
フランソワーズ・アルディFrançoise Hardyの1970年のアルバム:Soleilのタイトルトラック「太陽Soleil」は先にご紹介しましたが、このアルバムには月に因む曲も入っています。「月の花Fleur de lune」というとても詩的な歌詞内容の曲です。そういえば、その30年以上のちの2004年に、「月影でÀ l'ombre de la lune」という哀しく美しい曲も歌いましたね。
先日、ドラマーの野口迪生さんから、「月下美人が咲いたよ」と写真がメールで送られてきました。香りまで届いてきたようで、コロナで憂鬱な気持ちが続くなか、とてもうれしかったです。月下美人Epiphyllum oxypetalumは、年に1度か2度一晩だけ咲く花。フランス語ではbelle de nuitと呼ばれるほかfleur de luneとも呼ばれます。また、スパティフィラムSpathiphyllumもfleur de luneと呼ばれます。この曲で歌われているのはどちらなのかな?いえ、幻の花、夢の花くらいにとらえていいかもしれませんね。
原曲はSong of Winterという英語の曲で、作詞:ミッキー・ジョーンズMicky Jones 、作曲:トミー・ブラウンTommy Brown。フランス語の作詞はアルディー自身。
アルディは英語のSong of Winterも歌っています。 1970年の英語歌唱アルバム:Alone(One-Nine-Seven-Zero)に収録。
Fleur de lune 月の花
Françoise Hardy フランソワーズ・アルディ
Suis-je la fleur de lune
Ou bien l'eau qui dort
Je suis née dans une brume
Là où le vent vient du nord
私は月の花かしら
それともまたまどろむ水
私は霧のなかで生まれた
北から風が吹いてくるところで

Suis-je l'herbe sauvage
Ou le ciel de pluie
Viens te prendre à mon mirage
Te noyer dans mes yeux gris
私は野の草かしら
それとも雨の空
私のまぼろしをとりに来て
私の灰色の目のなかでおぼれに来て
{Refrain:}
Ou que tu sois je t'appelle
Je sais que tu m'entends
Je sais qu'il faudra que tu viennes
Ma cage est grande ouverte et ma prison t'attends
どこにいようとあなたを呼ぶわ
聞こえてるってわかっている
あなたは来なきゃならないってわかっている
私の檻は大口開いて私の牢獄はあなたを待っている

Suis-je l'étoile ou l'algue
Suis-je le faux semblant
Viens t'enrouler dans mes vagues
Elles ont comme un gout de sang 注
私は星それとも海草かしら
私はまがい物なのかしら
私の波に呑まれに来て
波は血のような味よ
{Refrain}
Suis-je la fleur de lune
Ou bien l'eau qui dort
Suis-je l'herbe sauvage
Ou le ciel de pluie
Viens dans mon mirage
Au fond de mon nid
私は月の花かしら
それともまたまどろむ水
私は野の草かしら
それとも雨の空
私の巣の奥の
私のまぼろしのなかに来て

[注] comme un gout de sang正確には「血の味のようなもの」だが意訳した。
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