2014
08.23

ジョニー・ジェーンのバラードLa ballade de Johnny Jane

Jane Birkin La ballade de Johnny Jane


今回は、1976年にセルジュ・ゲンズブールSerge Gainsbourgが作ったジェーン・バーキンJane Birkinの「ジョニー・ジェーンのバラードLa ballade de Johnny Jane」です。この曲も10月23日の《ゲンズブールを歌う》で歌う方があるので取り上げます。歌詞に、この曲と同年にゲンズブールが作り、バーキンが主演した映画「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュJe t´aime moi non plus」のタイトルが出てきますが、そのストーリーが関連していて、映画での役柄であるジョニーJohnnyとジェーンJaneを合わせた題名なのです。相手役のジョー・ダレッサンドロJoe Dallesandroは自身バイセクシャルであることを公言していますが、映画でも、彼が演じるクラスキーという男は相棒の男性とホモ関係にありながら、バーキン演じるカフェで働く少年のような娘ジョニーとホモまがい(sodomie)の関係を持ちます。不毛な愛がテーマだと言ってもいい映画でしょう、バーキンの鋭い叫び声が印象的です。この歌詞では、傷ついた彼女をいたわり慰めるような意図が感じられます。



セルジュ・ゲンズブール



La ballade de Johnny Jane  ジョニー・ジェーンのバラード
Jane Birkin            ジェーン・バーキン


Hey Johnny Jane
Te souviens-tu du film de Gainsbourg Je t´aime
Je t´aime moi non plus un joli thème
Hey Johnny Jane
Toi qui traînes tes baskets et tes yeux candides 注1
Dans les no man´s land et les lieux sordides
Hey Johnny Jane
Les décharges publiques sont des atlantides
Que survolent les mouches cantharides
Hey Johnny Jane
Tous les camions à benne 注2
Viennent y déverser bien des peines infanticides

  ヘイ、ジョニー・ジェーン
  君は覚えているかい ゲンズブールの映画のジュテーム
  ジュテーム・モワ・ノン・プリュってステキなテーマ曲を
  ヘイ、ジョニー・ジェーン
  バスケットシューズをひきずり無邪気な目をした君
  不毛の地、汚染地域で
  ヘイ、ジョニー・ジェーン
  ゴミ捨て場はアトランティス大陸だ
  甲虫どもがその上空を飛ぶ
  ヘイ、ジョニー・ジェーン
  ダンプカーはみな
  そこに嬰児殺しの痛みをぶちまけにやって来る

Johnny Jane2-3


Hey Johnny Jane
Tu balades tes cheveux courts ton teint livide
À la recherche de ton amour suicide 注3
Hey Johnny Jane
Du souvenir veux-tu trancher la carotide
À coups de pieds dans les conserves vides
Oh Johnny Jane
Un autre camion à benne
Te transportera de bonheur en bonheur sous les cieux limpides

  ヘイ、ジョニー・ジェーン
  君は短い髪と青白い顔色を連れ歩く
  自滅した恋をまた探しに
  ヘイ、ジョニー・ジェーン
  記憶の頚動脈を君は切断したいのか
  空き缶を蹴っ飛ばして
  オー、ジョニー・ジェーン
  別のダンプカーが
  君を澄んだ空のもとでしあわせからしあわせへと運んで行ってくれるだろう

Hey Johnny Jane
Ne fais pas l´enfant ne sois pas si stupide
Regarde les choses en face sois lucide
Hey Johnny Jane
Efface tout ça, recommence, liquide
De ta mémoire ces brefs instants torrides
Hey Johnny Jane
Un autre camion à benne
Viendra te prendre pour t´emmener vers d´autres Florides

  ヘイ、ジョニー・ジェーン
  子供じみたことをしないでそんなにお馬鹿さんにならないで
  物事を正面から見てお利口になれよ
  ヘイ、ジョニー・ジェーン
  そんなことはすべて消し去れ、やり直せ、清算しろ
  君の記憶からこの短い焼け爛れた瞬間を
  ヘイ、ジョニー・ジェーン
  別のダンプカーが
  やって来てもう一つのフロリダへと運ぶために君を乗せるだろう

Johnny Jane3


Hey Johnny Jane
Toi qui traînes tes baskets et tes yeux candides
Dans les no man´s land et les lieux sordides
Hey Johnny Jane
Écrase d´un poing rageur ton œil humide
Le temps ronge l´amour comme l´acide

  ヘイ、ジョニー・ジェーン
  バスケットシューズをひきずり無邪気な目をした君
  不毛の地、汚染地域で
  ヘイ、ジョニー・ジェーン
  怒りを込めたこぶしで君の涙で潤んだ目を押しつぶせ
  時は酸のように愛を浸食する

[注]
1 バーキンはバスケットを持ち歩くスタイルがトレードマークであり、英国人なので、これは英語のbasketだと考えていた。googleでbaskets Jane Birkinで画像検索すると、バスケットを持ったバーキンばかり出てくる。だがコメントをいただいて、動画でバスケットシューズを履いたままの映画のsexシーンを見て考え直した。歌詞はバーキン自身のことではなく、映画の登場人物を描いたものであるから訂正した。ゲンズブールのことだから、かけているのかもしれないが。
2 camions à benne「ダンプカー」。映画では、ダレッサンドロ演じるクラスキーは廃棄物処理の仕事をしていて、ダンプカーでゴミをゴミ捨て場に落とすシーンがある。
3 suicideは名詞で先行のamourと同格。


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コメント
toi qui traînes tes baskets というのは バスケットシューズ(運動靴)を履いている君という意味(靴は二つで一足のため複数形になっている)で、いわゆるカゴのバスケットではないと思います。
フランス語では、いわゆるカゴのバスケットはpanier(パニエ)という単語を使います。
ちいおdot 2015.09.24 19:51 | 編集
ありがとうございます。確かに、フランス語の辞書ではそのようです。panierは、バルバラの「競売場(貴婦人) Drouot」http://chantefable2.blog.fc2.com/blog-entry-101.htmlに出てきましたので存じております。
でも、バーキンは英国人で、この記事の注に書きましたようにバスケットを持つ姿がトレードマークです。baskets Jane Birkinでgoogleで画像検索すると、バスケットを持つ姿の画像ばかり出てきます。複数であることは、何種類も持っているのかなと。…ということで、英語のbasketだと解釈いたしました。私の思い込みかもしれませんが、決めかねますので今のところは訂正しないままでお許しください。
朝倉ノニーdot 2015.09.24 20:32 | 編集
その後、映画のYouTube動画を見たりして、注の欄に書いたとおり考え直して記事を訂正いたしました。私の思い込みだったようです。ありがとうございました。
朝倉ノニーdot 2015.09.25 09:00 | 編集
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