2014
11.27

あとには何もないIl n'y a plus d'après

Juliette Gréco Il ny a plus daprès


「あとには何もないIl n'y a plus d'après」は、サン=ジェルマン=デ=プレSaint-Germain-des-Présの様変わりを歌った歌。1960年にギイ・ベアールGuy Béart が作った曲で、歌っているのはジュリエット・グレコJuliette Gréco。「モンマルトルの丘La complainte de la butte」を歌ったコラ・ヴォケールCora Vaucaireが「サン=ジェルマン=デ=プレの白い貴婦人」と呼ばれていたのと対照的に、黒が彼女のシンボル・カラーです。

90歳のシャルル・アズナヴールCharles Aznavourも86歳のリーヌ・ルノーLine Renaudも現役。アンリ・サルヴァドールHenri Salvadorも90歳で亡くなるまで歌い続けていました。グレコは現87歳。今年も来日して歌ってくれました。シャンソン歌手は息が長いです。

彼女は、サルトルJean-Paul Sartreを始めとする実存主義者たちと親交や、彼女自身の生き方や歌に対する考え方のために実存主義的な歌手と評されます。ジャン・コクトーJean Cocteauの「オルフェOrphée」などに出演し、映画女優としても知られています。何度かの結婚暦のほかに、ジャズ・トランペッターのマイルス・デイビスMiles Davisと恋仲だったことがあり、セルジュ・ゲンズブールSerge Gainsbourgともつかの間の付き合いがあったようです。現在の夫はジャック・ブレルJacques Brelのピアニストだったジェラール・ジュアネストGérard Jouannestで、もう40年以上、彼女の伴奏を続けています。



この曲を作ったギ・ベアール自身がギターの弾き語りで歌っています。



アメリカの俳優のアンソニー・パーキンズAnthony Perkinsも歌っています。



Il n'y a plus d'après    あとには何もない
Juliette Gréco       ジュリエット・グレコ


Maintenant que tu vis
A l'autre bout d'Paris
Quand tu veux changer d'âge
Tu t'offres un long voyage
Tu viens me dire bonjour
Au coin d'la rue du Four 注1
Tu viens me visiter
A Saint-Germain-des-Prés 注2

  今、あなたは
  パリの向こうの端に住んでいるから
  歳を遡りたいと思ったら
  長い旅をしなきゃならないわ
  あなたは私にこんにちはを言いに
  デュフール通りの角までやって来る
  あなたは私を訪ねてくる
  サン=ジェルマン=デ=プレに

Il ny a plus daprès1


{Refrain:}
Il n'y a plus d'après
A Saint-Germain-des-Prés
Plus d'après-demain
Plus d'après-midi
Il n'y a qu'aujourd'hui
Quand je te reverrai
A Saint-Germain-des-Prés
Ce n'sera plus toi
Ce n'sera plus moi
Il n'y a plus d'autrefois

  あとには何もないわ
  サン=ジェルマン=デ=プレには
  明日以後もなく
  午後もなく
  今日しかない
  サン=ジェルマン=デ=プレで
  あなたがわたしに再会するときは
  もう昔のあなたじゃないし
  もう昔の私でもない
  昔のものは何もないわ

Tu me dis "Comme tout change ! "
Les rues te semblent étranges
Même les cafés-crème
N'ont plus le goût qu'tu aimes
C'est que tu es un autre 注3
C'est que je suis une autre
Nous sommes étrangers 注4
A Saint-Germain-des-Prés

  あなたは私に言う「なんという変わり様だ!」
  通りはあなたには見知らぬ通りのように見え
  カフェ・クレームだって
  あなたが好んでいた味じゃない
  それはあなたが別人になり
  私も別人になり
  私たちがよそ者になったってこと
  サン=ジェルマン=デ=プレでは

Il ny a plus daprès2


{Refrain}

A vivre au jour le jour
Le moindre des amours
Prenait dans ces ruelles
Des allures éternelles
Mais à la nuit la nuit 注4
C'était bientôt fini
Voici l'éternité
De Saint-Germain-des-Prés

  その日その日を生きていると
  恋のささいな一コマも
  永遠に続きそうなゆっくりした足どりで
  小路を辿っていたわ
  けれど夜がおとずれると
  それはもう終わってしまっている
  これがサン=ジェルマン=デ=プレの
  永遠というものなのよ

{Refrain}

[注]
1 la rue Dufourとする歌詞が多いが、通りの正式名を選択した。セーヌ川の南岸の第6区にある通り。
2 Saint-Germainは6世紀末にローマから来た聖人の名。des-Présのpréは牧草の生えた草地のこと。近くを意味するprèsとはアクサンが異なる。
3 男性が歌う場合は、tu es une autre / je suis un autreとなる。Nous sommes étrangersは、この街のよそ者になったという意味と、あなたと私が互いに見知らぬ人になったという2つの解釈が可能だが、前者を選択した。サンジェルマン・デ・プレが変わっただけでなく、自分たちも変わってしまったというところが、ニコレッタNicolettaの「想い出のサン=ジェルマン=デ=プレOù Es-tu passé mon Saint-Germain-des-Prés」との違い。
4 かつてそこで青春を送っていた時期が去ってしまった今を夜に譬えている。そして、Voici l'éternitéは反語的な表現。したがって、あとには何もないのである。




コメント
管理者にだけ表示を許可する
 
back-to-top