2015
05.03

バラはあこがれL'important, c'est la rose

Gilbert Bécaud


今回はベコーの「バラはあこがれL'important, c'est la rose」(1966年)です。人道主義者の詩人ルイ・アマードLouis Amadeの作詞でベコーの作曲。覚えやすいメロディーで、ベコーの味のある声が、孤独に生きる人々を励ましてくれる、とっても暖かい歌です。roseといえば、エディット・ピアフÉdith Piafの「バラ色の人生La vie en rose」がまず思い起こされますが、日本語でも、バラ色は、幸せな楽しい状態をあらわします。この歌では、地位や財産などではなく、心の中に持つべきもっと価値ある美しいものをあらわしています。この歌詞を作ったルイ・アマードにちなんで、スヴニール・ドゥ・ルイ・アマードSouvenir de Louis Amadeというバラの品種が作られました(→歌詞に挿入した画像)。
原題は「大切なもの、それはバラ」という意味で、「バラはあこがれ」という邦訳タイトルは正確な訳ではありませんが、悪くないネーミングなので採用いたします。



L'important, c'est la rose      バラはあこがれ
Gilbert Bécaud           ジルベール・ベコー


Toi qui marches dans le vent
Seul dans la trop grande ville
Avec le cafard tranquille du passant 注1
Toi qu'elle a laissé tomber 注2
Pour courir vers d'autres lunes 注3
Pour courir d'autres fortunes
L'important...
L'important c'est la rose
L'important c'est la rose
L'important c'est la rose
Crois-moi

  風の中を歩く君
  たった一人 大きすぎる都会で
  通行人の静かな憂鬱を抱いて
  彼女は君を振ったね
  別の月に向かって走るように
  他の幸運を追い求めるようにと
  大切なもの…
  大切なもの、それはバラ
  大切なもの、それはバラ
  大切なもの、それはバラ
  僕を信じて

Louis Amade2


Toi qui cherches quelque argent
Pour te boucler la semaine 注4
Dans la ville tu promènes ton ballant 注5
Cascadeur, soleil couchant 注6
Tu passes devant les banques
Si tu n'es que saltimbanque
L'important...
L'important c'est la rose
L'important c'est la rose
L'important c'est la rose
Crois-moi

  なにがしかのお金を求める君
  1週間なんとかやり繰りできるだけの
  君は街のなかをふらつきながら歩く
  空中曲芸師君、夕暮れ時
  君は銀行の前を通る
  もし君が軽業師にすぎないとしても
  大切なもの…
  大切なもの、それはバラ
  大切なもの、それはバラ
  大切なもの、それはバラ
  僕を信じて

Toi, petit, que tes parents
Ont laissé seul sur la terre
Petit oiseau sans lumière, sans printemps
Dans ta veste de drap blanc
Il fait froid comme en Bohème
T'as le cœur comme en carême 注7
Et pourtant...
L'important c'est la rose
L'important c'est la rose
L'important c'est la rose
Crois-moi

  君、小さい君を、君の両親は
  地上に置き去りにしたね
  光を失い春を失った小鳥君
  白い毛織物のコートを着ていても
  ボヘミア地方のように寒くて
  君は四旬節の禁欲中のような気分だ
  だけど…
  大切なもの、それはバラ
  大切なもの、それはバラ
  大切なもの、それはバラ
  僕を信じて

Louis Amade


Toi pour qui, donnant-donnant 注8
J'ai chanté ces quelques lignes
Comme pour te faire un signe en passant
Dis à ton tour maintenant 注9
Que la vie n'a d'importance
Que par une fleur qui danse
Sur le temps...
L'important c'est la rose
L'important c'est la rose
L'important c'est la rose
Crois-moi

  君、君のために、ギブアンドテイクで
  僕はこの数フレーズを歌った
  通りすがりに君にサインを送るみたいにしてね
  さあ今度は君が言う番だよ
  調子よく踊る
  一輪の花によってはじめて
  人生は重要になるんだと…
  大切なもの、それはバラ
  大切なもの、それはバラ
  大切なもの、それはバラ
  僕を信じて

[注]
1 cafardには「ごきぶり」という意味もあるが、ここは「憂鬱」。
2 laisser tomberは、「(恋人を)振る」。elleは君を振った女性。
3 courir vers d'autres lunesのcourirは自動詞。luneは、別の恋や女性などの意味を込めた表現と思われる。次行のcourir d'autres fortunes のcourirは他動詞で、「~を追い求める」。
4 bouclerに期間を示す語が続くと、「(その期間の)やり繰りをする」意味。seが前に付き代名動詞の再帰的用法。
5 他動詞としてのpromenerは「~を持ち運ぶ」。ここはton ballant「揺れ」を運ぶ。
6 冠詞なしの名詞のみの節である。cascadeur「空中曲芸師、スタントマン」は、次節のpetit oiseauとともに、toiをあらわす。soleil couchantは、次節のsans lumière, sans printempsと同様に、状況の説明。
7 carêmeは、キリスト教の四旬節およびその間の節制・禁欲。
8 toi pour qui のquiは関係代名詞で先行詞はtoi。donnant-donnant「ギブアンドテイクで」
9「la vieはune fleurによる以外のd'importanceを持たない」ということを、今、君の番として言え、という内容。そして、une fleurを、qui danse sur le tempsが説明。




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