2015
12.30

ゾン・ゾン・ゾンZon, zon, zon

Michèle Arnaud Zon, zon, zon


今回はミッシェル・アルノーMichèle Arnaudの歌う「ゾン・ゾン・ゾンZon, zon, zon」(1957年。作詞:モーリス・ヴィダランMaurice Vidalin、作曲:ジャック・ダタンJacques Datin)という変わったタイトルの曲です。

Zon, zon, zonはzonzonと表記されることの多いonomatopée擬音語で、うなったり、震えたりする連続音をあらわし、ハチやハエの羽音、そして弦楽器の音などにも用いられます。歌詞のなかで繰り返され、男たちがハエのようにうるさく付きまとうことをあらわしているようです。日本語では「ブンブン」にあたるわけで、ずいぶん聴こえ方が違うんですね。以前取り上げたリーヌ・ルノーLine Renaudの「フルー・フルーFrou-Frou」は、衣擦れの音で日本語では「サラサラ」にあたりますが、それよりは納得しやすいかもしれません。

テレビ番組での歌唱




コレット・ルナールColette Renardがレイモン・ルフェーブル・オーケストラGrand orchestre de Raymond Lefèvreをバックに歌っています。



Zon, zon, zon      ゾン・ゾン・ゾン
Michèle Arnaud    ミッシェル・アルノー


Quand je suis devenue belle,
Quand j'ai pris mes seize ans,
Je suis restée demoiselle,
Mais j'ai eu des amants
Z'avaient de bonnes têtes, 注1
Ou z'étaient bons garçons,
M'emmenaient à la fête,
Me chantaient des chansons...

  私が美しくなったとき、
  私が16になったとき、
  私は娘のままだった、
  だけど恋人たちを持った
  彼らは頭がよかったか、
  あるいは優しい男の子たちで、
  私を祭に連れて行ってくれ、
  私に歌を歌ってくれ…

Zon... Zon... Zon... froissé mon corsage
Et toutes ces choses qui ne servent à rien
Zon... Zon... Zon... puisque c'est l'usage,
Voulu toujours aller plus loin.

  ゾン…ゾン…ゾン…と私のブラウスをしわくちゃにした
  こうしたことは何にもなりゃしない
  ゾン…ゾン…ゾン…それは方便で、
  いつももっと先に行くことを望んでいた

Zon2


De la porte à la chambre
Et du fauteuil au lit,
M'ont fait croire en décembre
Au mois de... Mai Joli
Mais au petit matin blême,
Fallait se rhabiller,

  戸口から寝室までの間
  そしてソファーからベッドまでの間は、
  私を信じさせたわ 12月のさなかに
  かぐわしい5月だと
  でも青白い暁には、
  また衣をまとわなきゃならない、

Y avait plus de «je t'aime»
Et même plus d'amitié...

  もう愛の言葉もなかったし
  親密さもなかった…

Zon... Zon... Zon... cueilli tant de roses
Que le jardin s'est défleuri.
Zon... Zon... Zon... rien vu de la chose,
Z'avaient l'œil sur le paradis. 注2

  ゾン…ゾン…ゾン…いっぱいバラを摘んだから
  花園に花がなくなってしまった。
  ゾン…ゾン…ゾン…何ごとも眼中になく、
  彼らは楽園に目を向けていたのよ。

J'ai laissé ma jeunesse
Au bal des quatre vents 注3
Et me voilà la princesse
D'un drôle de bois dormant. 注4
Chez Marie ça s'appelle,
Mais y a pas de plaque au seuil,
C'est la maison des belles.
La maison «N'a qu'un œil» 注5

  私は自分の青春を
  開放的なダンスホールにゆだねた
  そして私はいまや
  おかしな眠れる森の王女よ。
  マリーという名前の店で、
  でも戸口に表札はない、
  それは美女たちの館。
  「片目しかない」館

Zon1


Zon... Zon... Zon... c'est toujours les mêmes,
Z'avaient qu'une corde à leur violon.
Zon... Zon... Zon... besoin qu'on les aime.
Oh mes seize ans... où c'est qu'ils sont ?

  ゾン…ゾン…ゾン…それはいつだって同じ、
  彼らは自分のバイオリンに1本の弦しか持っていない。
  ゾン…ゾン…ゾン…彼らを愛してあげなきゃ。
  おお私の16歳…それはどこにあるの?

[注]
1 z'avaient=ils avaient このような言い方があるかどうか不明だが、zonと語呂を合わせているようだ。
2 avoir l'œil sur…「…を見張る」
3 quatre vents「四方位」。être logé au quatre vents「(窓や扉の壊れた)吹きさらしの家に住む」、carrefour des quatre vents「人の行き交う四辻」などの表現から類推。
4 un drôle de「変な」
5 N'a qu'un œil はgentil n'a qu'un œil「優しさは片目しかない」という成句からの表現のようだ。それは、優しすぎる人間はひとの欠点を見ず、長所しか見ない。つまり半分しか見ないので片目しかないという意味である。



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