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2022
05.18

ヴォワラ(これが私)Voilà

Barbara Pravi Voilà


シンガー・ソングライターのバルバラ・プラヴィBarbara Praviは1993年生まれで、父方の祖父はセルビア人で、母方の祖父はイラン人。2021年にロッテルダムで開催されたユーロビジョン・コンクールEurovision 2021に「ヴォワラ(これが私)Voilà」という曲でフランス代表として出場し、ファイナルでイタリアに継ぐ第2位を獲得しました。その曲をご紹介しましょう。
作詞:リリ・ポーLili Poe &バルバラ・プラヴィBarbara Pravi、作曲:エロディ・フィルールElodie Filleul , ジェレミー・アルカシュJérémie Arcache。2020年にシングルリリース。



Voilà       ヴォワラ(これが私)
Barbara Pravi  バルバラ・プラヴィ


Écoutez-moi, moi la chanteuse à demi
Parlez de moi, à vos amours, à vos amis
Parlez leur de cette fille aux yeux noirs et de son rêve fou
Moi c'que j'veux c'est écrire des histoires qui arrivent jusqu'à vous
C'est tout

 私の言うことを聞いて、ハーフの歌手の私の 
 私について、あなたの恋人に、あなたの友達に話して
 この黒い目の女の子とその狂った夢についてその人たちに話して
 私が望むこと、それはあなたに届く物語を書くこと
 それだけよ

Voilà, voilà, voilà, voilà qui je suis
Me voilà même si mise à nue j'ai peur, oui
Me voilà dans le bruit et dans le silence

 これが、これが、これが、これが私よ
 すっ裸にされて怖くても、これが私なの、そうよ
 喧騒のなかでも、静寂のなかでも これが私なの

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Regardez moi, ou du moins ce qu'il en reste
Regardez moi, avant que je me déteste
Quoi vous dire, que les lèvres d'une autre ne vous diront pas
C'est peu de chose mais moi tout ce que j'ai, je le dépose là
Voilà

 私を見て、少なくともその痕跡を
 私を見て、私が自分がイヤになる前に
 あなたに言うこと、他の人の唇があなたに言わないこと
 それはほんのわずかだけれど、私が持っているものはぜんぶ、ここに出すわ
 ほら

Voilà, voilà, voilà, voilà qui je suis
Me voilà même si mise à nue c'est fini
C'est ma gueule c'est mon cri, me voilà tant pis
Voilà, voilà, voilà, voilà juste ici
Moi mon rêve mon envie, comme j'en crève, comme j'en ris
Me voilà dans le bruit et dans le silence

 これが、これが、これが、これが私よ
 これが私よ、たとえすっ裸にされても、それまでのこと
 それは私の顔、それは私の叫び、これが私よしょうがないわ
 ここに、ここに、ここに、ここに、まさにここにあるわ
 私、私の夢、私の欲望、私が死にかけているように、私が笑っているように。
 喧騒のなかでも、静寂のなかでも これが私なの

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Ne partez pas, j'vous en supplie restez longtemps
Ça m'sauvera p't'être pas, non
Mais faire sans vous j'sais pas comment
Aimez moi comme on aime un ami qui s'en va pour toujours
J'veux qu'on m'aime, parce que moi je sais pas bien aimer mes contours

 行かないで、ずっと居てちょうだい
 それは私を救ってくれないかもしれない、そうよ
 でも、あなたなしでは、私はどうしていいか分からない
 永遠に去った友人を愛するように私を愛して
 愛してもらいたい、なぜなら、私はね、自分のルックスを好きになれないから

Voilà, voilà, voilà, voilà qui je suis
Me voilà même si mise à nue c'est fini
Me voilà dans le bruit et dans la fureur aussi
Regardez moi enfin et mes yeux et mes mains
Tout c'que j'ai est ici, c'est ma gueule c'est mon cri
Me voilà, me voilà, me voilà
Voilà, voilà, voilà, voilà....la la la la...

