2015
04.11

夢見るジョーJoe le taxi

Vanessa Paradis


歌手であり女優でもあるヴァネッサ・パラディVanessa Paradisは、1972年にサン=モール=デ=フォッセで生まれました。俳優である叔父の紹介で早くも7歳でテレビ出演。1987年に「夢見るジョーJoe le taxi」で歌手デビューし、フランスで11週連続で№1となる大ヒットを記録しました。翌年、ファースト・アルバム「マリリン&ジョンM&J」を、1990年にはセルジュ・ゲンズブールのプロデュースで「ヴァリアシオンVariations sur le même t'aime」を、1993年には「ビー・マイ・ベイビーVanessa Paradis」をリリースし、すべて世界的なヒットとなりました。その後は2008年までにアルバムを5枚出し、2009年にBest ofと題した文字通りのベストアルバムを出しています。

女優としては、1989年の「白い婚礼Noce blanche」でデビューし、セザール賞新人女優賞とロミー・シュナイダー賞を受賞。1998年には「ハーフ・ア・チャンスUne chance sur deux」に出演し、アラン・ドロンとジャン=ポール・ベルモンドと共演。1998年には「橋の上の娘La Fille sur le pont」に出演しました。シャネルの広告塔としても知られています。
1998年、俳優のジョニー・デップが彼女に一目ぼれしたことから交際が始まり、翌年に長女を、2002年には長男を出産。その間、女優としての活動は停止していましたが、その後、2004年にはSFパニックサスペンス作品「エイリアンVSヴァネッサ・パラディAtomik Circus - Le retour de James Bataille」で復帰しました。一番新しいところでは、2013年に、アメリカ映画「ジゴロ・イン・ニューヨークFading Gigoloに出演しています。

ジョニー・デップとはその後別れ、今は歌手・作曲家・プロデューサーのバンジャマン・ビオレBenjamin Biolayといっしょにいるそうです。



Joe le taxi           夢見るジョー
Vanessa Paradis        ヴァネッサ・パラディ


Joe le taxi, 注1
Y va pas partout, 注2
Y marche pas au soda. 注3

  タクシー・ジョーは
  どこでも行くわけじゃないし、
  ソーダ水なんかじゃ動かないわ

Son saxo jaune 注4
Connaît toutes les rues par cœur, 注5
Tous les p’tits bars,
Tous les coins noirs
Et la Seine,
Et ses ponts qui brillent.

  彼の黄色いサックスは
  道をぜんぶ知りつくしていて、
  小さなバーもぜんぶ、
  あぶない場所もぜんぶ
  セーヌ川と
  いくつもの輝く橋も知っている

Joe le taxi 3


Dans sa caisse,
La musique à Joe,
C’est la rumba,
Le vieux rock au mambo.
Joe, le taxi,
C’est sa vie,
Le rhum au mambo,
Embouteillage. 注6

  クルマのなかでは
  ジョーの音楽がかかっていて、
  それはルンバや、
  マンボ調の古いロック。
  タクシー・ジョー、
  それが彼の生活、
  マンボにうかれて飲むラム酒と、
  ボトル詰め風交通渋滞が。

Il est comme ça,
Joe - Joe - Joe.

  彼はこんなふうよ、
  ジョー‐ジョー‐ジョー。

Dans sa caisse,
La musique à Joe résonne.

  クルマのなかでは、
  ジョーの音楽が鳴り響いてる。

C’est la rumba,
Le vieux rock au mambo bidon. 注7

  それはルンバ、
  マンボもどきの古いロック。

Joe le taxi 2


Vas-y Joe,
Vas-y Joe,
Vas-y fonce,
Dans la nuit, vers l’amazone, 注8
Joe le taxi,
Et Xavier Cugat, 注9
Joe le taxi,
Et Yma Sumac, 注10
Joe - Joe - Joe,

  それ行けジョー、
  それ行けジョー、
  それ突き進め、
  夜のなかを、アマゾンに向かって、
  タクシー・ジョー、
  グザビエ・キュガも、
  タクシー・ジョー、
  イマ・シュマックも、
  ジョー‐ジョー‐ジョー、

Joe le taxi 1


Joe, le taxi,
C’est sa vie,
Le rhum au mambo,
Embouteillage,
Joe le taxi,
Et les Mariachis, 注11
Joe le taxi,
Et le cha-cha-chi, 注12
Joe le taxi,
Et le cha-cha-chi,
Vas-y Joe,
Vas-y fonce,
Dans la nuit, vers l’amazone.

  タクシー・ジョー、
  それが彼の生活、
  マンボにうかれて飲むラム酒
  ボトル詰め風交通渋滞、
  タクシー・ジョー、
  マリアッチ楽団も、
  タクシー・ジョー、
  チャチャチャも、
  それ行けジョー、
  それ突き進め、
  夜のなかを、アマゾンに向かって。

[注]
1 Joe le taxi 題名は「夢見るジョー」という既存の邦題を用いたが、歌詞のなかでは、言葉通りに訳した。
2 Y va pas=Il ne va pas
3 Y marche pas(=Il ne marche pas)au soda.ソーダ水じゃだめで、酒でなきゃ動かない。
4 son saxo jauneは、クラクションを鳴らすということから、彼のクルマすなわちタクシーの車体のことを言っている。動画にも黄色いタクシーが出ている。あとで出てくるsa caisseもクルマの車体のこと。
5 connaître qn. par cœur「…を熟知している」
6 embouteillage前行にラム酒があるので、「瓶詰」と「交通渋滞」の両義をかけた表現。
7 bidonは名詞としては「ドラム缶、ガソリンタンク」の意味。名詞の後につくと、「偽の、まがい物の」の意味となる。ここでは本来のクルマに関連したニュアンスも含めながら、後者の意味で用いられている。
8 l’amazone「アマゾン川」なら本来は大文字で表記されるはず。「(ギリシャ神話の)アマゾネス」もAmazonesと大文字である。小文字だと、「婦人旗手」あるいは、鳥の名の「ボウシインコ」の意味となるが、隠語で、「車に乗って客引きする売春婦」も意味する。dans la nuitということで、こちらの意味と、また南米音楽との関連で「アマゾン川」と、両方をかけた表現のようだ。
9 Xavier Cugatは、スペイン生まれ、ルンバのヴァイオリニスト
10 Yma Sumacは、ペルーのマンボ歌手
11 les Mariachisは、メキシコ音楽の小編成の楽団
12 cha-cha-chi 本来はcha-cha-chaだが、taxiに語尾を合わせたようだ。曲にはチャチャチャという音声も入っている。




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