2015
12.16

それは最高だC'est extra

Léo Ferré Cest extra


レオ・フェレLéo Ferréの「それは最高だC'est extra」は非常にヒットした曲ですが、日本ではあまり知られていません。1968年の5月革命で従来の価値観が覆された翌年の1969年、セルジュ・ゲンズブールSerge Gainsbourgが「69年はエロな年69 année érotique」という曲を出し、「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュJe t’aime moi non plus」をジェーン・バーキンJane Birkinと録音しました。同年に出たフェレのこの曲(アルバムL'Été 68に収録)もエロティックな内容。そしてまた少々、意味不明。しかしながら、非常に美しい曲です。フェレは、イギリスのプログレッシヴ・ロック・バンドのムーディ・ブルースMoody Blues の「サテンの夜Nights in White Satin」という曲を車のなかで聴き、そのクラシック音楽とロックを融合させた形態から着想を得たそうです。フェレの作詞・作曲で、ジャン=ミッシェル・ドファイエJean-Michel Defayeが編曲。

Nights in White Satin



C'est extra




C'est extra     それは最高だ
Léo Ferré      レオ・フェレ


Une robe de cuir comme un fuseau
Qu’aurait du chien sans l’faire exprès 注1
Et dedans comme un matelot
Une fille qui tangue un air anglais
C’est extra
Un Moody Blues qui chante la nuit
Comme un satin de blanc marié
Et dans le port de cette nuit
Une fille qui tangue et vient mouiller

  意図せずとも魅力的な
  紡錘形の革のドレス
  そしてそれに身を包み水夫のように
  イギリス人風に体を揺するひとりの娘
  最高だ
  白い花嫁衣裳のサテンのように
  夜を歌うムーディー・ブルースの曲
  そして今夜の港で
  体を揺すり濡れに来るひとりの娘

C’est extra1


C’est extra c’est extra
C’est extra c’est extra

  最高だ 最高だ
  最高だ 最高だ

Des cheveux qui tombent comme le soir 注2
Et d’la musique en bas des reins
Ce jazz qui d’jazze dans le noir 注3
Et ce mal qui nous fait du bien 注4
C’est extra
Ces mains qui jouent de l’arc-en-ciel
Sur la guitare de la vie
Et puis ces cris qui montent au ciel
Comme une cigarette qui brille

  落日のように落ちる髪
  そして腰の下のミュージック
  闇のなかでジャズるジャズ
  俺たちを喜ばすこの悪
  最高だ
  生のギターの上で
  虹を奏するこれらの手
  そして火のついたタバコのように
  空へと昇るこれらの叫び

C’est extra c’est extra
C’est extra c’est extra

  最高だ 最高だ
  最高だ 最高だ

Ces bas qui tiennent hauts perchés
Comme les cordes d’un violon
Et cette chair que vient troubler
L’archet qui coule ma chanson
C’est extra
Et sous le voile à peine clos
Cette touffe de noir jésus 注5
Qui ruisselle dans son berceau
Comme un nageur qu’on n’attend plus

  ヴァイオリンの弦のように
  上方で留められたこのストッキング
  そして欲情をかき立てに来るこの肉体
  わが歌を奏する弓
  最高だ
  ほとんど被っていないヴェールのもとで
  この黒い幼子の髪の房は
  揺りかごのなかに溢れる
  見捨てられた泳ぎ手のように

Cest extra3


C’est extra c’est extra
C’est extra c’est extra

  最高だ 最高だ
  最高だ 最高だ

Une robe de cuir comme un oubli
Qu’aurait du chien sans l’faire exprès
Et dedans comme un matin gris
Une fille qui tangue et qui se tait
C’est extra
Les Moody Blues qui s’en balancent
Cet ampli qui n’veut plus rien dire
Et dans la musique du silence
Une fille qui tangue et vient mourir

  革のドレスは忘却のように
  意図せずとも魅力的だ
  そしてそのなかには灰色の朝のように
  体を揺すり黙するひとりの娘
  最高だ
  揺れ動くムーディー・ブルースの曲たち
  このアンプはもうなにも言いたがらない
  そして沈黙の音楽のなかで
  身体を揺すり死ぬだろうひとりの娘

C’est extra
C’est extra
C’est extra
C’est extra

  最高だ
  最高だ
  最高だ
  最高だ

[注]
1 chien「(女性の)肉体的魅力」を意味することがある。faire exprès de+inf.「故意に…する」。
2 髪が抜け落ちる時にもtomberを用いるが、ここでは髪の動きを言う。
3 d’jazzeはたぶんjazzに関連させた造語だろう。
4 faire du bien「利益をもたらす、ためになる」
5 jésus「幼子イエスの像」「幼児、嬰児」。大文字のJésusは「イエス・キリスト」。



コメント
時間がありましたら、なのですが
アンシ・ソワ・ジュ・・・
で、当方の解釈をご批評いただけたらと
思うのですが。
ミレーヌ・ファルメール アンドロギュノス
でご検索いただけると思います。
無理のないお時間でですが。
うーまく・ぺんdot 2015.12.27 20:24 | 編集
そうですね。unとlesを使い分けているのを訳語に反映すべきでしょう。訂正しました。
朝倉ノニーdot 2015.12.28 08:14 | 編集
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