2015
04.21

ボン・ヴォワヤージュBon voyage

Bon voyage


グロリア・ラッソGloria Lassoの「ボン・ヴォワヤージュBon voyage」(1958年、作詞Jacques Larue, 作曲Dunny Small)は、3月19日に取り上げたイヴェット・ジローYvette Giraudの「アデューAdieu」と同様、恋人に別の女性ができ、辛い心を抑えながら相手にさよならを言う内容ですが、さらにいさぎよく、「よい旅を」と相手を送り出します。つまりは、別れ話を切り出す側ではなく、切り出された側の対応がテーマ。私としては、「恋は切なくEmportez mon amour」のほうが性に合いそうですが…。
voyageの仮名表記は「ヴォヤージュ」とされることが多いのですが、これはまずいので、手持ちの辞書の表記に合わせます(「ヴォワイヤージュ」としている電子辞書もありますが)。また、イザベル・アジャーニ主演の同名の映画とは無関係です、念のため。

グロリア・ラッソ(1922~2005)は、スペイン出身の歌手で、「マドリッドから来たナイチンゲール」(本当はカタロニアから来ましたが…)と呼ばれました。看護婦をしていたときに、病気になった歌手の代役でラジオに出たことがきっかけで歌手となり、50年代にフランスで活躍しました。ラテンのスタンダードやブラジル音楽の数多くの名曲をカバーしてラテンとフランスの音楽の橋渡しをし「フランス・ラテン音楽の女王」と称されました。彼女の曲はたいてい恋を歌った、軽快でメロディアスなものですが、バイオリン、ギター、トランペット、カスタネットを用いた情熱的でロマンチックなオーケストレーションがたいへん特徴的です。日本では「急流Le torrent」「ゴンドリエGondolier」なども知られています。60年代に入ってからは、ダリダDalidaに人気を奪われて、メキシコに渡り、メキシコや南米で人気を博しました。1962年に作られた「マガリMagali」という大曲があり、こちらもいずれ取り上げる予定です。生涯に少なくとも6回、説によると9回結婚したといわれます。Bon voyage を5回~8回言ったということかな。



Bon voyage           ボン・ヴォワヤージュ
Gloria Lasso          グロリア・ラッソ 


Pas la peine de prendre 注1
Cet air triste en me quittant
Puisque celle qui t’aime t’attend
Offre-lui de ma part ces lilas du jardin 注2
Je ne lui en veux pas
Je la plains. 注3

  私のもとを去るのに
  そんな悲しそうなそぶりをすることはないのよ
  あなたを愛している人が待っているんだから
  私の代わりに その方にこの庭のリラの花をあげて
  自分じゃそうしたくないから
  申しわけないけど。

Bon voyage3


Bon voyage! Bon voyage!
Le soleil brillera bien sans toi
Tu peux faire une croix
J’ai fini de t’aimer
Bon voyage! Et ne reviens jamais.

  よい旅を!よい旅を!
  あなたがいなくても太陽はちゃんと輝くわ
  信じていいのよ
  私はあなたを愛するのをやめたわ
  よい旅を!そして二度と戻らないで。

Je m’emporte, c’est bête 注4
Je te souhaite d’être heureux
On m’a dit qu’elle avait de beaux yeux
On m’a même ajouté,
Comme pour t’excuser,
Que tu l’aimes au point de l’épouser. 注5

  私はのぼせてるわ、馬鹿ね
  あなたがしあわせになるよう願うわ
  あの方はきれいな眼をしてらっしゃるって人が教えてくれた
  そしてまた、付け加えたわ、
  あなたを弁護して、
  結婚を考えるほどあなたがその方を愛していると。

Bon voyage2


Bon voyage! Bon voyage!
Ta tendresse pour moi, garde-la
Quand tu vas tout à l’heure 注6
Te jeter dans ses bras
N’aie pas peur que je pleure pour ça.

  よい旅を!よい旅を!
  私に対しての優しい気持ち、それは残していてね
  あなたはもうすぐ
  あの方の腕のなかに飛び込むでしょうけど
  そのために私が泣くなんて心配しないで。

[注]
1 ce n’est pas la peine de「…するには及ばない」の省略形。
2 de la part de qn.「…の代理で」
3 plaindre「気の毒に思う、同情する」だが、ちょっと違ったニュアンス。
4 s’emporter「かっとなる、腹を立てる」
5 au point de+inf.「…するほどまで」
6 tout à l’heure「もうすぐ」



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