 これが、これが、これが、これが私よ
 これが私よ、たとえすっ裸にされても、それまでのこと
 喧騒のなかでも、狂乱のなかでも これが私なの
 私を見て、私の両目と私の両手を
 私のすべてがここにある、それは私の顔、それは私の叫び
 これが私、これが私、これが私
 これが、これが、これが、これが…ラ ラ ラ ラ…

Voilà

 これが

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2022
05.09

第9回《東京シャンソンコンクール》入賞者

5月8日に開催された第9回《東京シャンソンコンクール》の入賞者を発表いたします。

[フランス語部門]
*グランプリ*

文舒 En chantant 歌とともに 東京都
*準グランプリ*
MONA SHIMA  Le dernier cabaret ラスト・キャバレ  沖縄県
*プルミエプリ*
あべ晴子  Nantes ナントに雨が降る  京都府
竹崎清彦  Madeleine マドレーヌ  東京都
モンデンモモ  Lettre à France フランスへの手紙   東京都
優姫  La chance aux chansons シャンソンにチャンスを  神奈川県

[日本語部門]
*グランプリ*

松岡みほ  リヨン駅 Gare de Lyon  兵庫県
*準グランプリ*
今井ともみ  インシャラー Inch'Allah  千葉県
トニー竹内  お便りを下さい Écris-moi  東京都
*歌唱賞*
薫きく美  キ Qui?  大阪府
川西玲子  オルガ Olga  福岡県
ジャッキー・ヤン  雪が降る Tombe la neige  宮城県
堀江順子  赤いポスター L'affiche rouge  宮城県
宮内栄子  もしもあなたに逢えずにいたら Que serais-je sans toi  福島県
やなせ美保  五月のパリが好き J'aime Paris au mois de mai  福岡県

そして、本選出場者全員に奨励賞が贈られました。


ご出演の皆様、伴奏者の方々お疲れさまでした。客席にて応援下さった皆様、運営を支えて下さったスタッフの方々、ありがとうございました。
来年度の第10回《東京シャンソンコンクール》は5月14日(日)に内幸町ホールで開催されることになりました。予備審査のお申し込みは3月一杯です。新たなチャレンジをお待ちしております。




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2022
05.08

第9回《東京シャンソンコンクール》本選出場者

4月5日に予備審査会が開かれ、本選出場者が決まりましたので発表いたします。当コンクールはレベルが高いという定評を得ておりますが、今回は新規出場者も多く、さらに鑑賞価値のあるコンクールとなりそうです。

鑑賞チケットのお申し込みは、メール:chansontokyo*gmail.com(の*を@に変えて)または℡:042-363-2213 / 080-6560-4655まで、お名前と枚数をご連絡ください。当日、受付にお名前を書いた封筒に入れてご用意いたします。代金はお名前を書いた封筒に入れてお持ちください。

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フランス語部門19名
あべ晴子  Nantes ナントに雨が降る  京都府
イリス  Là où je suis née わたしの生まれたところ  東京都
Violette  Les parfums d'autrefois 古き香り  東京都
Oella  Il n'y a plus d'après あとには何もない  埼玉県
蒲沢しげ子  Le temps des cerises 桜んぼの実る頃  東京都
小松久子  Les feuilles mortes 枯葉  北海道
彩月まり  Il'est mort le soleil 太陽は死んだ  千葉県
首藤マキ  L’important c'est la rose バラはあこがれ   東京都
竹崎清彦  Madeleine マドレーヌ  東京都
田辺元子  Il me dit que je suis belle はかない愛だとしても  東京都
土屋悦子  Je t'aime ジュテーム  東京都
富沢恵  L'homme et l'enfant おじさんと子ども  神奈川県
文舒 En chantan 歌とともに 東京都
前野武司  Hier encore 帰り来ぬ青春  北海道
三科清一郎  Tous les bateaux, tous les oiseaux 渚の想い出  東京都
水澤三津男  La maison est en ruine 哀しみの終わりに  東京都
MONA SHIMA  Le dernier cabaret ラスト・キャバレ  沖縄県
モンデンモモ  Lettre à France フランスへの手紙   東京都
優姫  La chance aux chansons シャンソンにチャンスを  神奈川県

