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2017
11.25

一人ぼっちのタンゴTout seul

Enrico Macias Tout seul


エンリコ・マシアスEnrico Maciasの「一人ぼっちのタンゴTout seul」1966年。作詞:ジャン・ペイネJean Peigné、作曲:エンリコ・マシアス。原題は単に「一人ぼっち」という意味ですが、歌いたくなるようなステキなタンゴなので「一人ぼっちのタンゴ」という邦題は気に入りました。「僕はもうけっして一人ぼっちじゃない、君がいるから」といった表現が歌詞にありますが、実はこれは過去のこと。現在はほんとに「一人ぼっち」です。
歌会《アミカル・サロン》では、皆さん、フランス語で歌われ、その前に曲内容に関してちょっとコメントされることがあります。時々、意外なことを言われて、思わず自分の訳を見直したりしますが、いえもう、どっちが正しいじゃなくて、そう思って歌うほうが勝ちかも。確かに、ちょっとした解釈の違いで、意味内容が正反対になることもありますしね。先日はこの曲をちゃんと「失恋の歌」だと言って歌われた方がいらしてうれしくなりましたのでさっそく取り上げることにいたしました。



Tout seul    一人ぼっちのタンゴ
Enrico Macias エンリコ・マシアス


Lorsque tombe la nuit
Qu’il faut rentrer tout seul avec l’ennui
Et retrouver chez soi
Un lit trop grand, quatre murs gris sans joie
À voir les autres s’en aller heureux
Et se quitter en nous disant adieu
On a des larmes plein les yeux

 夜になれば
 一人ぼっちで憂鬱を抱えて帰路につき
 自分のねぐらに戻らなきゃならない
 あまりにも大きいベッド、おもしろくもない灰色の四方の壁
 ほかのやつらがしあわせそうにして
 僕らにさよならしながら去っていくのをみて
 僕らの目には涙が溢れる

{Refrain:}
Mais jamais plus je ne serai tout seul
Car tu es là, tu es à moi tout seul
Je t’attendais, tu es venue un jour
Et ce fut toi mon grand amour 注1
Non, jamais plus je ne serai tout seul
Car tu es là, tu es à moi tout seul
Jusqu’à la fin sur le même chemin
Cœur contre cœur, main dans la main

 だが僕はもうけっして一人ぼっちじゃない
 だって君がいるから、君は僕一人だけのものだ
 僕は君を待っていた、君はある日やって来た
 そして僕の大いなる愛は君だった
 いや、僕はもうけっして一人ぼっちじゃない
 だって君がいるから、君は僕一人だけのものだ
 胸と胸を寄せ合い、手をつなぎ合って
 最後まで同じ道をと

Tout seul1


La nuit fait des promesses
Aux mal-aimés qui manquent de tendresse 注2
Alors, ils vont mendier
Un peu de joie, d’amour et de pitié
Quelques sourires, deux ou trois mots fanés
Une aventure qui ne fait pas rêver 注3
Le jour se lève, rien n’est changé

 愛されていない人たち、愛情を欠いた人たちに
 夜は約束してくれる
 そして、彼らは乞い求めようとする
 わずかな喜びと、わずかな愛とわずかな哀れみを
 いくばくかの微笑みと、色褪せた2、3の言葉のなかで
 夢など見させておかない出来事があり
 夜が明けると、何も変わってはいないのだ

{au Refrain}

Il y a tous les soirs
Des gens qui se retrouvent dans le noir
Et qui n’ont pas l’espoir
Qu’on vienne gentiment leur dire bonsoir
À vivre ainsi, on vit souvent pour rien
En se disant : Ça ira mieux demain
Et l’on s’endort sur ses chagrins

 夜毎
 暗がりの中で出会う人たちがいる
 そして彼らは、「こんばんは」と優しく声を掛けてもらう
 望みなど持っていない
 このように生き、ひとは時には空しく生きる
 「明日はもっとマシになるさ」と言い合いながら
 そして悲しみを抱えて眠りにつく

Non, jamais plus je ne serai tout seul
Car tu es là, tu es à moi tout seul
Je t’attendais, tu es venue un jour
Et ce fut toi mon grand amour

 いや、僕はもうけっして一人ぼっちじゃない
 だって君がいるから、君は僕一人だけのものだ
 僕は君を待っていた、君はある日やって来た
 そして僕の大いなる愛は君だった

Tout seul3


[注]
1君がやって来たと複合過去で言ったのち、君の存在を単純過去で表現していることで、「君がいるから自分はもう一人ぼっちじゃない」というのが過去の回想であったことが分かる。
2 manquer de tendresseは「優しさを欠く」と訳すと、「意地が悪い、非情な」というニュアンスになるが、mal-aimés「愛されない」と合わせて、「人を愛するという気持ちを忘れてしまった」くらいの意味だろう。
3 une aventureは、夜が約束してくれるわずかな「夢」など見させない実際の出来事、つまりは「失恋」で、それはquelques sourires, deux ou trois mots fanés「いくばくかの微笑みと、色褪せた2、3の言葉」を伴って起こった。




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