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2015
03.19

アデューAdieu

Yvette Giraud Adieu


「アデューAdieu」もよく日本語で歌われている曲ですが、フランスではもう忘れられているかもしれません。元はイタリアのインノセンツィCarlo Innocenziが1951年に作曲した「さらば栄光の夢よAddio, Sogni Di Gloria」というカンツォーネ。翌52年、ミレイユ・ブロセイMireille Broceyがフランス語の歌詞を作り、イヴェット・ジローYvette Giraudが歌いました。歌詞の内容は、グロリア・ラッソGloria Lassoの「ボン・ヴォワイヤージュBon voyage」ととても似ていて、恋人に別の女性ができ、辛い心を抑えながら相手にさよならを言うといった内容です。

この曲も、イヴェット・ジローのフランス語の動画がYouTubeになかったので自分で作成しました。



原曲のAddio, Sogni Di Gloria



Adieu      アデュー
Yvette Giraud イヴェット・ジロー


Celle qui t´a pris à moi, je devrais la maudire 注1
Pourtant, vois-tu mon amour, je me force à sourire
Elle est charmante et tu l´aimes, cela doit suffire
Puisque ton bonheur est là, c´est fini, oublie-moi

  あなたを私から奪った女を、私は呪ってしかるべきね
  でも、愛しいひと、私は微笑むよう努めるわ
  彼女は魅力的だしあなたは彼女を愛している、それで充分でしょう
  だってあなたのしあわせはそこにあるんだもの、もう終わりよ、私を忘れて

Adieu2.jpg


Adieu, toi que j´ai tant aimé
Adieu, toi qui m´as tout donné
Tu m´avais fait le serment de m´aimer pour la vie
Oui, mais ton cœur brusquement en décide autrement

  さようなら、私がとても愛したあなた
  さようなら、私にすべてを捧げてくれたあなた
  あなたは私を一生愛すると誓ってくれた
  ええ、でもあなたの心は突然にそれをたがえることにしたのね

Adieu, puisqu´il faut nous quitter
C´est mieux, je ne veux pas pleurer
Nous avons eu, souviens-t´en, des années si jolies
Que rien qu´en les évoquant on ferait un roman 注2

  さようなら、私たちは別れなきゃならないから
  そのほうがいいわ、私は泣きたくないの
  想い出して、私たちはとても素敵な年月を過ごして来た
  それを想い出すだけで、ひとつの小説が書けるほどの

Mais le destin qui nous sépare
Ne peut pas nous désunir
Tant qu´il reste dans ma mémoire
L´empreinte de nos souvenirs

  でも私たちを別れさせる運命は
  私たちを引き裂くことはできないわ
  私たちの想い出が
  私の記憶のなかに刻みつけられているかぎり

Adieu, je garde au fond de moi
Tes yeux et l´écho de ta voix
Ton souvenir est vivant 注3
C´est lui qui me caresse
Auprès de moi, je te sens
Invisible et présent

  さようなら、私は心の奥に
  あなたの瞳とあなたの声の響きをとどめるわ
  あなたの面影は生きている
  私を愛撫するのはその人よ
  私の前に、私はあなたを感じるの
  見えないけれどちゃんといるわ

Adieu3.jpg


Adieu, toi que j´ai tant aimé
Adieu, toi qui m´as tout donné

  さようなら、私がとても愛したあなた
  さようなら、私にすべてを捧げてくれたあなた

[注]
1 prendre qc.(qn) à qn.「…を…から奪い取る、取り上げる」
2 rien que…「…するだけで、…だけのために」
3 ton souvenir 「あなたの思い出」。dans son souvenirなどの表現では、所有格が記憶する側を示すが、ここでは記憶される側を示す。次行のluiは、その「思い出されるあなた」を「彼」と置き換えている。



コメント
この曲のカンツォーネが気にいって、オペラ歌手の故ステファノなど10人近く聴いて楽しんでいました。イヴェット・ジローがシャンソンも知っていました。今夜偶然YouTubeで聴けて、感謝しています。

70年代によくパリへ行った土産にシャンソンのカセットを買いました。オペラCDを整理していて、その中に20年ほど前に買ったと思われる60曲入りのミレ-ヌ・マチユのCDが紛れ込んでいて、先週楽しんだばかりです。
少年時代は金沢の人dot 2021.06.13 21:33 | 編集
以前のブログの、カンツォーネ我が栄光の夢よ、を参考にして、薩摩忠さんの訳で勉強しています。今は見られなくなっていますが、感謝しています。ありがとうございました。まだへたくそですが、頑張ります。
キノコdot 2015.03.31 10:23 | 編集
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