日本語部門 32名
青山凉子  おお我が人生Ô toi! la vie  福島県 
アマティー尼子たか子  黒い鷲 L’aigle noir  東京都
井戸久夫  愛は君のよう L'amour te ressemble  兵庫県
今井ともみ  インシャラー Inch'Allah  千葉県
太田倫代  ミモザの島 L'île aux mimosas  三重県
大西千夏  私の神様 Mon Dieu  岡山県
大原みゆき 死に憧れて À mourir pour mourir 広島県
小日向恵子  街角のアヴェマリア Petit avé pour Ray  神奈川県 
薫きく美  キ Qui?  大阪府  
川西玲子  オルガ Olga  福岡県
Kiyomi  愛は君のよう L'amour te ressemble  兵庫県
熊谷道子  孤独 La solitude  千葉県
小嶋繁樹  ジュテーム Je t'aime  兵庫県
小松田允  愛のために死す Mourir d'aimer  秋田県
近藤陽子  それが貴方なら Si tu etais  兵庫県
今野洋子  オルガ Olga  宮城県
ジャッキー・ヤン  雪が降る Tombe la neige  宮城県
TAMAO  聞かせてよ愛の言葉を Parlez-moi d'amour  東京都
トニー竹内  お便りを下さい Écris-moi  東京都
東田志保子  初日の夜 Soir de première  宮城県
藤田優子  それが貴方なら Si tu etais  兵庫県
降矢和子  私の神様 Mon Dieu  東京都
堀江順子  赤いポスター L'affiche rouge  宮城県
堀越みさこ  灰色の途 Je suis malade  愛知県
松岡みほ  リヨン駅 Gare de Lyon  兵庫県
三村陽子  そして今は Et maintenant  岩手県
宮内栄子  もしもあなたに逢えずにいたら Que serais-je sans toi  福島県
やなせ美保  五月のパリが好き J'aime Paris au mois de mai  福岡県
山城サマンサ恵  愛の讃歌 Hymne à l'amour  東京都
よし恵  子供の頃 Mon enfance  東京都
米山忠  我が心の赤い風船 Les ballons rouges  群馬県
Le rêve  すみれの花咲く頃 Quand refleuriront les lilas blanc  宮城県


※上記フライヤーの内容は予備審査会直後のデータに基づきます。その後の出場者名・曲名等の変更はこのページに逐次反映いたします。




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2022
05.08

第9回《東京シャンソンコンクール》

第9回《東京シャンソンコンクール》を2022年5月8日に開催します。ご応募受付は3月一杯(消印有効)で、すでに終了いたしました。
4月5日に予備審査会が開かれ、本選出場者が決定し、7日に応募者各位への通知を郵送いたしました。10日に第9回《東京シャンソンコンクール》本選出場者のページで発表いたしました。

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2022
05.07

誰?Qui?

Charles Aznavour Qui


今回はシャルル・アズナヴールCharles Aznavourが作詞・作曲し歌っている「誰?Qui?」という曲です。1963年の同名のアルバムに収録されています。恋人の新たな相手となるであろう見知らぬ男に対する嫉妬を綿々と綴る歌詞です。ま、けっこうネチネチした内容ながら、さすがアズナヴール、音楽的にはとてもおしゃれな曲です。バックのオーケストラの指揮はポール・モーリアPaul Mauriat。



Qui ?         誰?
Charles Aznavour  シャルル・アズナヴール


Qui frôlera tes lèvres
Et vibrant de fièvre
Surprenant ton corps
Deviendra ton maître
En y faisant naître
Un nouveau bien-être
Un autre bonheur ?

 誰が、君の唇に触れるのか
 そして熱気で震え
 君の体を捕らえ
 君の支配者になるのか
 そこであらたな満足を
 別の幸せを
 生み出して?

Qui prendra la relève
Pour combler tes rêves
Et sans un remords
D'un éclat de rire
Saura te conduire
À mieux me détruire
Au fond de ton cœur ?

 誰が、引き継ぐのか
 君の夢を実現せんと
 そして後悔もなく
 破顔のうちに
 君を導く方法を知っているのか
 君の心の奥で
 僕をさらに滅ぼさんと?

Qui peut être cet autre
Qui sera cet intrus ?
Dans tout ce qui fut nôtre
Quand je ne serais plus ?

 この別の男はいったい誰なのだろうか
 侵入してくるそいつは誰なのか?
 僕たちのものだったすべてのなかに
 僕がもう知り得ないだろう時に?

