわ:行きたい、でもできない
Je devrais vous parler, je devrais arriver ou je devrais dormir
J'ai peur que tu sois sourd, j'ai peur que tu sois lâche
J'ai peur d'être indiscrète
Je ne peux pas vous dire que je t'aime peut-être
私はあなたに話すべきだし、行くべきね、さもなきゃ眠り込むしかない
あなたは耳が聴こえないのかも、あなたは臆病なのかもと心配だし
私は軽率じゃないかとも心配で
私はあなたに「愛している」と言えないのよきっと
{Partie chantée : }
Mais si tu crois un jour que tu m'aimes
Ne crois pas que tes souvenirs me gênent
Et cours, cours jusqu'à perdre haleine 注2
Viens me retrouver
Si tu crois un jour que tu m'aimes
Et si ce jour-là tu as de la peine 注3
A trouver où tous ces chemins te mènent
Viens me retrouver
でももしあなたがいつか私を愛していることに気づいたら
あなたの想い出が私を困らせていると思わなくてもいいのよ
走って、息が切れるほど走って
私にまた会いに来て
あなたがいつか私を愛していることに気づいたら
そしてそのとき分からなくても
こうした道がみなどこに通じるのかが
私にまた会いに来て

Si le dégoût de la vie vient en toi
Si la paresse de la vie s'installe en toi
Pense à moi
Pense à moi
もし生きることがいやになったら
もし生きることが億劫になったら
私のことを考えて
私のことを考えて
Mais si tu crois un jour que tu m'aimes
Ne le considère pas comme un problème
Et cours oui cours jusqu'à perdre haleine
Viens me retrouver
Si tu crois un jour que tu m'aimes
N'attends pas un jour pas une semaine
Car tu ne sais pas où la vie t'amène
Viens me retrouver
でももしあなたがいつか私を愛していることに気づいたら
それが困ったことだと思わないで
走って、息が切れるほど走って
私にまた会いに来て
もしあなたがいつか私を愛していることに気づいたら
1日も1週間も待たないで
だって人生があなたをどこへ導くかあなたには分からないから
私にまた会いに来て
Si le dégoût de la vie vient en toi
Si la paresse de la vie s'installe en toi
Pense à moi
Pense à moi
もし生きることがいやになったら
もし生きることが億劫になったら
私のことを考えて
私のことを考えて
Mais si tu...
でももしあなたが…
[注]
1 à crever「過度に、異常に」
2 à perdre haleine「息が切れるはど」
3 avoir de la peine à「…するのに苦労する、…し難い」
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