
今回はジョルジュ・ムスタキのGeorges Moustaki「私の孤独Ma solitude」です。この曲は、どうやら1966年に作られたようで、「異国の人Le Métèque」より前なんですね。日本では、1974年4月からTBS系で放映されたテレビ・ドラマ「バラ色の人生」の主題歌として知られるようになりました。劇中にもムスタキの曲が数多く使われたようです。
Ma solitude 私の孤独
Georges Moustaki ジョルジュ・ムスタキ
Pour avoir si souvent dormi 注1
Avec ma solitude
Je m'en suis fait presqu'une amie
Une douce habitude
Ell' ne me quitte pas d'un pas
Fidèle comme une ombre
Elle m'a suivi çà et là 注2
Aux quatre coins du monde 注3
私の孤独と
あまりにも再々いっしょに眠ったので
まるで自分の女友達みたいにしてしまった
こころよい習慣だ
彼女は私から一歩も離れず
影のように貞節で
あちこちついて来る
世界中どこにでも

Non, je ne suis jamais seul
Avec ma solitude
いや、私はけっしてひとりではない
私の孤独といっしょだから
Quand elle est au creux de mon lit
Elle prend toute la place
Et nous passons de longues nuits
Tous les deux face à face
Je ne sais vraiment pas jusqu'où
Ira cette complice
Faudra-t-il que j'y prenne goût 注4
Ou que je réagisse?
彼女が私のベッドの窪みにいるとき
彼女は場所を独り占めし
私たちは長い夜を過ごす
二人で向かい合って
私には本当のところ分からない
この共犯者がどこまで行くのか
彼女を好きになるべきなのか
あるいは抵抗すべきなのか

Non, je ne suis jamais seul
Avec ma solitude
いや、私はけっしてひとりではない
私の孤独といっしょだから
Par elle, j'ai autant appris 注5
Que j'ai versé de larmes
Si parfois je la répudie 注6
Jamais elle ne désarme 注7
Et si je préfère l'amour
D'une autre courtisane
Elle sera à mon dernier jour 注8
Ma dernière compagne
彼女によって、僕は学んだ
涙を流すばかりでなくて
時々僕が彼女を放り出したとしても
彼女はけっしてめげない
そしてもし僕が
ほかの遊び女との恋を好んだとしても
彼女は僕のいまわの際には
僕の最後の伴侶になるだろう

Non, je ne suis jamais seul
Avec ma solitude
Non, je ne suis jamais seul
Avec ma solitude
いや、私はけっしてひとりではない
私の孤独といっしょだから
いや、私はけっしてひとりではない
私の孤独といっしょだから
[注] 孤独は画像で表わしづらく猫に置き換えたのであしからず。
1 pour+不定法複合形は、原因・理由をあらわし、「…のために、のせいで」。
2 çà et là「あちらこちら」çà は、ça「それ」とは違ってアクサンがつく。歌詞サイトから引いた歌詞にはついていなかったので訂正した。
3 aux quatre coins du monde「世界中至る所で」
4 prendre goût à qn「…が好きになる、に興味を抱き始める」
5 autant…que…「…と同時に、…ばかりでなく」
6 répudier「(古代社会やイスラムの掟に従って)離縁する」「(主義、信仰など)を捨てる」「(相続などを)放棄する」
7 ne pas désarmer「がんばり通す、めげない」
8 à mon dernier jour「いまわの際」
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