2014
09.19

ラ・マドラグLa Madrague

Brigitte Bardot La Madrague


ブリジット・バルドーBrigitte Bardotは、頭文字が B.B.(ベベ)であることから、同じ発音で「赤ん坊」を意味するフランス語 bébéとかけてBBという愛称で呼ばれます。今回は、BBが1963年に歌った「ラ・マドラグLa Madrague」(作詞:Jean-Max Rivière 作曲:Gérard Bourgeois)という曲。とてもすなおな歌い方で好感がもてます。

ラ・マドラグとは、 BB が1960 年代のスター時代に住んでいた、カヌビエ湾Baie des Canebiersを見渡すサン・トロペSaint-Tropezの別荘のこと。そもそもmadragueとはアラビア語由来のプロヴァンス語で、マグロを捕る大謀網を意味します。歌詞には、「エビやカニたちのお祭り」というフレーズが出てきますが、この別荘では、実際に盛大な「お祭り」が開かれ、エビ、カニならぬ、アラン・ドロンやジャン・ポール・ベルモンド、マニタ・デ・プラタ(フラメンコのギタリスト)などが参加したようです。また、ギュンター・サックスは、ヘリコプターからバラの花びらの雨を降らせて彼女への愛を表現したとか。「百万本のバラ」という歌では、貧乏な画家が全財産をはたいてけなげな行為をし、しかも報われなかったわけですが、ギュンターさんはお金持ちだったようですし、ちゃんと彼女を射止めました。

Madrague6.jpg


BBは1973年に映画界から去り、動物愛護運動家(特に毛皮反対運動・犬の愛護・保護)として活動するようになります。その際、ラ・マドラグを、自分が設立した動物愛護団体に寄付しました。でも、その後も、BBの元別荘ということで、夏の間の観光船のルートの一部になっています。彼女は、自分の死後はここを博物館にして、その収益を動物愛護団体の活動資金に宛てることを考えているそうです。



La Madrague              ラ・マドラグ
Brigitte Bardot             ブリジット・バルドー


Sur la plage abandonnée
Coquillages et crustacés
Qui l'eût cru déplorent la perte de l'été 注1
Qui depuis s'en est allé
On a rangé les vacance
Dans des valises en carton 注2
Et c'est triste quand on pense à la saison
Du soleil et des chansons

  見捨てられた浜辺で
  貝たちやエビやカニたちが
  なんとまぁ 夏の終わりを嘆き悲しんでる
  それ以来、夏は行ってしまった
  人々はヴァカンスを
  段ボールの旅行鞄に片付けたわ
  そして 太陽と歌の
  季節を思うのは悲しいこと

Madrague3 (2)


Pourtant je sais bien l'année prochaine
Tout refleurira nous reviendrons
Mais en attendant je suis en peine 注3
De quitter la mer et ma maison

  でも私には分かっている 来年には
  すべてがまた花開くし 私たちは戻って来るって
  だけどそれまでの間 海と私の家から離れるのは辛いわ

Le mistral va s'habituer 注4
A courir sans les voiliers
Et c'est dans ma chevelure ébouriffée 注5
Qu'il va le plus me manquer
Le soleil mon grand copain
Ne me brulera que de loin
Croyant que nous sommes ensemble un peu fâchés 注6
D'être tous deux séparés

  ミストラルが
  ヨットのいない海に吹くのに慣れようとしている
  でも私の乱れた髪の中に
  吹いてくれなくなることが一番淋しいわ
  私の偉大な友である太陽は
  遠くからしか私を焼いてくれない
  お互いに離れ離れになって
  ともにちょっと気まずいと思ってか

Madrague.jpg


Le train m'emmènera vers l'automne
Retrouver la ville sous la pluie
Mon chagrin ne sera pour personne 注7
Je le garderai comme un ami

  汽車は私を秋に向かわせ
  雨の降る街へと運ぶ
  私の悲しみは誰にも見せない
  私はそれをお友達にしておくわ

Mais aux premiers jours d'été
Tous les ennuis oubliés
Nous reviendrons faire la fête aux crustacés
De la plage ensoleillée
De la plage ensoleillée
De la plage ensoleillée

  でも夏の初めの日々には
  すべての憂鬱は忘れ去られて
  私たちはエビやカニたちのお祭りをしに戻ってくるわ
  太陽の輝く浜辺での
  太陽の輝く浜辺での
  太陽の輝く浜辺での

Madrague5.jpg


[注]
1 Qui l'eût cruよく使われる表現で、「誰が信じただろう、信じられないことに」。
2 en carton「段ボール製の」旅行鞄が段ボール製とは妙だが、韻を踏むためもあってのことだろう。
3 en attendant 「それまでの間」。être en peine de「…を心配する」。
4 le mistralは、南仏で、冬から春のあいだ、ローヌ川の谷間から海に向かって吹く冷たい北風。
5 次行にかけて、c'est…queの構文。直訳すると、「それ(le mistral)が私に最も欠けることになるのは私の乱れた髪の中だ」。それを意訳した。
6 croyantの主語はle soleil。ensembleは不要な語だが音節数を合わせるために加えられているようだ。fâchéは「怒っている」というより、「気まずく思っている」くらいの意味。
7 être pour personne「誰のためのものでもない」すなわち「誰にも明かさない」。



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