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2014
09.08

9月(なんと美しい季節)Septembre (Quel joli temps)

Barbara Le mal de vivre


一雨ごとに涼しさが増してきます。目を閉じて虫の音が心に沁みるのをゆっくり味わう喜びはこの季節ならではのもの。
バルバラBarbaraの歌う美しい曲「9月(なんと美しい季節)Septembre (Quel joli temps)」を前のブログから運んできましょう。埃をはらいちょっとお化粧直しして。

9月になったら歌おうと毎年のように思いつつ、今年もその機会を逸してしまいそう。簡単そうに見えて、バルバラらしく何度も転調するのでちょっと難しい曲です。



この曲は、1964年のLe mal de vivreというアルバムに収録されています。

Septembre (Quel joli temps)         9月(なんと美しい季節)
Barbara                     バルバラ


Jamais la fin d'été n'avait paru si belle.
Les vignes de l'année auront de beaux raisins.
On voit se rassembler, déjà les hirondelles 注1
Mais il faut se quitter.
Pourtant, l'on s'aimait bien.

  夏の終りがこんなに美しく思えたことはなかったわ。
  今年の葡萄の木は美しい葡萄を実らせることでしょう。
  ツバメたちがもう集まってきている
  けれどお別れしなければならない。
  だけど、私たちとても愛し合っていたわね。

vigne2.jpg


Quel joli temps pour se dire au revoir. 注2
Quel joli soir pour jouer ses vingt ans. 注3
Sur la fumée des cigarettes,
L'amour s'en va, mon cœur s'arrête.
Quel joli temps pour se dire au revoir.
Quel joli soir pour jouer ses vingt ans.

  なんと美しい季節に別れの言葉を交わすの。
  なんと美しい夜に青春を愉しむの。
  煙草の煙に乗って、
  恋は去って行き、私の心は留まる。
  なんと美しい季節に別れの言葉を交わすの。
  なんと美しい夜に青春を愉しむの。

Les fleurs portent déjà les couleurs de Septembre
Et l'on entend, de loin, s'annoncer les bateaux. 注4
Beau temps pour un chagrin que ce temps couleur d'ambre. 注5
Je reste sur le quai, mon amour.
A bientôt.

  花々はもう9月の色を帯びている
  そして、遠くで、船の汽笛が聞こえる
  悲しみに相応しい季節 なんと琥珀の色を帯びた季節なの。
  私は桟橋に残る、愛するあなた。
  また近いうちにね。

bateau.jpg


Quel joli temps, mon amour, au revoir.
Quel joli soir pour jouer ces vingt ans.
Sur la fumée des cigarettes,
L'amour nous reviendra peut-être.
Peut-être un soir, au détour d'un printemps. 注6
Ah quel joli temps, le temps de se revoir.

  どんなに美しい季節かしら、愛するあなた、さようなら。
  どんな美しい夜にこの青春を愉しむのかしら。
  煙草の煙に乗って、
  恋は私たちに戻って来るわきっと。
  きっとある夜、春がめぐって来たら。
  ああどんなに美しい季節かしら、再会の時は。

Jamais les fleurs de Mai n'auront paru si belles. 注7
Les vignes de l'année auront de beaux raisins.
Quand tu me reviendras, avec les hirondelles,
Car tu me reviendras, mon amour, à demain... 注8

  5月の花々は今までになく美しく思えることでしょう。
  今年の葡萄の木は美しい葡萄を実らせることでしょう。
  あなたが私のもとに戻ってきたら、ツバメたちとともに、
  だって、あなたが私のもとに戻ってくるのよ、愛するあなた、もうすぐ…

hirondelle2.jpg


[注]
1 les hirondelles 「ツバメたち」がdéjà「すでに」se rassembler「集まる」のをon voit「ひと (私たち)は見る」。
2 Quel はここでは感嘆を示す。後の節では、未来を予想する内容なので疑問の意味合いになる。
3 nousの意味でonを用いているので、ses vingt ans=nos vingt ans。4節目では、同じ発音ながらニュアンスを変えてces vingt ansとなっている。これを予定してsesを用いているようだ。
4 s'annoncerは、通常は到着を知らせることを言うので、彼が乗るはずの船が着いたのか。
5 beauは「美しい」ではなく「マッチした」といった意味合いであろう。couleur d'ambre「琥珀の色」は秋の色。ombre「影」とした歌詞を採用していたが、歌を聴いて確認し訂正した。
6 au détour de「…を回って、の曲がり角で」。ここでは、「春になったらいつか」といった不確定で不特定な表現。
7 前未来形で、あなたが戻って来るという未来の時点を起点としての表現。
8 demainは「明日」というより「近い未来」の意味。



コメント
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dot 2019.09.23 22:51 | 編集
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