2015
11.05

カルティエ・ラタンQuartier latin

レオ・フェレLéo Ferréの「カルティエ・ラタンQuartier latin」は、学生時代に過ごしたカルティエ・ラタンを懐かしむ内容の歌詞で、ギター伴奏のたいへん美しい曲です。1974年に歌った曲ですが、2003年の Léo Chante Ferréというアルバムに収録されています。

カルティエ・ラタンは、セーヌ川左岸の5区と6区にまたがる地域で、5区にあるソルボンヌ大学をはじめとして多くの大学や文化施設があり、学生街の代名詞ともされます。前回の曲の題名とされているサンジェルマン・デ・プレSaint-Germain-des-Présは6区にあたる区域で、一部重なっています。



Quartier latin           カルティエ・ラタン
Léo Ferré             レオ・フェレ


Ce quartier
Qui résonne
Dans ma tête

  私の脳裏で
  鳴り響いている
  この地区

Ce passé
Qui me sonne
Et me guette

  私を呼び
  私を見張っている
  この過去

Ce Boul´ Mich´ 注1
Qu´a d´la ligne 注2
En automne

  秋には
  スリムになる
  このサンミッシェル大通り

Quartier latin1


Ces sandwichs 注3
Qui s´alignent
Monotones

  一様に
  並べられた
  これらのサンドイッチ

Quartier latin
Quartier latin
Quartier latin

  カルティエ・ラタン
  カルティエ・ラタン
  カルティエ・ラタン

Chez Dupont 注4
Ça traînait
La journée

  デュポンの店では
  一日が
  だらだらと過ぎていった

C´était l´pont
Qui durait
Tout´ l´année

  一年中
  じっとしているもの
  それは橋だった

Quartier latin3


L´examen
Ça tombait 注5
Comme un´ tête

  試験
  それはどたまみたいに
  ふいにやって来たものだ

Au matin
Sans chiqué
Ni trompettes

  朝に
  もったいぶらず
  ラッパも鳴らさず

Quartier latin
Quartier latin
Quartier latin

  カルティエ・ラタン
  カルティエ・ラタン
  カルティエ・ラタン

Cett´ frangine
Qui vendait
Sa bohèm

  自由奔放な生き方を
  売り物にしていた
  この女

Et ce spleen
Qui traînait
Dans sa traîne

  そして彼女の裳すそに
  漂う
  この憂鬱

J´avais rien
Ni regrets
Ni principes

  僕は何も持たなかった
  後悔も
  信条も

Les putains
Ça m´prenait
Comm´ la grippe

  売女たち
  そいつらは僕を
  流感みたいにみなした

Quartier latin
Quartier latin
Quartier latin

  カルティエ・ラタン
  カルティエ・ラタン
  カルティエ・ラタン

Ce vieux prof
Qui parlait
A son aise 注6

  気楽な様子で
  講義していた
  この老教授

Très bien, sauf
Que c´était
Pour les chaises

  結構だ、
  それが椅子に向かってだったら
  話は別だが

Aujourd´hui
Un diplôme
Ça s´rupine 注7

  今日では
  修了証書は
  やすやす手に入る

Aux amphis
Tu point´s comme
A l´usine

  大教室で
  君は出席を記入する
  工場で出勤を記入するように

Quartier latin6


Quartier latin
Quartier latin
Quartier latin

  カルティエ・ラタン
  カルティエ・ラタン
  カルティエ・ラタン

Les années
Ça dépasse
Comme une ombre

  年月
  それは通り過ぎて行く
  影のように

Le passé
Ça repasse
Et tu sombres

  過去
  それは戻って来る
  そして君は打ち沈む

Rue Soufflot
Les vitrines
Font la gueule 注8

  スフロ通りで
  ショーウィンドーたちは
  あかんべえをする

Sans un mot
J´me débine 注9
J´ferm´ ma gueule

  ひと言も言わず
  僕はずらかる
  僕は口を閉ざす

Je r´trouv´ plus rien
Tell´ment c´est loin
L´Quartier latin

  僕はこれ以上何も思い出せない
  こんなに遠くなってしまった
  カルティエ・ラタンは

Quartier latin2


[注]
1 Boul´ Mich´は、カルティエ・ラタンの真ん中を通るLe boulevard Saint-Michel「サンミッシェル大通り」の略。
2 avoir de la ligne「スリムなスタイルをしている」。並木の木々が葉を落としてスリムになることを言っている。
3 ユケット通りには、ギリシャ風のグリックあるいはトルコ風のケバブなどのサンドイッチの店がある。
4 ライターや高級品のS.T.Dupont「デュポン社」の製品を販売している店のことであろう。
5 Ça tomber「ふいにやって来る」。Comme un´ tête「頭みたいに」というのはちょっと分からない。次の節もこの続き。
6 à son aise「くつろいで、ゆったりと」
7 rupinerは「試験に通る、好成績をあげる」なので、se rupinerは「試験や成績がうまくいく、証書が手に入る」ということだろう。
8 faire la gueule「ふくれっ面をする、嫌な顔をする」
9 débiner は「けなす、くさす」だが、se débinerは「逃げる、ずらかる」。




コメント
管理者にだけ表示を許可する
 
back-to-top