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Qui prendra ta faiblesse
Avec des caresses
Et des mots d'amour
Et couvrant d'oubli
Nos jours de folies ?
Qui prendra ta vie
Au bout de mes jours ?

 誰が、君のか弱さを捉えるのか
 抱擁と
 そして愛の言葉によって
 そして僕たちの狂おしい日々を
 忘却で覆って?
 誰が、君のいのちを捉えるのか
 僕の日々の果てに?

Nous vivons à vingt ans d´écart
Notre amour est démesuré
Et j´ai le cœur au désespoir
Pour ces années
Car lorsque mes yeux seront clos
D'autres yeux vont te contempler
Aussi je lutte avec ce mot 
De ma pensée

 僕たちは無軌道な青春を生きる
 僕たちの愛は途方もない
 そして僕は虚しい心をいだく
 この年月に対して
 なぜなら僕の目が閉ざされるだろうときに
 ほかの目が君を見つめようとするから
 だから僕は脳裏に浮かぶ
 この言葉とあらがう

Qui sans que tu protestes
Refera les gestes
Qui ne sont qu´à nous
Lorsque je t'embrasse
Lorsque je t'enlace
Qui prendra ma place
Autour de ton cou ?

 誰が、君に拒まれることなく
 僕たちだけの
 同じしぐさを引き継ぐのか
 僕が君にキスするときの
 僕が君を抱きしめるときの
 誰が、君のうなじの傍らの
 僕の場所を奪うのか?

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Qui connaîtra tes scènes
De folie soudaine
Ou bien de courroux ?
Qui aura la chance
D'avoir ta présence
Souvent quand j'y pense
Je deviens jaloux

 誰が、君の突然の狂気の
 あるいは怒りの
 場面を知るのだろう?
 誰が、君と関係する
 チャンスを得るのだろう
 それを考えるときしばしば
 僕は嫉妬にとらわれる

Qui ? nul ne peut le dire
Qui ? nous n'en savons rien
Et mon cœur se déchire
En pensant que quelqu'un
Te prendra un je t'aime
Et par ce je t'aime
Je le sais déjà

 誰なのか? 何びともそれを言えない
 誰なのか? 僕たちはそれについて何も分からない
 そして僕の心は張り裂ける
 誰かが君からジュテームを得る
 と思うと
 なぜならこのジュテーム
 僕はすでにそれを知っているから

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Il prendra ta bouche
Il prendra ta couche
Et m'enterrera
Pour la seconde fois

 彼は君の唇を奪う
 彼は君のしとねを奪う
 そして僕を葬るだろう
 またもう一度

[注] ce mot「この言葉」とは、次の節の頭にあるqui「誰(が)」であろう。歌詞中に繰り返され、タイトルでもある。



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2022
05.03

オルガOlga

Juliette Gréco à Bobino


シャルル・アズナヴールCharles Aznavourが作詞し、ジュリエット・グレコ Juliette Gréco が歌った曲として、「日曜日はきらいJe hais les dimanches」を以前取り上げましたが、シャルル・アズナヴールCharles Aznavourが作曲し、ジュリエット・グレコ Juliette Gréco が歌った曲もあります。「オルガOlga」です。作詞はアズナヴールとコラボを組んで数多くの作詞をしたジャック・プラントJacques Plante。1964年のライヴアルバム: Juliette Gréco à Bobinoに収録されています。
オルガOlgaはかつては大舞台に立つ歌手だったけれど、今は落ちぶれて橋の下をねぐらとし地下鉄の鉄柵の前で物乞いをしバーのマスターに食べ物を施される女乞食。「青色のジャヴァLa java bleue」でご紹介したフレエルFréhelが映画「望郷Pépé le Moko」で演じた歌手タニアを、ひいてはフレエル自身の姿を彷彿とさせるお話です。いえ、タニアもフレエルも乞食ではないですが、過去の栄光にしがみついて生きているということで。



Olga        オルガ
Juliette Gréco ジュリエット・グレコ


Drapée dans un vieux châle
Et la face rougeaude
Olga vient de pousser la porte du bistrot
Accueilliée sur le seuil par une bouffée chaude
À lui faire oublier les grillers du métro

