2015
11.19

夜に目が眩みÉblouie par la nuit

ZAZ Eblouie par la nuit


16日の夜、渋谷《オーチャードホール》。ノリノリのエネルギッシュなステージの中ほどで、ザーズZAZは1本のローソクを灯し、目に涙を浮かべました。ちょうどパリで正午に黙祷がおこなわれたのと同じ時間でした。
ステージで歌われた曲はすべて素晴らしかったですが、今回の事件が心にのしかかる今、この曲「夜に目が眩みÉblouie par la nuit」が最も訴えるものを持っているように感じました。都会の夜の闇、モノクロームの世界に輝く閃光。麻薬がもたらす「生の幻惑」は「死」と隣り合わせ。あんたは口笛を吹きながらやってきた…。
シンガー・ソングライターのラファエルRaphaël が作詞・作曲。2010年の最初のアルバム:ZAZに収録された後、シングルカットされました。



Éblouie par la nuit  夜に目が眩み
ZAZ           ザーズ


Éblouie par la nuit à coup de lumière mortelle 注1
À frôler les bagnoles les yeux comme des têtes d'épingle. 注2
J't'ai attendu 100 ans dans les rues en noir et blanc
Tu es venu en sifflant.

  死ぬほど眩しい閃光で夜に目を眩まされ
  何台かの車をかすめ、瞳孔はピンホールのよう
  無彩色の通りであんたを百年待った
  あんたは口笛を吹きながらやってきた…

Éblouie par la nuit1


Éblouie par la nuit à coup de lumière mortelle
À shooter les canettes aussi paumé qu'un navire
Si j'en ai perdu la tête j't'ai aimé et même pire
Tu es venu en sifflant.

  死ぬほど眩しい閃光で夜に目を眩まされ
  船みたいに迷ってビンを蹴っ飛ばし
  それで頭がイカれたのか、あんたが好きになりもっとひどいことにもなった
  あんたは口笛を吹きながらやってきた

Éblouie par la nuit à coup de lumière mortelle
Faut-il aimer la vie ou la regarder juste passer?
De nos nuits de fumettes, il ne reste presque rien
Que tes cendres au matin
À ce métro rempli de vertiges de la vie 注3
À la prochaine station, petit européen 注4
Mets ta main, descend-là au-dessous de mon cœur 注5

  死ぬほど眩しい閃光で夜に目を眩まされ
  人生を楽しむべきかそれとも過ぎゆくままにすべきか
  大麻を吸って過ごした私たちの夜の名残は、
  あんたが吸った灰ぐらいしか朝には残っちゃいない
  人生の惑乱でいっぱいのこの地下鉄で
  次の駅で、かわいいヨーロッパ人さん
  そこで降りようよ、私の胸元に手を置いてよ

Éblouie par la nuit4


Éblouie par la nuit à coup de lumière mortelle
Un dernier tour de piste avec la mort au bout 注6
J't'ai attendu 100 ans dans les rues en noir et blanc
Tu es venu en sifflant.

  死ぬほど眩しい閃光で夜に目を眩まされ
  ゴールに死が待つトラックの最後の一周
  無彩色の通りであんたを百年待った
  あんたは口笛を吹きながらやってきた

Éblouie par la nuit2


[注] 幾つかの単語は通常の意味の裏にスラングとしての別の意味を持っているかもしれないが追求しきれなかった。何箇所か解釈しづらく、かなり検討は重ねたが、最終的には独断的に判断するしかなかった。
1 éblouie par la nuitはタイトルでもあるが、éblouieはéblouir「(まばゆい光で)目をくらます」の過去分詞で受動的意味。à coup de qc.「…を用いて」。mortelleは「死に至らしめる、致命的な」の意味のほか「程度がひどい」ことも表現する。歌詞全体が「死」を意識した内容なので、「死ぬほど眩しい」とした。この行全体は「夜によって死ぬほど眩しい閃光で目を眩まされた」。
2 frôler「すれすれに通る、かすめる」。動作者は車ではなく私。眩しさで目(瞳孔)が「針の頭のように」小さくなるというのは「ピンホールのように」のほうが分かりやすい。
3 ce métroは「この世の中、社会」のことだろう。
4 petit européenはEuropeという駅のことだとも考えられるが、petitは「かわいい、いとしい」の意味で、tuへの呼びかけと判断した。
5 descend-laとしている歌詞が多いが、mets ta main同様に二人称の命令形ならdescends-laとなるはず。onが主語の命令形descend-làで「次の駅で(この地下鉄=この世の中から)降りましょう」だと判断した。mets ta mainはau-dessous de mon cœurにつながる。
6 la mortをla mainとしている歌詞が多いが、ZAZの発音と意味のつながりから、la mortと判断した。



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