2015
12.18

刑務所(朝日のあたる家)Le pénitencier

Johnny Hallyday


フランス版プレスリーと呼ばれるジョニー・アリディJohnny Hallydayは1943年にパリで生まれ、両親が離婚したため、乳児のころからアメリカ人の叔母夫婦に育てられ、ダンスとギターを習いました。11歳で舞台に立ち、14歳の頃からエルヴィス・プレスリーElvis Aron Presleyに憧れてロック歌手をめざします。60年17歳の時、Laisse des fillesが大評判になり同年TVに出演した際にリーヌ・ルノーLine RounaudがIdoles des jeunes(若者たちのアイドル)と紹介し、同名の曲が最大のヒット曲になりました。その後は続々とヒットを出し、yéyé時代の旗手として大活躍します。「踊りに行くために一番きれいに(アイドルを探せ)La plus belle pour aller danser」の記事に書きましたが、65年にシルヴィー・ヴァルタンSylvie Vartanと結婚し、二人のあいだにダヴィッド・アリディDavid Hallydayが生まれました。その間、ニ度の交通事故と自殺未遂を起こし、80年に離婚。女性問題は常にいろいろあったようですが、1996年の5度目の結婚はうまく行っているようです。

長年、俳優業をこなしながら、歌手活動のほうでも、ほぼ2年ごとにアルバムを出し続けています。1999年にシンガー・ソングライターである息子ディヴィッド・アリディDavid Hallydayが全曲手がけたアルバムSang pour sangはヒット・チャートのトップを1ヵ月以上も保ったそうです。2009年に、最後のコンサートだと公言して66歳のメモリアル・コンサートをスタートし、パリ・エッフェル塔前のフリー・コンサートなどは大変話題になりましたが、健康上の理由(大腸癌)で中断。翌年、心身共に回復したということで引退宣言を撤回。70代の今も現役です。50年間に1000曲以上録音。ディスクドール40、プラティナディスク22、ダイアモンドディスク5、ヴィクトワール賞受賞9回。

今回取り上げる「刑務所(朝日のあたる家)Le pénitencier」は元々、19世紀にニューオリンズに実在した娼婦館を歌ったアメリカの民謡The House of the Rising Sunで、1961年頃にはボブ・ディランBob Dylanも歌っていました。1964年にイギリスのロック・バンド、アニマルズThe Animalsが、girlをboyに変えることで娼婦館を少年院に変えた歌詞で歌い、全英・全米チャート第1位に上りました。その同年に、ユーグ・オーフレー Hugues Aufrayと Vline Buggy がフランス語に翻案し、Alan Priceが編曲し、ジョニー・アリディが歌いました。Les portes du pénitencierとも呼ばれます。
日本では、ちあきなおみが「朝日楼(朝日のあたる家)」という題名で、売春宿を歌った元歌のままの意味で日本語で歌っています。

ボブ・ディランの歌は、呑んだくれのギャンブラーに貢いだせいで娼婦館にいる女の話



アニマルズの歌は少年院に入った不良少年の話。父親が呑んだくれのギャンブラーとなっている。



ジョニー・アリディの歌は、罪を犯し刑務所で一生を終える男の話。



Le pénitencier      刑務所(朝日のあたる家)
Johnny Hallyday     ジョニー・アリディ


Les portes du pénitencier
Bientôt vont se fermer
Et c’est là que je finirai ma vie
Comm’d’autres gars l’ont finie
Pour moi ma mère a donné 
Sa robe de mariée
Peux-tu jamais me pardonner
Je t’ai trop fait pleurer

  刑務所の扉は
  まもなく閉まる
  そして俺が人生を終えるのはそこだ
  ほかのやつがその人生を終えるように
  おふくろは俺のために
  自分の花嫁衣装を差し出した
  あんたは俺をぜったい許せないだろうな
  俺はあんたをあまりにも悲しませた

Le pénitencier1


Le soleil n’est pas fait pour nous
C’est la nuit qu’on peut tricher
Toi qui ce soir a tout perdu
Demain tu peux gagner

  お天道様は俺たちを照らさない
  悪いことができるのは夜のうちだ
  あんたは今夜すべてを失ったが
  明日はいいことがあるさ

O mères, écoutez-moi
Ne laissez jamais vos garçons
Seuls la nuit traîner dans les rues
Ils iront tout droit en prison
Toi la fille qui m’a aimé
Je t’ai trop fait pleurer
Les larmes de honte que tu as versées
Il faut les oublier

  おふくろさんがたよ、おれの言うことを聞きな
  あんたがたの息子を
  夜、路上にひとりでうろつかせておいちゃいけないぜ
  彼らはまっすぐブタ箱に入っちまうよ
  おまえ、俺に惚れた娘よ
  俺はおまえをあまりにも悲しませた
  おまえが流した屈辱の涙は
  忘れることだ

Le pénitencier2


Les portes du pénitencier
Bientôt vont se fermer
Et c’est là que je finirai ma vie
Comm’d’autres gars l’ont finie

  刑務所の扉は
  まもなく閉まる
  そして俺が人生を終えるのはそこだ
  ほかのやつがその人生を終えるように

[注] 「自分の花嫁衣装を差し出した」というのは、大事なものをわが子のためにとお金に替えたということか。


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