 古びたショールに身を包み
 赤ら顔をして
 オルガは酒場の扉を押し
 戸口で暖かい食べ物で迎えられる
 それは彼女に地下鉄の鉄柵を忘れさせてくれる

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"Salut Olga" dis donc tu sors sans ta calèche 注1
Ton chevalier servant te laisse aller à pied
Comment va-tu rentrer au palace où tu crèches
Car Olga fait la joie de tous les habitués

 「ようこそオルガ」おや、馬車なしで来たのかい
 あんたのナイトはあんたを歩かせたのかい
 あんたの住まう豪邸にどうやって帰るんだい
 ともかくもオルガは常客みんなを喜ばせる

C'est vrai que j'allais en voiture
C'est vrai que j'avais des fourrures
Si vous m'aviez connue alors
Partout on m'offrait un pont d'or 注2

 車で行き来してたってたって本当よ
 毛皮のコートを持っていたって本当よ
 当時あんたたちがわたしを知っていたら
 どこでもわたしに大枚はたいてくれたでしょ

Olga viens par ici viens t'assoir près du poêle
Avale un petit rhum pour te chaffer le corps
Et parle nous du temps où tu étais étoile
Les souvenirs c'est bon quand il fait froid dehors

 オルガ、こっちへ来てストーブのそばにお座りよ
 ラム酒をちょっとあおって体を温めな
 あんたがスターだった頃のことを俺たちに話しな
 おもてが寒い時は思い出話もいいもんだよ

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Maintenant ça va mieux alors tu nous la pousses 
Ta romance à deux sous qui fit battre les cœurs 注3
Et dans le brouhaha Olga d'une voix douce
Fredonne une chanson que l'on reprend en cœur

 もうあんたの気分はマシになったろうから俺たちに歌うんだ
 胸を打つあんたの安っぽい恋歌をね
 そして拍手喝采の中、オルガは甘い声で
 誰もがそらんじている歌を口ずさむ

C'est vrai que j'étais une artiste
C'est vrai que j'avais mon pianiste
Si vous m'aviez connue alors
Partout on m'offrait un pont d'or

 わたしが芸術家だったって本当よ
 専属のピアニストがいたって本当よ
 当時あんたたちがわたしを知っていたら
 どこでもわたしに大枚はたいてくれたでしょ

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Il est déjà bien tard et le bistrot se vide
Olga comme à regret doit s'en aller aussi
Elle déscend les quais a petits pas rapides
Pour dormir sous un pont du coté de Bercy

 夜も更けて来て居酒屋はからっぽになり
 オルガもしぶしぶながら帰らなきゃならなくなる
 彼女はちょこちょこした急ぎ足で川岸に降りる
 ベルシー近くの橋の下で眠るために

Et là, les yeux fermés, elle rejoint ses rêves
Une rampe s'allume orchestre et trémolo
Une salle bondée un rideau qui se lève
Et des milliers de mains qui jettent des bravos

 そこで、目を閉じて、彼女は夢見に就く
 照明がつき、オーケストラにトレモロ
 ホールはいっぱいで、幕が開く
 そしてブラヴォーを飛ばす幾千もの手

C'est vrai que j'étais une dame
C'est vrai j'en ai cause des drames
Si vous m'aviez connue alors
Partout on m'offrait un pont

Un pont..Un pont.."Allez dors!" 注4

 わたし貴婦人だったって本当よ
 わたしがいろんなドラマを引き起こしたって本当よ
 当時あんたたちがわたしを知っていたら
 どこでもわたしに大枚はたいてくれたでしょ

 大枚を…大枚を…「さ、おねんねしましょ!」

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[注]
1 dis donc (dites donc) 呼びかけの言葉「ねぇ、ねぇ君」
2 faire un pont d'or a qn.「…に大金を摘む、を高給で引き抜く」より、offrir un pont d'or a qnは「…に大金を支払う」
3 à deux sous「安物の」
4 注2の表現の中のun pontが本義の「橋」に、すなわち彼女のねぐらの意味となる。Allez(主語はvous) とdors(主語はtuかje)が続くが、Allezは呼びかけで、je dors「私は眠る」ということであろう。



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