
「アンチェインド・メロディー Unchained melody」は、1955年の映画「アンチェインドUnchained」(日本未公開)の主題曲として、アレックス・ノースAlex Northが作曲、ハイ・ザレット Hy Zaretが作詞、トッド・ダンカンTodd Duncanが歌った曲です。映画は、刑務所から逃走して妻や家族の下に戻ることを考える男性の物語ですが、歌詞は、「鎖につながれたunchained」といった状況に限らず、長い間会えない恋人への愛を語る内容です。
その後、多くの歌手が歌いましたが、1965年のアメリカのライチャス・ブラザーズRighteous Brothers Unchained melodyというデュオ(正確にはボビー・ハットフィールド Bobby Hatfieldのソロ)のヴァージョンが1990年のアメリカ映画「ゴースト/ニューヨークの幻Ghost」の主題曲として使用され、この曲は「ゴーストGhost」とも呼ばれるようになりました。
この曲を「嘆きのサンフォニーSans toi je suis seul」を先にご紹介したクリスチャン・ドラグランジュChristian Delagrangeが1993年に「ひとり生きるVivre seul」というタイトルでフランス語で歌っています。アルバム:Les Mots d'angeに収録。フランス語翻案はシンガー・ソングライターであるドラグランジュ自身によるものと思われます。英語の歌詞内容をある程度踏まえていますが、映画「ゴースト」のあとで作られたので、その内容に関連付けているのでしょう。語句のつながりが分かりにくく、私としてはちょっと厄介な歌詞でした。
Vivre seul ひとり生きる(ゴースト)
Christian Delagrange クリスチャン・ドラグランジュ
Ooooh, toi seule peux garder
Avant qu'le vent ne pousse
Ailleurs, nos pensées
Trop tard, trop tard 注1
Endormi, l'espoir que l'on se touche
Encore, une fois
Vivre seul, aaah, vivre seul
Comme l'amour seul nous poursuit
オーーーー、君だけが保つことができる
僕たちの思いを、ほかのところへ
風が押しやるまえに
遅すぎた、遅すぎた
眠りつつ、また、もう一度
僕たちが触れ合うという希望
ひとり生きる、あーー、ひとり生きる
愛がひとりで僕たちについて来てくれるように

La vie nous sépare, je le sais, tu le sais
Tout n'est qu'une histoire que l'on vit eeeh
Le temps nous prépare à l'oubli, à l'ennui
Les yeux dans le noir infini
人生は僕たちを引き裂く、僕は分かっている、君も分かっている
すべては僕たちが見る物語にすぎない エーーー
時は僕たちを引き裂き、忘却を、倦怠を用意する
目は永遠の暗黒を見る
Ooooh, moi seul pour graver
Ton image à l'image des étoiles 注2
Et changer, c'qui fait mal
オーーーー、僕はひとり
君の顔を星に似せて彫る
そして変える、辛い気持ちにさせるものを

Trop tard, eh, c'trop tard
Pour sauver, c'qui reste encore de fou
En nous, je crois
Aaaaah ouiiii, si pour toi
A croire encore à toi
Comme une étoile luit
Pour toi
遅すぎた、ああ、遅すぎた
僕たちに残っているはずの
熱いものを救うには、
アーーーーそうだよ もし君のために
君をまだ信じるならば
君のために
輝く星のように
[注]
1 trop tard「遅すぎる」は「手遅れだ」という意味合いで、映画のストーリーで、「僕がもう死んでしまっている」ということを言っているのだろう。
2 à l'image de qn.「…に似せて」
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