2015
03.09

風うたいChante le vent

Charles Trenet Rachel dans ta maison


気が向くままに選曲していますので、マイナーな曲を出すことが多くなりがちですが、今回は、シャルル・トレネCharles Trenetの「風うたいChante le vent」(1965年)という、知る人ぞ知る(知らない人は知らない?)曲です。1965年にEP盤で出され、翌66年のアルバムRachel dans ta maisonに収録されています。

動画は私が作りました。



Chante le vent          風うたい
Charles Trenet          シャルル・トレネ


On l’appelait
Chante le vent
Il venait nous voir bien souvent
A Saint-Jérôme 注1
On l’aimait bien
Chante le vent
Le musicien
D’où venait-il?
On n’savait pas
Il nous disait
Je viens d’là-bas
De l’autr’ côté
De l’horizon
Là où se changent les saisons
Chante le vent
Chante le vent
Disaient les filles au cœur rêvant

  私たちは彼を
  風うたいと言う
  彼はしばしば私たちに会いに来る
  サン=ジェロームに
  私たちは彼をとても愛している
  風うたいという
  ミュージシャンを
  彼はどこから来たのか?
  私たちは知らない
  彼は私たちに言っていた
  僕はあっち
  地平線の
  向こう側からやって来たと
  そこでは季節が違っているんだと
  風うたい
  風うたいと
  娘たちは夢みごこちで言うのだった

On faisait cercle autour du feu
Pour écouter ses airs joyeux
Et la Julie la belle enfant
Buvait les mots de Chante le vent
Elle fredonnait avec douceur
Pendant que nous chantions en chœur
Et tous ensemble on comprenait
Que la Julie d’amour aimait
Chante le vent
Chante le vent
Il est à toi ma belle enfant

  私たちは火のまわりで輪をつくった
  彼の楽しい歌を聴くために
  そして美しい娘のジュリーは
  風うたいの言葉に聞きほれた
  彼女は優しく口ずさんでいた
  私たちが声を合わせて歌っているあいだ
  そしてみんなは理解した
  恋するジュリーが
  風うたいに
  風うたいに恋していることを
  彼はおまえ、わが美しい娘のものなんだ

Chante le vent1


Pourtant un jour dans sa chanson
Chante le vent eut un frisson
Il nous parla d’un autre amour
Qui lui faisait le cœur trop lourd
Quand il partit sur son cheval
Disparut dans l’ombre du val
On regarda la pauvre Julie
Qui avait perdu l’amour d’sa vie
Chante le vent
Chante le vent
Ne reviendra plus comme avant

  だがある日 歌いながら
  風うたいは身を震わせた
  彼は心にのしかかっている
  別の恋のことを私たちに語った
  彼が馬に乗って去って行き
  谷間の陰に姿を消したとき
  いのちをかけた恋を失った
  かわいそうなジュリーを私たちは見た
  風うたい
  風うたいは
  もう以前のように戻って来はしないだろう

Chante le vent3


Dans sa chambrette ensoleillée
Julie ne s’est pas réveillée
Nous l’avons conduite un matin
Au repos des bénédictins
Quelqu’un m’a dit qu’il a cru voir
Sur la colline un cheval noir
Ainsi qu’un homme qui repartit 注2
Sitôt qû’en terre elle descendit
Adieu donc pauvre Julie
Toi qui l’aimais à la folie
Déjà de cette histoire ancienne
Combien d’entre nous se souviennent
Hochant la tête, ils disent c’était
Quand ici la joie existait
A présent, y’a plus d’poésie
Plus d’sentiment et plus d’Julie
Et quant au vent hiver, été,
Y’a plus personne pour le chanter
Pleure le vent
Pleure le vent
A Saint-Jérôme fini l’bon temps.

  陽の光のさし込む小部屋で
  ジュリーは意識を取り戻さなかった
  私たちはある朝彼女を
  ベネディクト会の安置所に運んだ
  誰かが私に言った
  丘の上に黒い馬と
  ひとりの男を見た気がすると
  彼女が埋葬されてまもなく
  男は帰って行ったと
  さようならかわいそうなジュリー
  狂おしく彼に恋していたおまえ
  この古い話を
  私たちのうちどれだけ多くの者が思いだすことか
  うなずきながら、皆は言う
  それはここに喜びがあったときのことだ
  今では、もう詩情も
  感情もジュリーも消えてしまった
  そして冬の、また夏の風に関しても、
  それを歌う人はもういないと
  風が泣く
  風が泣く
  サン=ジェロームではいい時代は終わった

Chante le vent2


[注]
1 Saint-Jérômeはカナダ、ケベック州の町の名だと思われる。1945年頃からトレネはケベックを訪れて、そこからインスピレーションを受けた曲を複数出している。
2 ainsi que=et, et aussi「そしてまた」




コメント
以前のブログのコメントに、この歌をいつか歌いたいとお話して、励ましていただきました。トレネを何度も聴いて、自分は日本語ですが、練習を始めました。なんて美しい曲なのでしょう!
キノコdot 2015.03.09 22:08 | 編集
こちらまでいらしてくださったんですね。ありがとうございます。悲しいストーリーは日本語のほうが伝わるでしょう。磨いて行ってください。
朝倉ノニーdot 2015.03.10 07:34 | 編集
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