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2015
03.31

ロマンス(恋歌)Romance

Juliette Gréco Romance


ジュリエット・グレコJuliette Gréco の歌う「ロマンス(恋歌)Romance」は、1946年(?)にアンリ・バシスHenri Bassisが(Henri Bossisの名で)作詞し、ジョゼフ・コズマJoseph Kosmaが作曲しました。最初はディスクのB面に収録されて人目を引きませんでしたが、1951年に、Le Gantelet vert (The Green Glove)という米仏共同制作のRudolph Maté監督の映画でグレコ自身の歌が用いられて(編集段階でカットされたという情報もあるが)注目され、52年のディスク大賞を獲得し、同年リリースされたアルバム:Juliette Gréco chante ses derniers succèsに収録されました。

この曲が作られた年に生まれた人はもう60代後半。これまで何度か甘いロマンスを経験したことでしょうね。でも、このタイトルのRomanceは、そんなロマンスではなくて、「恋の歌」という意味。シャルル・トレネCharles Trenetの「優しきフランスDouce France」にも、「歌詞のない恋歌Des romances sans paroles」を小学生の頃に声を張り上げて歌ったというフレーズがあります。ということで、一般に知られている「ロマンス」という邦題を、原題の読みということで採用しますが、「恋歌」を副題といたします。



Romance    ロマンス(恋歌)
Juliette Gréco ジュリエット・グレコ


{Refrain:}
Ces mots chargés de romance
Comme un matin qui sourit
C´est un amour qui commence
Dans le printemps de Paris

  微笑む朝のように
  恋歌にあふれたこれらの言葉
  恋が始まるわ
  パリの春に

Romance1.jpg


Paris, qui n´est à personne,
Est à toi si tu le veux
Mon ami, je te le donne
Ce cadeau, c´est pour nous deux

  パリ、それは誰のものでもない、
  あなたのためのもの お望みならね
  愛しいひと、あなたに差し上げるわ
  この贈り物を、これは私たちふたりのためのものよ

{au Refrain}

Veux-tu les rues de ma ville
Trainant autour des cafés
Où les jours passent tranquilles
Et les filles décoiffées?

  わたしの街の通りはいかが?
  カフェーの辺りをぶらぶらするの
  そこでは日々が静かに過ぎてゆくわ
  髪を解いた娘たちもいかが?

Romance2.jpg


{au Refrain}

Les amoureux se promènent
Ils se regardent, ravis
Mon ami, c´est toi que j´aime
Le bonheur, c´est pour la vie

  恋人たちが散歩している
  彼らはうっとりと見つめ合う
  愛しいひと、わたしが愛しているのはあなたよ
  しあわせは一生つづくわ

{au Refrain}


コメント
ご丁寧に調べていただき、ありがとうございます。
永田文夫先生の「シャンソン」という本には、1951年の作品と書かれていますが、当時、レコード会社から渡された資料をもとに解説なさっているので、不正確なことも多いと伺ったことがあります。それで、朝倉様にお尋ねいたしました。本当にありがとうございます。
岩元ガン子dot 2017.08.08 12:24 | 編集
鎌田耕二氏の著書「聴かせてよ愛の歌を」のP173に「フランスでは初め、ヒットを期待されないB面用の曲だったが、52年にACCディスク大賞の対象曲になり、おかげでグレコのファースト・アルバムの第1曲に昇格した。彼女はまたルドルフ・マテ演出の米映画《The Green Globe》(仏題:Le gantelet vert。51年、日本未公開)に出演してこの歌をうたったが、編集段階でカットされてしまったそうだ。」とあります。
WikipédiaのDiscographie de Juliette Grécoの記事によると、1952年のアルバム:Juliette Gréco chante ses derniers succèsの1曲目にこの曲が入っていて、du film Le Gantelet vert (paroles d'Henri Bassis et musique de Joseph Kosma), Grand Prix du disque 1952という解説があります。
壺齋散人氏のブログ「壺齋閑話」には「1946年に作られたシャンソン」とあります。私が1946年という数字をそこからだけ得たのか忘れましたが、作られた時点では「ヒットを期待されないB面用の曲」だったこの曲を、51年に映画で歌った(カットされたかどうかは不明ですが)ことで注目され、翌52年にACCディスク大賞を受賞し、今までの曲を集大成した初めてのアルバムに収録した、という経過のようです。

また、アンリ・バシスHenri Bassis はHenri Bossisの名でこの曲を作曲したということがあらたに分かりました。ご質問をいただき、調べなおして確認できたことは以上です。自分の書いた記事の出典が不明で、無責任でごめんなさい。
朝倉ノニーdot 2017.08.06 07:51 | 編集
いつもお世話になります。「ロマンス」が1946年に作られたというのは、どこで調べたらわかりますか?私の資料と年代が違うので。ざっと検索したのですが、日本人の誰かのブログに書いてあった以外見つけられませんでした。どうぞ、教えてください。
岩元ガン子dot 2017.08.04 11:14 | 編集
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