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2023
01.17

来世で逢いましょうRendez-vous dans une autre vie

Françoise Hardy Lamour fou


前回に引き続きフランソワーズ・アルディFrançoise Hardyを。同じアルバム:狂気の愛L'amour fouに収録された「来世で逢いましょうRendez-vous dans une autre vie」です。作詞はアルディー自身、作曲:フランソワ・モーランFrançois Maurin。不思議なタイトルだが、愛し合ってきたはずなのに、ボタンの掛け違いのようなことになってしまったら、もう途中で軌道修正はできない…仕切り直しはゼロからしかできない、生まれ変わって新たな人生でしか…と。



Rendez-vous dans une autre vie 来世で逢いましょう
Françoise Hardy           フランソワーズ・アルディ


Fin du dernier acte 注1
Qui ne m'a pas fait décoller
Il faut qu'on parte
Même si je garde
Une impression d’inachevé
Où sont les marques ?
Y'a-t-il une porte dérobée
Une soupape
Pour que je zappe 注2
Ce long passage obligé

 幕切れが
 私を降ろしそこなった
 行かなくちゃ
 未了の感を
 抱いていても
 道しるべはどこにあるの?
 秘密の扉はあるの?
 課せられたこの長い道のりを
 切り替えるための
 バルブは?

porte étroite2


Pardon si je pars en catimini 注3
Et sans préavis
Pardon pour ce soir, pour hier aussi
La pièce est finie
Rendez-vous plus tard dans une autre vie
Ailleurs ou ici
Pour nous aimer mieux et plus qu'aujourd'hui
Ce n'est qu'un sursis

 許して、こっそりと
 しかも予告もなく去っても
 許して今夜のことは、昨日のことも
 芝居は終わったの
 また別の人生で会いましょう
 他の場所またはここで
 今日よりもっと愛し合うために
 ただの先送りにすぎないわ

Si nous prenons dates
Dans l'intention de respecter
Ce drôle de pacte
La porte étroite 注4
Serait-elle moins triste à passer ?
Où sont nos marques
Où sont nos doigts entrelacés ?
Nos cœurs qui battent
Brûlent et s’exaltent
Et nous, qui nous sommes tant aimés ?
Si mal aussi

 このばかげた約束を
 守るべく
 日取りを決めるなら
 狭き門も
 通るのがさほどつらくはないかしら?
 私たちの道しるべはどこにあるの
 絡み合う指はどこにあるの?
 ときめき
 燃え高鳴る胸は
 そして、とても愛し合った
 またとても下手に愛し合った私たちは?

porte étroite3


Mais aujourd'hui
Je voudrais juste vous dire merci
Mes plus beaux rêves
Folies et fièvres
Je vous les dois cent fois
Tous vos non-dits
Vos interdits
Ont fait le sel de ma vie 注5
Ses plus grands défis

 でも今日は
 あなたにありがとうと言いたいだけ
 私の最も美しい夢
 熱狂と熱愛
 私はあなたにそれを100回もらった
 あなたが言わなかったこと
 あなたが禁じたことすべてが
 私の人生の塩を作った
 人生の最大の課題を

Pardon si je pars en catimini
Et sans préavis
Pardon pour ce soir, pour hier aussi
La pièce est finie
Rendez-vous plus tard dans une autre vie
Ailleurs ou ici
Pour nous aimer mieux et plus qu'aujourd'hui
Ce n'est qu'un sursis

 許して、こっそり去ったなら
 しかも予告もなく
 許して今夜のことは、昨日のことも
 芝居は終わったの
 また別の人生で会いましょう
 他の場所またはここで
 今日よりもっと愛し合うために
 ただの先送りにすぎないわ

porte étroite


[注]
1 acteには2義があり、①「行為」「証書、記録」 と、②「(演劇の)幕」「局面、段階」で、ここでは②。
2 zapper「(テレビのチャンネルを)次々に切り換える、次々と取り替える」。セリーヌ・ディオンCéline Dionの「愛をふたたびPour que tu m'aimes encore」http://chantefable2.blog.fc2.com/blog-entry-636.htmlにもこの語がある。
3 en catimini 「隠れて、ひそかに」
4 La porte étroite「狭き門」はアンドレ・ジッドAndré Paul Guillaume Gideの小説のタイトルであり、新約聖書のマタイ福音書第7章第13節にあらわれる、イエス・キリストの言葉に由来する。「狭き門より入れ」とは、神の救いを得るためには、それ相応の努力をしなければならないことを指す言葉。
5 sel 「塩」は、フランス語では「辛辣、鋭敏、機知」といった意味合いでも用いられるが、注4と同様に、新約聖書の「山上の垂訓」にある「地の塩、世の光」という言葉に由来するとも考えられる。複数あるその記述の一つ、マタイによる福音書の5章13節では「あなたがたは、地の塩である。もし塩のききめがなくなったら、何によってその味が取りもどされようか。もはや、なんの役にも立たず、ただ外に捨てられて、人々にふみつけられるだけである。 」とあり、塩は防腐、解毒、調味などの働きを持つことから、「地の塩」はイエスの弟子たちが地上に貢献する規範的な存在であることを示し、「世の光」は彼らが輝いて世のなかの人々を導くことを示すという。だがここでは、塩の隠喩の意味よりも、「海水が蒸発して塩の結晶を残す」というイメージの方が重要だと思われる。「それの(=私の人生の)最大の課題」が残される、ということであろう。



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