
パトリシア・カースPatricia Kassの「ケネディ・ローズKennedy Rose」は、アメリカ合衆国の35代大統領ジョン・F・ケネディーおよび第64代司法長官ロバート・ケネディの母親で慈善家のローズ・ケネディRose Elizabeth Fitzgerald Kennedyに捧げられた曲。
彼女は1890年に生まれ、9人の子供を生み育て、1995年に亡くなりました。ジョンとロバートはともに暗殺され、娘のロ-ズマリーは精神状態に問題があるということでロボトミー手術を受けたために精神が幼児化し、施設の中で一生を終えたといわれます。末娘のジーン・アンは存命ながら、ほかの兄弟4人も不慮の死を遂げています。
「ケネディ家の呪いKennedy tragedies」などという言葉もあり、そうしたタイトルの本も出版されているそうですが、いずれにせよ、諸々の悲しみを超えて104歳まで生きたローズは並大抵の女性ではなかったのでしょう。
この曲は、作詞:Élisabeth Depardieu(俳優のGérard Depardieuの妻)、作曲:Didier Barbelivien, François Bernheim、編曲:J.Y. D'Angelo, K. Rustamで、1990年のアルバムScène de vieに収録されています。
Kennedy Rose ケネディ・ローズ
Patricia Kass パトリシア・カース
[Refrain]
Je suis pas comme Rose Kennedy
J´voudrais pas qu´mes fils chéris
Deviennent plus tard quelle folie
Présidents des Etats Unis
私はローズ・ケネディみたいじゃない
私は望まない 自分の息子が
とんでもないことに
のちに合衆国の大統領になるなんて
Elle s´appelait Kennedy Rose
Mais dites-moi quelle métamorphose
A fait d´une si jolie fille rose 注1
Une dame pour qui ses fils osent
De toute leur vie faire un défi
De toute leur vie faire un défi
彼女はケネディ・ローズという名前だった
でもいったい どんな変容が
ひとりのとてもかわいいバラ色の娘を
こんな女性にしたの
彼女のためにその息子たちが全人生かけて挑戦を敢行する
全人生かけて挑戦を敢行するような

[Refrain]
Rose Rose
Mais quelle est la cause
Il a dû se passer quelque chose 注2
ローズ ローズ
だがどういうわけだろう
何かが起こったにちがいなかった
Elle s´appelait Kennedy Rose
C´était une jolie p´tite fille rose
Ses fils chéris de l´Amérique
Auraient pu faire de la musique
Des sciences ou des mathématiques
Au lieu de n´être que défis
彼女はケネディ・ローズという名前だった
とてもかわいい小さなバラ色の娘だった
その大切なアメリカの息子たちは
音楽をやることだってできただろう
科学をあるいは数学を
挑戦でしかなかったことのかわりに

[Refrain]
[注]
1 faire+A+de+B「BをAにする」。大文字のRoseは名前だが、このroseは「ばら色の」の意味の形容詞。
2 devoirは「…しなければならない」「必ず…する」の意味もあるが「…に違いない」だと判断した。過去分詞はduだが、de+leのduと区別するために男性単数のみdûと綴る。非人称のil+動詞+名詞の形。意味上の主語はquelque chose。
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