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2020
02.15

ラングドシャLes langues de chat

Jane Birkin Di doo


今回、ジェーン・バーキンJane Birkinの「ラングドシャLes langues de chat」です。作詞:セルジュ・ゲンズブールSerge Gainsbourg、作曲:ジャン=クロード・ヴァニエJean-Claude Vannier。1973年のアルバム:Di doo dahに収録されています。
langue de chat「ラングドシャ」は皆さんご存知のフランスのクッキー。薄くて細長くてザラザラしていて猫の舌みたいだから、chat「猫」の langue「舌」。歌詞にお菓子の名前がいっぱい出てきますが、ゲンズブールは、甘いお話の裏にエロティックな意味を含ませています。



Les langues de chat ラングドシャ
Jane Birkin       ジェーン・バーキン


{Refrain :}
Je cherche un p'tit papa gâ- 注1
Teau qui m'ferait des langues
de chat
Afin qu'mes nuits s'éclairent 注2
au chocolat

 私に「ラングドシャ」を作ってくれる
 お菓子みたいな(甘い)パパを私は探しているの
 私の夜がチョコレートで
 輝く(「エクレア」) ようにね

langue de chat 1
langue de chat


J'aimerais bien un p'tit biscuit 注3
Lu
Dans le courrier du 注4
Cœur de palmier qui devant moi 注5
serait baba 注6

 私は小さな「ケーキ」が好き
 心(ハート)の相談室のコラムで
 見たの
 「パルミエ」のハート型
 私の前にあるのは
 「ババ」だわ

palmier.jpg
palmier


{Refrain}

Je n'ai que faire d'un diplomate 注7
À galette, d'une pâte 注8
Brisée qui devant moi serait
baba

 私は「ディプロマット」(外交官)に用はないの
 「クレープ」用の練り生地はね、私の前の練り生地は
 「ババ」になるのよ

diplomate.jpg
diplomate


{Refrain}

Hier, j'avais un nègre en 注9
chemise
Un délice 注10
Antillais qui de mon amour
parfait se moqua 注11

 昨日、私は食べたの
 「チョコレートムース」(シャツを着た黒人)を
 「デリスアンティレ」(アンチル諸島の悦楽)を
 それは私の愛する人のことなんか
 まったく無視したわ

nègre en chemise
nègre en chemise


{Refrain}

Il faisait que m'balancer 注12
Des tartes, des gaufres, des 注13
beignets
J'en restais sur le flanc, 注14
j'étais baba

 彼は私に投げつけただけ
 タルト、ワッフル、
 ベニエを
 私は横向きのままで、
 ババみたいに転がっていたわ

baba.png
baba


{Refrain}

Je voudrais bien d'un puits d'a- 注15
Mour qui viendrait entre mes
bras
Et sous lequel je serais baba.

 私は「ピュイダムール」(愛の井戸)が欲しい
 それはまもなく私の
 腕のなかに
 そしてその(愛の井戸の)なかで私は「ババ」のようにとろけるわ。

puits damour
puits d'amour


[注] 自信のない部分も残るが、とりあえずはこれで精一杯。
1 papa gâteau「子どもに甘い父親」
2 éclair au chocolat「チョコレートエクレア」にかけている。
3 biscuit「ビスケット」のみならず、広くケーキ菓子類を意味する。
4 courrier「郵便物、手紙」
5 palmier「パルミエ」ヤシの葉の形または蝶の形をしたフランスのペストリー。cœur de palmierはここでは「パルミエ」のハート型の意味で、ブラジルとコスタリカでpalmito「パルミット」と呼ばれるcœur de palmierキャベツヤシの芽ではない。courrier du cœur「個人的な問題を扱う新聞セクション」とかけている。
6 baba=baba au rhum「ババ」フランスやイタリアの、ラム酒入りシロップに浸したレーズン入りイースト菓子。リング形のものはsavarin「サバラン」と呼ばれる。「ババ」はワインのコルク栓に似た形状から、baba bouchon「ババ・ブーション」とも呼ばれる。その形状は♂を暗示しているようだ。
7 n’avoir que faire de「…を必要としない」。diplomate「ディプロマット」果実の砂糖漬けを飾り、フルーツソースをかけた冷たいケーキ。「外交官」の意味も実際にかけている。
8 à galetteは続くpâte brisée「練りこみ生地、パイ生地」につなげてpâte à galette「クレープ生地」。
9 nègre en chemise「シャツを着た黒人」という意味の「チョコレートムース」の名称。
10 délice Antillais「デリスアンティレ」は「アンチル諸島の悦楽」という意味の名称のお菓子。→レシピhttps://www.cuisineaz.com/recettes/delice-antillais-41242.aspx
11 parfait「パフェ」。フランスの「パルフェ」は、卵黄に砂糖やホイップクリームを混ぜて、型につめて凍らせたアイスクリーム状の冷菓に、ソースや冷やした果物を添えて皿で供する。ここでは形容詞だが間投詞的に用いられている。se moquaはse moquerの単純過去形だが、parfait au café「コーヒーパフェ」ということでmoka「モカコーヒー」をかけているのか?あるいは単純過去および複合過去の完了形imparfait(parfait)を踏まえているのか?
12 balancerは「揺り動かす、釣り合いをとる」が本義。前節の彼女の状態に対する抗議の表現として「ほうり投げる、投げつける」の意味ととらえた。
tarte「タルト」練りこみ生地を円形の型に入れて焼き、果物・クリームを飾ったお菓子。gaufre「ワッフル」。beignet「ベニエ」生地を油で揚げたドーナツに似たペイストリー。
13 (se coucher) sur le flanc「横向きに(寝る)」
14 puits d'amour「ピュイダムール」中央が空洞、スグリのゼリーまたはラズベリージャムが詰めフランス菓子。直訳すると「愛の井戸」。




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