
リクエストをいただいたのでこの曲を取り上げます。ミッシェル・ベルジェMichel Bergerが作り、フランス・ギャルFrance Gallが創唱(1981年のアルバム:Tout pour la musique)した「ディエゴ、心は自由Diego, libre dans sa tête」です。ベルジェ自身も歌い(1983年のアルバム:Voyou)、その後、ジョニー・アリディJohnny Hallyday(1990年)、ヴェロニク・サンソンVéronique Sanson、ノルウェン・ルロワNolwenn Leroyも歌っています。
ディエゴDiegoとはメキシコ壁画運動の中心的人物であったディエゴ・リベラDiego Rivera(1886年-1957年)のことだという情報もありますが、彼は投獄されたことはないようですし、独裁政治によって発言を封じられ投獄された中南米の活動家の代名詞ということのようです。
1984年にフランス・ギャルは、シャン・ゼリゼChamps-Élyséesというテレビのヴァラエティ番組で、アルゼンチンのピアニスト、ミゲル・アンヘル・エストレージャMiguel Ángel Estrellaの前でこれを歌いました。彼は、1976年に亡命生活に入り、1977年にはウルグアイ軍事政権により投獄され拷問を受け、1980年に解放されました。ダニエル・バラヴォワーヌDaniel Balavoineは1983年にFrappe avec ta têteという曲を彼に捧げています。
フランス・ギャルFrance Gall
ミッシェル・ベルジェMichel Berger
ジョニー・アリディJohnny Hallyday
Diego, libre dans sa tête ディエゴ、心は自由
France Gall フランス・ギャル
Derrière des barreaux
Pour quelques mots
Qu'il pensait si fort
Dehors il fait chaud
Des milliers d'oiseaux
S'envolent sans effort
心に強く思った
いくつかの言葉のために
彼は鉄格子のなか
外は暑い
無数の鳥が
ゆうゆうと飛び立つ

Quel est ce pays
Où frappe la nuit
La loi du plus fort ? 注
夜に
強者の支配を課す
この国はいったい何だ?
Diego, libre dans sa tête
Derrière sa fenêtre
S'endort peut-etre...
ディエゴ、心は自由だ
窓の後ろで
たぶん眠っている…

Et moi qui danse ma vie
Qui chante et qui rit
Je pense à lui
そして人生を踊って暮らし
歌ったり笑ったりしている僕は
彼のことを思う
Diego, libre dans sa tête
Derrière sa fenêtre
Déjà mort peut-être...
ディエゴ、心は自由だ
窓の後ろで
たぶん死んでいる…

[注] la loi du plus fort「強者(勝者)の支配」
Comment:2
コメント
解説を先に読むべきでした。ミッシェル・ベルジュの
作とはビックリ。それに、アリディの持ち歌かと思って
いましたが、ギャルの方が先ということでまたビックリ
でした。 ギャルの歌を聴き心の底から搾りだすように
訴えかけてくるのは、ギャルらしい表現方法だなと
思いました。それに対して、ルロワは人生劇の劇画
が見ているような表現方法で対照的な歌い方だと思い
ました。ギャルが早く歌っていたとは勉強になりました。
作とはビックリ。それに、アリディの持ち歌かと思って
いましたが、ギャルの方が先ということでまたビックリ
でした。 ギャルの歌を聴き心の底から搾りだすように
訴えかけてくるのは、ギャルらしい表現方法だなと
思いました。それに対して、ルロワは人生劇の劇画
が見ているような表現方法で対照的な歌い方だと思い
ました。ギャルが早く歌っていたとは勉強になりました。
kutinashi
2017.08.05 18:09 | 編集

ありがとうございました。フランス・ギャルのディエゴ
も素敵でした。自分の心の内側を歌っているようで、じっくりと聞かせてもらいました。こちらも、考えさせらるように訴えかけてきます。ルロワとアリディは、
人生劇というのかな?ひとつのストーリーを描き出して
いるようで、打ち呑められます。詞の内容はフランスらしい比喩がなんとも言えない哲学を含んでいるようで、なかなか意味心です。ありがとうございました。
も素敵でした。自分の心の内側を歌っているようで、じっくりと聞かせてもらいました。こちらも、考えさせらるように訴えかけてきます。ルロワとアリディは、
人生劇というのかな?ひとつのストーリーを描き出して
いるようで、打ち呑められます。詞の内容はフランスらしい比喩がなんとも言えない哲学を含んでいるようで、なかなか意味心です。ありがとうございました。
kutinashi
2017.08.05 17:45 | 編集
