2015
05.16

花を贈るEnvoi de fleurs

Anton Valery


今回は「花を贈るEnvoi de fleurs」です。
この曲は、1896年にアンリ・ベルナールHenri Bernardが作詞し、作曲家で歌手でもあったポール・デルメ Paul Delmet が作曲した古い美しい曲。もう忘れられている曲のひとつでしょう。
タイトルのEnvoi de fleursは、「花の贈り物」という意味で、詩人が女性に素朴な花束を贈って自分の想いを伝えるという歌詞。「花を召しませ」という邦題が付けられていますが、このブログでは「花を贈る」としました。思うに、詩人からの贈り物の花束とは、愛をささやく詩である、この歌自体のことかもしれません。

歌手はアントン・ヴァレリーAnton Valeryを選び、YouTubeにアップしました。



Tino RossiはMusicMeで聴けます。

Envoi de fleurs           花を贈る
Anton Valery            アントン・ヴァレリー


Pour vous obliger de penser à moi,
D'y penser souvent, d'y penser encore,
Voici quelques fleurs, bien modeste envoi,
De très humbles fleurs qui viennent d'éclore,

  君に僕のことを思ってもらおうと、
  なんども思ってもらおうと、もっと思ってもらおうと、
  ほら花を何本か、ごくささやかな贈り物として、
  咲いたばかりのとてもつつましい花々を、

Envoi de fleurs3


Ce ne sont pas là de nobles bouquets,  注1
Signés de la main de savants fleuristes,
Liés par des nœuds, de rubans coquets,
Bouquets précieux, chefs-d'œuvre d'artistes,

  これは 腕のいい花職人たちの刻印が押された、
  きれいなリボンの結ばれた、
  高級な花束、
  貴重な花束、芸術家の作品じゃない、

Ce sont d'humbles fleurs, presque fleurs des champs,
Mais ce sont des fleurs simples et sincères,
Des fleurs sans orgueil au libre penchant,
Des fleurs de poète, à deux sous, pas chères, 注2

  これは つつましい花々、野の花にちかいもの、
  でもこれは素朴で誠実な花々、
  思い上がりのない自由な好みの花々、
  安価で、値の張らない、詩人の花々だ、

Envoi de fleurs1


J'aurais mieux aimé de riches bijoux,
Que ce souvenir vraiment trop champêtre,
Bagues, bracelets et mille joujoux,  注3
J'aurais mieux aimé, vous aussi peut-être,

  こんなあまりにも田舎っぽい土産物なんかより
  高価な宝石のほうが僕としては望ましかった、
  指輪や、ブレスレットやたくさんの品々が、
  僕としては望ましかった、あなたもたぶんそうだろう

Mais du moins ces fleurs, ce modeste envoi, 注4
Ces très humbles fleurs qui viennent d'éclore
Vous diront tout bas de penser à moi,
D'y penser souvent, d'y penser encore.

  だがそれでもこの花々、このささやかな贈り物、
  この咲いたばかりのとてもつつましい花々は
  そっとあなたにささやくだろう 僕のことを思ってくれるように、
  なんども思ってくれるように、もっと思ってくれるようにと。

[注]
1 làは単独で強意のために用いられている。
2 à deux sous「あまり値打ちのない、安物の」
3 joujou「(幼児の)おもちゃ」ではなく「お気に入り、愛用品」くらいの意味。
4 du moins「しかしながら、少なくとも」




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