2014
09.11

故郷の九月C'est en septembre

Gilbert Bécaud Cest en septembre


ジルベール・ベコーGilbert Bécaudは1927年、フランスのトゥーロンで生まれ、幼少時よりピアノを学んでいました。第2次大戦後に作詞・作曲も始め、エディット・ピアフÉdith Piafに出会った後に、彼女の勧めにより自ら歌うようになりました。
パリのオランピア劇場で33回も公演し、紺地に水玉模様のネクタイがトレードマークで、「ムッシュ10万ボルト」とあだ名されました。最も知られるヒット曲は「ナタリー Nathalie」と「そして今はEt Maintenant」。ベコーは、会場内の観客からの死角ができないよう、ピアノの1本の足を切って改造し、常に僅かに傾いている状態のピアノで演奏したそうです。
彼は俳優でもあり、多くの映画にも出演しています。
2001年に74歳で亡くなり、ペール・ラシェーズ墓地に埋葬されました。

「故郷の九月C'est en septembre」は、ジルベール・ベコーGilbert Bécaudがアメリカのシンガー・ソングライター、ニール・ダイアモンドNeil Diamondとの共作で1978年に発表した曲。ベコーがフランス語で録音した2年後にニールが英語のSeptember mornを録音。原題は「それは9月のこと」という意味ですが、一般的な邦題を採用します。
先日、バルバラBarbaraの「9月(なんと美しい季節)Septembre(Quel joli temps)」をご紹介しましたが、それと甲乙つけがたい美しい曲です。



ニール・ダイアモンドの英語の曲
めったさんのブログ、「めったPOPS」に、歌詞と邦訳が出ていますので参照ください。こちらは、膨大な数の英語の曲を訳されていますので、今後、シャンソンの英語版、あるいは英語の曲のフランス語翻案などの際にまた参照させていただけるようお願いしてあります。強い味方です。



C'est en septembre              故郷の九月
Gilbert Bécaud                 ジルベール・ベコー


Les oliviers baissent les bras
Les raisins rougissent du nez
Et le sable est devenu froid
Au blanc soleil
Maitres baigneurs et saisonniers
Retournent à leurs vrais métiers
Et les santons seront sculptés 注1
Avant Noël

  オリーヴの木が腕を垂れ
  ブドウは鼻を赤くする
  そして白い太陽のもと
  砂は冷たくなった
  水泳コーチと夏のアルバイトの人たちは
  自分たちの本業にもどる
  そしてサントン人形が彫られるだろう
  クリスマスまでには

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C´est en septembre
Quand les voiliers sont dévoilés
Et que la plage tremble sous l´ombre
D´un automne débronzé
C´est en septembre
Que l´on peut vivre pour de vrai 注2

  それは9月だ
  ヨットが帆をおろすのは
  日焼けの癒えた秋が落とす
  影の下で浜辺が身震いするのは
  それは9月だ
  ひとがマジに生きることができるのは

En été mon pays à moi
En été c´est n´importe quoi
Les caravanes le camping-gaz
Au grand soleil
La grande foire aux illusions
Les slips trop courts, les shorts trop longs
Les Hollandaises et leurs melons 注3
De Cavaillon

  夏には、僕の故郷は
  夏には、なんでもありだ
  キャンピングカーだのキャンプ用のガスコンロだの
  輝く太陽のもとでの
  幻想の一大イベントだ
  短かすぎるスリップだの、長すぎる短パンだの
  オランダ人の女たちと彼女たちの
  カヴァイヨン産のデカいメロンだの

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C´est en septembre
Quand l´été remet ses souliers
Et que la plage est comme un ventre
Que personne n´a touché
C´est en septembre
Que mon pays peut respirer

  それは9月だ
  夏が靴をまた履くのは
  そして浜辺が
  誰も触っていないお腹のようになるのは
  それは9月だ
  僕の故郷がひと息つくことができるのは

Pays de mes jeunes années
Là où mon père est enterré
Mon école était chauffée
Au grand soleil
Au mois de mai, moi je m´en vais
Et je te laisse aux étrangers 注4
Pour aller faire l´étranger moi-même
Sous d´autres ciels

  僕が若い頃に過ごした故郷
  そこに父は埋められている
  僕の学校は熱せられていた
  輝く太陽に
  5月に、僕は去った
  そして僕はおまえをよそ者たちに委ねた
  他の地に
  僕自身をよそ者にしに行くために

Mais en septembre
Quand je reviens où je suis né
Et que ma plage me reconnaît
Ouvre des bras de fiancée
C´est en septembre
Que je me fais la bonne année

  だが9月なんだ
  僕が生まれ故郷に戻るのは
  そして僕を覚えていた浜辺が
  フィアンセのような腕を拡げてくれるのは
  それは9月だ
  自分に新年おめでとうを言うのは

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C´est en septembre
Que je m´endors sous l´olivier

  それは9月だ
  僕がオリーヴの木の下で眠るのは

[注]
1 santon「サントン人形」おもにプロヴァンス地方で、クリスマスにキリスト誕生場面の模型に飾られる土製の小さな彩色人形(↓下図)。
2 pour de vrai「本当に、本気で」
3 leurs melonsは暗にオッパイのことを言っていて、ベコーはステージではジェスチャーでそれを表現する。カヴァイヨンCavaillonはメロンの産地として有名。写真は本物のカヴァイヨン産メロン。
4 teはpays「故郷」のこと。étrangersは、ヴァカンスにやって来る人々のこと。自分は彼らと入れ替わりにその時期に他の地によそ者として出稼ぎに行く。

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サントン人形



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