2014
12.08

人生は美しいC'est beau la vie

Jean Ferrat Cest beau la vieIsabelle Aubret Cest beau la vie2  


1963年に深刻な交通事故を生き延びた歌手イザベル・オーブレIsabelle Aubretのために、ジャン・フェラJean Ferratが作曲し、Michelle Senlisが作詞したのがこの曲「人生は美しいC'est beau la vie」です。ジャック・ブレルJacques Brelもまた、自分の作った曲「ラ・ファネットLa Fanette」の権利を彼女に捧げています。イザベル・オーブレは1965年から活動を再開。1970年にはこの曲名をタイトルにしたアルバムを出し、また1993年には、Isabelle Aubret chante Ferratという、フェラの曲を歌ったアルバムも出し、自分のレパートリーとして大切にしています。

この曲は、フランソワ・オゾンFrançois Ozon監督のフランス映画「しあわせの雨傘Potiche(飾り壺)」(2010年)のラストシーンで、カトリーヌ・ドヌーヴCatherine Deneuveが熱唱してふたたび注目を浴びました。この映画の原題のPoticheというのは、暖炉の上などに置かれるただ飾るためだけの壺という意味で、そんな形だけの存在だった女性が突然やってきた苦難を乗り切るために変身していくというお話。
カトリーヌ・ドヌーヴといえば1964年の「シェルブールの雨傘Les Parapluies de Cherbourg」をまず思い出される方が多いでしょう。彼女は、雨傘を売っているという役柄で、本人は歌わず、ダニエル・リカーリDanielle Licariが歌っていました。つまり口パクでしたが、今度の映画では、雨傘を作っている会社の社長夫人の役柄で、本人が歌っています。大物女優は歌手としても一流ですね。

Cest beau la vie


ドヌーヴがバンジャマン・ビオレBenjamin Biolayとデュエットで歌っています。



2009年に亡くなったジャン・フェラ



イザベル・オーブレの1966年のテレビ番組での歌唱です。



C'est beau la vie            人生は美しい
Jean Ferrat              ジャン・フェラ


Le vent dans tes cheveux blonds
Le soleil à l'horizon
Quelques mots d'une chanson
Que c'est beau, c'est beau la vie 注1

  君のブロンドの髪を吹き抜ける風
  地平線の太陽
  シャンソンのいくつかの歌詞
  なんて美しいんだろう、人生は美しい

Cest beau la vie2


Un oiseau qui fait la roue 注2
Sur un arbre déjà roux
Et son cri par dessus tout 注3
Que c'est beau, c'est beau la vie.

  赤枯れた木の上で
  羽を広げる鳥
  そしてその叫び声はなかんずく
  なんて美しいんだろう、人生は美しい

Tout ce qui tremble et palpite
Tout ce qui lutte et se bat
Tout ce que j'ai cru trop vite
A jamais perdu pour moi

  震えおののくものすべて
  戦い争うものすべて
  とても速いと思うものすべてが
  僕には永遠に失われている

Pouvoir encore regarder
Pouvoir encore écouter
Et surtout pouvoir chanter
Que c'est beau, c'est beau la vie.

  また見ることができること
  また聴くことができること
  そして特に歌えることは
  なんて美しいんだろう、人生は美しい

Cest beau la vie1


Le jazz ouvert dans la nuit 注4
Sa trompette qui nous suit
Dans une rue de Paris
Que c'est beau, c'est beau la vie.

  夜なかに始まったジャズ
  パリの通りまで
  僕たちについてくるトランペット
  なんて美しいんだろう、人生は美しい

La rouge fleur éclatée
D'un néon qui fait trembler
Nos deux ombres étonnées
Que c'est beau, c'est beau la vie.

  輝くネオンの紅い花が
  驚いている僕たちの二つの影を
  震わせる
  なんて美しいんだろう、人生は美しい

Tout ce que j'ai failli perdre
Tout ce qui m'est redonné
Aujourd'hui me monte aux lèvres
En cette fin de journée

  僕が危うく失いかけたものすべて
  僕にまた与えられたものすべてが
  きょう口元に湧きあがってくる
  この一日の終りに

Pouvoir encore partager
Ma jeunesse, mes idées
Avec l'amour retrouvé
Que c'est beau, c'est beau la vie.

  僕の若さを、僕の思いを
  よみがえった愛に
  ふたたび注ぐことができること
  なんて美しいんだろう、人生は美しい

Cest beau la vie3


Pouvoir encore te parler
Pouvoir encore t'embrasser
Te le dire et le chanter
Oui c'est beau, c'est beau la vie.

  また君に話せること
  また君に接吻できること
  君にこう言えてこう歌えること
  そう、なんて美しいんだろう、人生は美しいと

[注] ジャン・フェラJean Ferratの歌として訳した。
1 Que c'est beau のqueは感嘆をあらわし、「なんと」。ceは先に挙げたことがら。c'est beau la vieのceは文末に置かれた主語(ここではla vie)を予告する働き。c'est+形容詞の形では、ceが指す名詞の性数に関係なく、形容詞を男性単数形にする。したがって、これもbelleとはならない。
2 faire la roue「(クジャクなどが)尾羽を広げる」
3 par dessus tout「特に、とりわけ」
4 ouvertは「開かれた、始まった」の意味でjazzを修飾する。




コメント
この曲は、フランス人が詞を読んだ時、或いは歌を聴いた時に感じる呼吸というものを、日本語でも伝えたい、という気がします。それには多少無理をしてでも頭から訳す、という事になると思うのですが、少しばかりやってみましたという事で:

  風は君のブロンドの髪をふき抜け
  太陽は水平線に
  いくつかの歌詞が一つの歌の中に
  美しい、人生は美しい

  鳥は羽を広げ
  止まる木はもう赤枯れて
  その叫び声は上からすべてに亙る
  美しい、人生は美しい

par dessus toutは、確かに「特に、とりわけ」なのですが、par-dessusが離れているところが微妙、熟語を知らない人の訳を作ってみました(笑)。
まあそんなところで、もしこの考えを御採用戴ければ、あとはお任せ申し上げます。別バージョンの訳を是非。
江副文臣dot 2015.04.27 00:24 | 編集
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