2017
08.11

この子Cet enfant-là

Barbara seule


バルバラBarbaraの「この子Cet enfant-là」という美しい曲は、「ウィーンVienne」「ア・ペーヌÀ peine」と同様、ロラン・ロマネッリRoland Romanelliが作曲。1981年のアルバム「孤独と夜の中でSeule」に収録されています。このアルバムは日本でも発売されていますので、この曲も邦題が付いているでしょうが、原題を直訳して「この子」といたします。

「この子」は、自分の子ではなく、相手の男性とその恋人か妻のあいだにできた子。状況はよく分かりませんが、その子を受け入れて愛する心情を語っています。



イザベル・ヴァジュラIsabelle Vajraとマチュー・ロザスMathieu Rosazのデュオ



Cet enfant-là この子
Barbara     バルバラ


Cet enfant-là,
Cet enfant-là
Te ressemble, te ressemble.
Il a de toi 注1
Je ne sais quoi:
Le sourire
Ou peut-être,
Quand il marche,
Ta démarche.
Il hésite et s'avance.
Cet enfant-là
Te ressemble
Et j'en tremble.

 この子、
 この子は
 あなたに似ている、あなたに似ている
 彼はあなたにそっくり
 なんだか分からないけど:
 そのほほえみ
 あるいはたぶん、
 歩くときは、
 あなたの歩き方。
 彼はためらってから進む。
 この子は
 あなたに似ている
 私はそのことで心が震える。

Cet enfant-là1


Cet enfant-là,
Tu t'en souviens,
Tu le voulais.
Tu m'en parlais
Et, merveille des merveilles,
Je riais de t'entendre.
Tu me disais:
" Comme je voudrais,
Qu'il te ressemble,
Te ressemble.
Moi je voulais
Que cet enfant
Te ressemble. "

 この子、
 あなたは覚えているかしら、
 あなたはそれを望んでいた。
 あなたはそのことを私に話した
 そして、
 あなたの言うことを聞いて私は笑った。
 あなたは私に言った
 「その子が、
 君に似て、
 君に似て欲しいから。
 僕はね望んでいたんだよ
 その子が
 君に似ていることをね。」

Tu voulais qu'un jour, il soit avocat ou bien médecin.
Nous nous disputions déjà l'avenir
D'un enfant qui n'était pas encore là.
Moi, je voulais qu'il soit berger, jardinier
Ou bien musicien.
Je l'imaginais déjà, tout petit,
Un immense piano au bout de ses doigts.
Il aura des poissons d'or, des jardins de sable
Et de grands voiliers blancs,
Des oiseaux de feu, des îles enchantées,
Des étoiles filantes au fond de ses yeux.
Il ne connaitra que l'ogre gentil
Qui jamais n'a dévoré les enfants.
Mon enfant dieu, mon enfant prince, mon enfant roi,
Mon enfant merveilleux, mon enfant rien qu'à moi,
Nous lui tournions des manèges sous la neige,
Nous lui bâtissions des châteaux en Norvège, en Norvège

 あなたは彼がいつか、弁護士かあるいは医者になることを望んだ。
 私たちはもう未来のことを論議していた
 まだいない子どものことを。
 私は、その子が羊飼いに、庭師に
 あるいはミュージシャンになるよう望んだ。
 私はもう想像していた、とても小さい子が、
 指先で巨大なピアノに向かっているのを。
 彼は得ることだろう、金の魚を、砂の庭園を
 そして大きな白いヨットを、
 火の鳥を、魔法の島を、
 流れ星を瞳の奥に。
 けっして子どもたちを食べない
 優しい人食い鬼しか彼は知らない。
 神のような私の子、王子のような私の子、王のような私の子、
 すばらしい私の子、私だけの私の子、
 私たちは彼のために雪の上でメリーゴ-ラウンドを回した、
 私たちは彼のためにノルウェーに城を建てた、ノルウェーに

Cet enfant-là2


Mais cet enfant-là,
Cet enfant-là
Lui ressemble.
Il a d'elle
Je ne sais quoi:
Le sourire
Ou peut-être,
Quand elle marche,
Sa démarche
Et sa grâce,
Ma disgrâce.
Cet enfant-là
N'a rien de moi 注2
Mais vous ressemble.

 でもこの子は、
 この子は
 彼女に似ている。
 彼は彼女にそっくり
 なんだか分からないけど:
 そのほほえみ
 あるいはたぶん、
 歩くときは、
 彼女の歩き方。
 そして彼女の器量のよさ、
 私の不器量。
 この子は
 私とはまるで似ていない
 でもあなた方に似ている。

Cet enfant-là,
Cet enfant-là
Te regarde,
Me regarde.
Il s'étonne,
Il s'inquiète
Et, timide, il s'avance.
Cet enfant-là
Me tend les bras
Et je l'aime.
Cet enfant-là
N'a rien de moi, mais te ressemble,
Ressemble, ressemble

 この子は、
 この子は
 あなたを見る、
 私を見る。
 彼は動揺する、
 彼は不安になる
 そして、おずおずと、彼は進む。
 この子は
 私に両腕を差し伸べる
 そして私は彼を愛する。
 この子は
 私とはまるで似ていない、でもあなたに似ている、
 似ている、似ている

[注]
1 avoir de qn.= ressembler à qn.「…に似ている」
2 n'avoir rien de...「似ても似つかない、…らしいところがない」



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