
今回はシャルル・トレネCharles Trénetの「冬の夜Nuit d'hiver」。まずは優しい曲だなという印象でしたが、歌詞を訳しながら聴き込んで行くと、とってもエロティックな曲に思えてきました…。ともあれ、冬の夜にひとりしんみりと聴きたい(あるいは歌いたい?)曲です。1959年のアルバム : Chansons d'aujourd'hui に収録されています。
Nuit d'hiver 冬の夜
Charles Trénet シャルル・トレネ
Nuit d'hiver, douce nuit sans fin
Le vent gémit, nos cœurs chavirent
La rue c'est la mer, notre chambre un navire
Qui s'en va vers un port
Où n'est pas la mort
冬の夜、終わることのない甘美な夜
風は唸り、僕たちの心は揺れ動く
街、それは海、僕たちの部屋は船
港へと向かう船
そこには死など無い

Mais la vie qui fleurit demain
La nuit, la longue nuit qui marche
Comme la Seine se promène sous les arches
Suivant le même chemin
だが明日には花咲く人生
夜、歩む長い夜
セーヌ川がアーチの下をたゆたうように
同じ道を辿って
Rêve sans crainte amour de mon cœur
Que seule ta plainte soit de bonheur
Rêve sans nuage amour de ma vie
Les rêves sont les héritages de la nuit
恐れないで夢を見てよ、わが心の愛しい人
ただ君の嘆きが幸せになるように
雲を晴らして夢を見てよ、わがいのちの愛しい人
夢たちは夜の宝だ

Nuit d'hiver, douce nuit sans fin
Le vent gémit et nos deux cœurs chavirent
La rue c'est la mer notre chambre un navire
Qui vogue vers son destin
冬の夜、終わることのない甘美な夜
風は唸り、僕たちのふたつの心は揺れ動く
街、それは海、僕たちの部屋は船
自らの運命へと向かう船
ユーグ・オーフレイHughes Aufrayも歌っています。歌詞が若干違うのでご紹介しますが、訳は省きます。
Nuit d'hiver douce nuit sans fin
Nuit d'amour où nos deux cœurs chavirent
La rue c'est la mer notre chambre un navire
Qui s'en va vers un port
Où n'est pas la mort
Mais la vie qui fleurit demain
Au bout d'la nuit la longue nuit qui marche
Qui marche comme la Seine se promène sous les arches
Suivant le même chemin
Nuit d'hiver douce nuit sans fin
Nuit d'amour où nos deux cœurs chavirent
La rue c'est la mer notre chambre un navire
Qui s'en va vers un port
Ou n'est pas la mort
Nuit d'hiver douce nuit sans fin
Le vent nous berce et nos deux cœurs chavirent
La rue c'est la mer notre chambre un navire
Qui vogue vers son destin
Nuit d'hiver
Nuit sans fin
Comment:3
コメント
こちらこそ早速ありがとうございます。
複数形のところ意識していませんでした。解釈についてもとても勉強になりました。いつもありがとうございます。
これからも素敵な曲のご紹介を楽しみにしています。
複数形のところ意識していませんでした。解釈についてもとても勉強になりました。いつもありがとうございます。
これからも素敵な曲のご紹介を楽しみにしています。
小田原美樹子
2021.12.25 15:30 | 編集

迷いましたが、最期に、les rêvesと総括していると考え、名詞ととりました。
でも、命令形ととった方が、2行目のQue...(=Pour que...)がつながります。
rêve+rêve=les rêvesとしなくてもいいですしね。
見たり聴いたりしているだけではなく、歌っていると理解できて行くものですね。
ということで訂正いたしました。ありがとうございました。
また聴かせてください。
でも、命令形ととった方が、2行目のQue...(=Pour que...)がつながります。
rêve+rêve=les rêvesとしなくてもいいですしね。
見たり聴いたりしているだけではなく、歌っていると理解できて行くものですね。
ということで訂正いたしました。ありがとうございました。
また聴かせてください。
朝倉ノニー
2021.12.25 10:36 | 編集

大好きな曲です。この時期に訳して下さり、クリスマス・プレゼントのように感じます。
しんみり優しい曲と思っていましたが(風の音で一緒に目覚めた恋人に、安らかに夢の旅へお戻り、とささやくような)、ノニーさんの解説を読んで確かにおっしゃるような曲にも思えてきました。
サビは命令形の解釈もありでしょうか?日本語では「おやすみ、心の人 どうか憂いなきよう 夢やすく、愛しい人 夜が夢を紡ぐ」と歌っているため、間違いなら別の歌詞を考えます。
しんみり優しい曲と思っていましたが(風の音で一緒に目覚めた恋人に、安らかに夢の旅へお戻り、とささやくような)、ノニーさんの解説を読んで確かにおっしゃるような曲にも思えてきました。
サビは命令形の解釈もありでしょうか?日本語では「おやすみ、心の人 どうか憂いなきよう 夢やすく、愛しい人 夜が夢を紡ぐ」と歌っているため、間違いなら別の歌詞を考えます。
小田原美樹子
2021.12.25 09:11 | 編集
