2015
03.27

朝の食事Déjeuner du matin

Marlene Dietrich Déjeuner du matin


ジャック・プレヴェールJacques Prévertの詩を歌詞にした歌はもう何曲かご紹介しました。「美しい星でÀ la belle étoile」のページに、作曲家ジョゼフ・コズマJoseph Kosmaが曲を付けたプレヴェールの詩をリストアップしていますので参照ください。

今回は、そのうちの1曲、「朝の食事Déjeuner du matin」を取り上げましょう。「バルバラBarbara」と同様、1946年の詩集「ことばParoles」に収められた私の大好きな詩です。1962年にマレーネ・ディートリッヒMarlene Dietrichが歌いました。ディートリッヒはドイツの女優で、「リリー・マルレーンLili Marleen」が最も知られていますが、「バラ色の人生La vie en rose」などフランス語のシャンソンも歌います。
ある神父がこの詩を、「私の夫Mon mari」と題名を変えて教訓話にしてしまったことにプレヴェールがたいへん怒って抗議文を送ったそうです。この詩の「私」とは「彼」の「妻」とは限らないし、また「女」とも限らない。男同士の愛であってもいいんだとリベラリストのプレヴェールは考えていたようです。



Déjeuner du matin        朝の食事
Marlene Dietrich         マレーネ・ディートリッヒ


Il a mis le café
Dans la tasse
Il a mis le lait
Dans la tasse de café
Il a mis le sucre
Dans le café au lait
Avec la petite cuiller
Il a tourné
Il a bu le café au lait
Et il a reposé la tasse
Sans me parler

  彼はコーヒーを
  カップに注いだ
  彼はミルクを
  コーヒーのカップに入れた
  彼は砂糖を
  カフェオレに入れた
  小さなスプーンで
  彼はかき回した
  彼はカフェオレを飲んだ
  そして彼はカップを置いた
  わたしになにも言わずに

Déjeuner du matin4


Il a allumé
Une cigarette
Il a fait des ronds
Avec la fumée
Il a mis les cendres
Dans le cendrier
Sans me parler
Sans me regarder

  彼は火を付けた
  1本のタバコに
  彼は輪を作った
  その煙で
  彼は灰を落とした
  灰皿のなかに
  わたしになにも言わず
  わたしに目を向けずに

Il s'est levé
Il a mis
Son chapeau sur sa tête
Il a mis son manteau de pluie
Parce qu'il pleuvait
Et il est parti
Sous la pluie
Sans me parler 注1
Sans me regarder

  彼は立ち上がった
  彼はかぶった
  帽子をあたまに
  彼はレインコートを着た
  雨が降っていたから
  そして彼は出ていった
  雨のなか
  わたしになにも言わず
  わたしに目を向けずに

Et moi j'ai pris
Ma tête dans mes mains 注2
Et j'ai pleuré.

  そしてわたしは
  あたまを抱えた
  そして泣いた。

Emportez mon amour1


[注]
1 ディートリッヒはこう歌っているが、原詩ではSans une paroles「一言もなく」。
2 原詩ではMa tête dans ma main。




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