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2015
04.27

セ・シ・ボンC'est si bon

Cest si bon Yves Montand


「セ・シ・ボンC'est si bon」は、1947年にアンリ・ベッティHenri Bettiが作曲し、アンドレ・オルネズAndre Hornezが作詞。翌1948年に、ジャック・エリアン楽団Jacques Hélianが創唱し収録し、続いて、エティエンヌ姉妹Les Sœurs Étienneおよびイヴ・モンタンYves Montandが収録。しかし、この曲を世に知らしめたきっかけは、同年、ニースのジャズ・フェスティヴァルソプラノ歌手のシュジー・ドレールSuzy Delairが歌ったことで、それを聴いたルイ・アームストロングLouis Armstrongがアメリカでレコーディングしたいと申し出ました。翌1949年にジェリー・シーレンJerry Seelenが英語の歌詞(It's So Good)を付け、ジョニー・デズモンドJohnny Desmondが歌って大ヒット。ルイ・アームストロングのレコーディングは1950年。1953年には黒人女性歌手アーサ・キットEartha Kittのフランス語ヴァージョン(あまりにもセクシーだということで、当時NHKでは放送禁止になったそうです)も出て、アメリカではたいへんなヒット曲となりました。
また、1950年にアンジェール・デュランAngèle Durandというベルギー系のドイツの歌手がレコーディングし、そのフランス語ヴァージョンはベルギーで、そのドイツ語ヴァージョンはドイツでヒットしました。

その後は、モンタンも自分の歌を磨いて代表的なレパートリーにしていきましたし、たいへん多くの歌手たちに歌われて来ました。

イヴ・モンタンYves Montandの歌は、ステージでは1953年にエトワール劇場でのリサイタルで発表されましたが、ちょうどシャルル・トレネの「セ・ボンC'est bon」がヒットしていたため、当初は注目されなかったとかでもその後は、文字通り(?)「それはとてもいいC'est si bon」が「それはいいC'est bon」を超える人気となりました。私の住んでいるマンションは「セボン○○」という名称。「それはどうでもいい」ことでした。

モンタン



ミレイユ・マチューMirielle Mathieu とペチュラ・クラークPetula Clarkeの女同士の楽しいデュオ。



C'est si bon  セ・シ・ボン
Yves Montand イヴ・モンタン


(Oui mais)
C'est si bon
De partir n'importe ou,
Bras dessus, bras dessous, 注1
En chantant des chansons.
C'est si bon
De se dir' des mots doux,
Des petits rien du tout
Mais qui en disent long.

  (ああだけど)
  とってもステキさ
  どこにだって 出かけるのは、
  たがいに腕をからませ、
  歌をうたいながら。
  とってもステキさ
  なんでもないことについて、
  けど 長い語らいで
  甘い言葉をささやきあうのは。

Cest si bon2


En voyant notre mine ravie
Les passants, dans la rue, nous envient.
C'est si bon
De guetter dans ses yeux
Un espoir merveilleux
Qui donne le frisson.
C'est si bon,
Ces petit's sensations.
Ça vaut mieux qu'un million,
Tell'ment, tell'ment c'est bon.

  僕たちのうれしそうな顔を見て
  通行人たちは、通りで、僕たちをうらやむ。
  とってもステキさ
  心を震わす
  素晴らしい希望が
  彼女の瞳にうかがえるのは。
  とってもステキさ、
  この小さな興奮は。
  100万フランにまさるほど、
  こんなに、こんなにステキさ。

Vous devinez quel bonheur est le nôtre,
Et si je l'aim' vous comprenez pourquoi.
Elle m'enivre et je n'en veux pas d'autres
Car elle est tout's les femmes à la fois.
Ell' me fait : "Oh !". Ell' me fait : "Ah !".

  僕たちの幸福がどんなもんかあててごらん、
  またなぜ僕が彼女を愛するか分かるかい。
  彼女は僕を酔わせ 他の女性はいらない
  だって彼女は同時にすべての女性なんだ。
  彼女は僕に「おぉ」と言わせ、「あぁ」と言わせる。

C'est si bon
De pouvoir l'embrasser
Et puis de r'commencer
A la moindre occasion.
C'est si bon
De jouer du piano
Tout le long de son dos
Tandis que nous dansons.
C'est inouï ce qu'elle a pour séduire,
Sans parler de c'que je ne peux pas dire. 注2

  とってもステキさ
  彼女を抱くことができるのは
  そしてそれから ちょっとした機会に
  また始めるのは。
  とってもステキさ
  僕たちがダンスをしているあいだ
  彼女の身体に沿って
  ピアノを弾くのは。
  彼女が備えている魅力は信じられないほどだ、
  僕が言い表せないことはいうまでもない。

Cest si bon3


C'est si bon,
Quand j'la tiens pour dans mes bras, 注3
De me dir'que tout ça
C'est à moi pour de bon. 注4
C'est si bon,
Et si nous nous aimons,
Cherchez pas la raison:
C'est parc'que c'est si bon,
C'est parc'que c'est si bon,
C'est parc'que c'est trop bon

  とってもステキさ、
  彼女が腕のなかにいると感じたときに、
  これがぜんぶ
  本当に僕のものなんだと
  思うのは。
  とってもステキさ、
  僕たちが愛し合っても、
  理由なんか探さないでくれよ:
  だってとってもステキなんだから、
  だってとってもステキなんだから、
  だってあまりにもステキなんだから

[注]
1 bras dessus, bras dessous「互いに腕を組んで、仲良く」
2 sans parler de「…は言うまでもなく」
3 tenir pour「…とみなす」で、j'la tiens dans mes bras「彼女を腕に抱く」とはニュアンスが異なる。
4 àは所有を示し、à moi「私に属す、私のもの」。pour de bon「本当に」。




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