2014
09.22

黒いワシ(ローランスに捧ぐ)L'aigle noir(dédiée à Laurence)

Barbara Drouot


「黒いワシL'aigle noir」は、バルバラBarbaraが1970年に発表した代表曲。同年、初来日し、日本でも評判になりました。当時のLPを私は今も大事にしています。
「ローランスに捧ぐdédiée à Laurence」という副題のとおり、姪のローランスに捧げられた曲。実際に見た夢から着想を得て作ったということで、不思議なおとぎ話のような歌詞です。自伝のなかで父親との濃密な関係を告白していますので、この黒鷲が父親を暗示しているという説が広がりましたが、彼女は否定しています。



L'aigle noir(dédiée à Laurence)         黒いワシ(ローランスに捧ぐ)
Barbara                       バルバラ


Un beau jour, ou peut-être une nuit, 注1
Près d'un lac je m'étais endormie, 注2
Quand soudain, semblant crever le ciel,
Et venant de nulle part,
Surgit un aigle noir,

  ある日、あるいは夜だったか、
  湖のほとりで 私はうつらうつらとしていた、
  すると突然、空を引き裂くかのように、
  どこからともなく、
  黒い鷲が現れた、

Lagle noir1


Lentement, les ailes déployées,
Lentement, je le vis tournoyer,
Près de moi, dans un bruissement d'ailes,
Comme tombé du ciel,
L'oiseau vint se poser,

  ゆっくりと、翼を広げて、
  ゆっくりと、彼が旋回するのを私は見た、
  私のそばに、翼のざわめきのうちに、
  まるで空から落ちるようにして、
  鳥は降り立った、

Il avait les yeux couleur rubis,
Et des plumes couleur de la nuit,
À son front brillant de mille feux,
L'oiseau roi couronné,
Portait un diamant bleu,

  彼はルビー色の眼と、
  夜の色の羽を持ち、
  千の炎を燃やす額に、
  冠を戴いた王の鳥は、
  青いダイヤモンドを付けていた、

Lagle4.jpg


De son bec il a touché ma joue,
Dans ma main il a glissé son cou,
C'est alors que je l' ai reconnu,
Surgissant du passé,
Il m'était revenu,

  彼は嘴で私の頬に触れ、
  私の手に首筋を滑り込ませた、
  私が彼を思い出したのはその時、
  過去から現れて、
  彼は私の記憶に蘇った、

Dis l'oiseau, ô dis, emmène-moi, 注3
Retournons au pays d'autrefois,
Comme avant, dans mes rêves d'enfant,
Pour cueillir en tremblant,
Des étoiles, des étoiles,
Comme avant, dans mes rêves d'enfant,
Comme avant, sur un nuage blanc,
Comme avant, allumer le soleil, 注4
Être faiseur de pluie,
Et faire des merveilles,
L'aigle noir dans un bruissement d'ailes,
Prit son vol pour regagner le ciel,

  鳥よ、ねぇ、私を連れてって、
  帰りましょう 懐かしい国へ、
  昔のように、子どもの頃の夢の中で、
  星々を、星々を、
  慄きつつ摘むために、
  昔のように、子どもの頃の夢の中で、
  昔のように、白い雲の上で、
  昔のように、太陽を灯し、
  雨を降らせ、
  不思議を起こすのよ、
  黒い鷲は 翼をざわめかせて、
  空に戻るために飛び立った、

Lagle noir3


Quatre plumes couleur de la nuit 注5
Une larme ou peut-être un rubis
J'avais froid, il ne me restait rien
L'oiseau m'avait laissée
Seule avec mon chagrin

  夜の色の四枚の羽根
  一粒の涙 いえ、もしかしたら一玉のルビー…
  私は寒気を覚えた、彼は私に何も残さなかった
  鳥は私を置き去りにした
  ひとり悲しみとともに


Un beau jour, ou peut-être une nuit, 注6
Près d'un lac, je m'étais endormie,
Quand soudain, semblant crever le ciel,
Et venant de nulle part,
Surgit un aigle noir,

  ある日、あるいはもしかしたら夜だったか、
  湖のほとりで 私はうつらうつらしていた、
  すると突然、空を引き裂くかのように、
  どこからともなく、
  黒い鷲が現れた、

Un beau jour, ou était-ce une nuit,
Près d'un lac, je m'étais endormie,
Quand soudain, semblant crever le ciel,
Et venant de nulle part,
Surgit un aigle noir…

  ある日、あるいは夜だったか、
  湖のほとりで 私はうつらうつらとしていた、
  すると突然、空を引き裂くかのように、
  どこからともなく、
  黒い鷲が現れた、

Un beau jour, une nuit,
Près d'un lac, endormie,
Quand soudain,
Surgissant de nulle part
Surgit un aigle noir,

  ある日、ある夜、
  湖のほとりで、うつらうつらと、
  すると突然、
  どこから現れたのか、
  黒い鷲が現れた、

Un beau jour, une nuit,
Près d'un lac, endormie,
Quand soudain,
Il venait de nulle part,
Il a surgit, l'aigle noir..

  ある日、ある夜、
  湖のほとりで、うつらうつらと、
  すると突然、
  どこからやって来たのか、
  現れた、黒い鷲が…

Un beau jour, une nuit,
Près d'un lac, endormie,
Il venait de nulle part,
Il surgit, l'aigle noir..

  ある日、ある夜、
  湖のほとりで、うつらうつらと、
  どこからやって来たのか、
  現れた、黒い鷲が…

[注]
1 un beau jourは「ある晴れた日」ではなく「(不特定の)ある日」。誤訳の多いところ。
2 étais endormie の部分のリエゾンでは、ザンドルミとなるはずだが、サンドルミと聞こえるのは、彼女の声の特性のせいか。
3 disは「言って」ではなく、注意を促す言葉で「ねぇ」くらいの意味。これも誤訳が多い。
4 allumer le soleilは、ちょうど電球をつけるように太陽を灯して晴天にするイメージ。続く「雨を降らせる」ということと対になっていて、そうした天候を左右することを「不思議を起こす」と言っている。
5 用いた音源ではこの部分は歌っていない。
6 ここから後は、冒頭の1小節をアドリブ風に形を変えつつ繰り返している。




コメント
étais endormie のリエゾンは、バルバラや、パトリシア・カースの歌を聴くと、私も「サンドルミ」と聞こえましたので、何人かの人に聞いてもらったところ、フランス人は、「ザンドルミ」だと言っていましたし、日本人も何人かは「ザンドルミ」だと言っていました。どうやらリエゾンの法則は、崩れていなかったようでした。
ただ、この歌をフランス語で歌う場合、片仮名フランス語で歌うとすれば、「ザンドルミ」ですとが「ザ」が強くなりすぎて、様にならないという事にもなり兼ねません。多分、濁音を極力弱くとか、「サンドルミ」としておいて、「サ」を少しだけ濁り気味にというような工夫が必要となりそうです。
「en」の鼻母音を正確に発音できる人は、「ザンドルミ」と歌ってOKという事になりそうです。
江副文臣dot 2017.09.17 23:37 | 編集
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