2015
01.30

雪が降るTombe la neige

Salvatore Adamo Tombe la neige


朝起きたら雪が降っていましたので、この曲を出しましょう。ご存じ、サルヴァトーレ・アダモSalvatore Adamoの「雪が降るTombe la neige」です。1963年にベルギーで発売されたこの曲は翌64年にフランスで大ヒットしました。この曲の歌詞は俳句と同様に、音節数が5・7・5で構成されているので日本人の耳に馴染みやすいと言われます。安井かずみの作った日本語の歌詞もまた5・7・5。またアダモは何度も来日しそのたびに歌っていますので、日本で人気が高まるのは当然のことでしょう。ティノ・ロッシが歌った「小雨降る径 Il pleut sur la route」と同様、来ない女性を待つ内容の歌詞はアダモ自身の17歳頃の実体験に基づいて書かれたそうです。昔、雪の中で車が立ち往生して、彼女のところに行けないというスノウ・タイヤのCMがあって、それにこの曲が使われていたとか。覚えてらっしゃる方はおありでしょうか?



Tombe la neige          雪が降る
Salvatore Adamo         サルヴァトーレ・アダモ


Tombe la neige 注1
Tu ne viendras pas ce soir
Tombe la neige
Et mon cœur s’habille de noir
Ce soyeux cortège 注2
Tout en larmes blanches 注3
L’oiseau sur la branche
Pleure le sortilège 注4

  雪が降る
  君は今夜来ないんだ
  雪が降る
  そして僕の心は黒い衣をまとう
  この絹のような隊列
  すべては白い涙に覆われる
  枝にとまった鳥が
  この魔法を嘆く

Tombe la neige2


Tu ne viendras pas ce soir
Me crie mon désespoir 注5
Mais tombe la neige
Impassible manège 注6

  君は今夜来ないんだ
  わが絶望が僕に向かって叫ぶ
  だが雪は降る
  無情なやり口だ

La la la…

{Parlé}
Tombe la neige
Tu ne viendras pas ce soir
Tombe la neige
Tout est blanc de désespoir

  雪が降る
  君は今夜来ないんだ
  雪が降る
  すべてが絶望の白一色だ

Tombe la neige1


{Chanté}
Triste certitude 注7
Le froid et l’absence
Cet odieux silence
Blanche solitude

  悲しい確信
  この寒さと不在
  このおぞましい静寂
  白い孤独

Tu ne viendras pas ce soir
Me crie mon désespoir
Mais tombe la neige
Impassible manège
Mais tombe la neige
Impassible manège

  君は今夜来ないんだ
  わが絶望が僕に向かって叫ぶ
  だが雪は降る
  無情なやり口だ
  だが雪は降る
  無情なやり口だ

Tombe la neige5


La la la…

[注] 主語・動詞の倒置、そして動詞のない名詞文を多用して簡潔な表現をしている。
1 la neigeが主語でtombeが動詞。倒置されている。
2 soyeux「絹のような、柔らかで光沢のある」cortège「(祭儀の)行列、列」。粛々とつらなって降る雪のありさまをあらわしている。
3 larmes blanches「白い涙」は、自分の悲しい気持ちから「雪」をそう表現している。blanc(he)は「白い」のほかに「うつろな、空しい」の意味も含んでいる。en larmesは「涙にくれる」だが、雪に覆われることと重ねた表現である。3節目にTout est blanc de désespoirという、より直接的な表現がある。雪の結晶は刃のイメージに近いものがあり、arme blanche「白刃、刀剣」と語呂合わせしている可能性もある。
4 sortilège「魔法、呪術」とは、雪がすべてを白一色に変えてしまうことを言っている。
5 ここも倒置されていて、mon désespoirが擬人化され、私に向かって叫ぶ。「絶望のあまり、僕は叫ぶ」と言っても同じことだろう。
6 manègeは、ピアフの曲にある「回転木馬」だが、そのように連続して回り続けるものを譬えることもあるし、「手管、やり口」の意味もある。
7 certitudeは、あなたが来ないという「確信」。したがって、次行のl’absenceも、あなたがいないこと。



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