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2019
11.24

《名古屋歌会》

名古屋で、《アミカル・ド・シャンソン》同様のフランス語歌唱の会:École de Musique CHANBISE(富田宝子さん主宰)のコンサートが、11月24日(日)に開催されます。下のフライヤーに参加者募集中とありますが、9月7日に定員満了となり締め切りました。が、チケットは絶賛発売中です!お問い合わせ・お申し込みは下のフライヤーに記載のアドレス・電話番号まで。

実は私も出演いたします。名古屋の皆様、よろしくお願いいたします。

名古屋チラシ



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2019
11.23

蛾Papillons de nuit

Claude Nougaro Ami Chemin


フランス語でpapillon de nuit「夜の蝶」とは、バー・キャバレーなどで接客する女性のことではなく、「蛾」のこと。今回は、クロード・ヌガロClaude Nougaroの「蛾Papillons de nuit」をご紹介いたしましょう。ジャズバラードのような雰囲気の曲。歌詞内容をあまり具体的に解釈するより、イメージ的にとらえるだけでいいと、私は思います。作詞:クロード・ヌガロClaude Nougaro自身、作曲:アルド・ロマーノAldo Romano。1983年のアルバム:Ami Cheminに収録されています。



Papillons de nuit 蛾
Claude Nougaro クロード・ヌガロ


Dans l'dortoir de trois papillons de nuit 注1
Le premier s'endort, le deuxième s'ennuie
Le troisième s'envole dans des corridors
En route vers sa lampe d'or 注2
Dans le noir velours de l'épaisse nuit
Le papillon vole, tout autour de lui
Quel sombre royaume
Mais voici qu'un jaune rayonnement luit

 三匹の蛾のねぐらで
 一匹目は眠り、二匹目は退屈し
 三匹目は廊下に飛び立つ
 彼女の金色のランプに向かって
 濃い夜闇の漆黒のビロードのなかを
 蛾は飛ぶ、彼のまわりすべては
 なんという闇の王国か
 だがそこに一つ黄色い光が輝く

Papillons de nuit1


Une fenêtre est entrouverte
Il y pénètre tout ébloui
Cercle solaire, la lampe éclaire
Le corps de Claire, belle endormie
Battant des ailes sur l'abat jour 注3
Il se révèle joyeux tambour
Claire se dresse épouvantée
Par la caresse d’un vol heurté

 一つの窓がわずかに開いている
 蛾は目が眩みつつ侵入する
 日輪のごとく、ランプが輝く
 クレールの身体、眠れる美女
 ランプシェードに羽を打ちつけて
 蛾は楽しい太鼓を打ち鳴らす
 粗っぽい飛翔の愛の表現に
 クレールは怯えて身を起こす

Papillons de nuit2


Dans l'dortoir de trois papillons de nuit
Le premier fait un rêve il voit son ami
Soudain qui s’affole et se cogne aux murs
Poursuivi par des coups durs

 三匹の蛾のねぐらで
 一匹目が夢で仲間を見る
 そいつは突然取り乱して壁にぶつかる
 鈍い音があとに続く

La lampe s’eteint
Revient le matin
Qui brille aujourd’hui
Dans l’dortoir de deux papillons de nuit.

 ランプが消える
 またやって来た朝が
 今、輝いている
 二匹の蛾のねぐらで。

[注]
1 dortoirはセルジュ・ラマSerge Lamaの「恋に病んでJe suis malade」http://chantefable2.blog.fc2.com/blog-entry-98.htmlに出てきた語で、「(修道院、寄宿舎、兵舎などの)大寝室」を意味するが、蛾たちの共同寝室ということで「ねぐら」とした。成虫の蝶や蛾は正しくは一頭二頭と数えるが、歌詞中では違和感があるので一匹二匹とした。
2 sa lampeのsaはle troisième「三匹目の(蛾)」のではなく、後に出てくるClaire「クレール」という女性の。
3 abat jour(=abat-jour)「(ランプなどの)傘、シェード」「庇」「ブラインド」「天窓」など。



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2019
11.10

11月のバラードBallade en novembre

Anne Vanderlove Ballade en novembre2


先日、電車の中で或る小説を読んでいました。作者が私と同じ朝倉という名前だという理由でふと選んだものですが、読み始めると今までになく引き込まれました。半分くらい読んで乗り換えた後は満員電車で立っていたので続きは読めず、駅を降りて買い物をしバスに乗って帰り、家に着いたら、カートのポケットに入れておいたはずの本が無くなっていました。買い物をしたスーパーやバス会社などに問い合わせましたが見つからず、どこでどうしてなくなったのかさっぱり分かりません。でも、どうしても続きを読みたくて、ヤフオクで新たに購入し、昨夜、読み終えました。「平場の月」という小説で、「平場」と表現されるインテリやブルジョワとは縁のない生活環境に生きる二人の、切ないながらも暖かいつながりを今風の言葉遣いでとても自然に描いていて、大家の名作以上に心に沁みました。
その余韻のなか、今朝、YouTubeで「11月のバラードBallade en novembre」という曲を見つけ、歌詞内容がまるでその小説のなかの女性の言葉のように感じられ、すぐに訳し始めました。とても美しいメロディーですし、この季節にピッタリですしね。
作者であり歌い手であるアンヌ・ヴァンデルローヴAnne Vanderloveは、1943年生まれのオランダ出身のシンガー・ソングライター。20歳で彼女はパリで哲学を学んで教師になりましたが、1965年から方向転換し、ギターの弾き語りで歌い始めました。そして1967年に「11月のバラードBallade en novembre」で二つのグランプリを得、この曲は同年、同名のアルバムに収録されました。そして翌1968年の5月革命以来、彼女は「フランス版ジョーン・バエズla Joan Baez française」と呼ばれるようになりました。その後の活動に関してははしょらせていただきますが、今年の6月に癌で亡くなりました。

1965年


2011年


Ballade en novembre 11月のバラード
Anne Vanderlove   アンヌ・ヴァンデルローヴ


Qu'on me laisse à mes souvenirs,
Qu'on me laisse à mes amours mortes, 注1
Il est temps de fermer la porte,
Il se fait temps d'aller dormir

 私を想い出にとどめておいて、
 私を失くした恋にとどめておいて、
 ドアを閉める時間よ、
 眠りにつく時間になるわ

Je n'étais pas toujours bien mise 注2
J'avais les cheveux dans les yeux
Mais c'est ainsi qu'il m'avait prise,
Je crois bien qu'il m'aimait un peu

 私はいつも身だしなみがいいわけじゃなかった
 目のなかに髪の毛が入っていた
 でもそんなだから彼は私を選んでくれた、
 きっと彼は私をちょっぴり愛してくれていたんだわ

{Refrain:}
Il pleut
Sur le jardin, sur le rivage
Et si j'ai de l'eau dans les yeux
C'est qu'il me pleut
Sur le visage.

 雨が降る
 庭のうえに、川のうえに
 そして私が目に水を溜めていたなら
 それは私に雨が降るから
 顔のうえに。

Ballade en novembre1


Le vent du Nord qui s'amoncelle
S'amuse seul dans mes cheveux
Je n'étais pas toujours bien belle,
Mais je crois qu'il m'aimait un peu

 集まった北風は
 私の髪のなかでひとり戯れる
 私はいつもきれいなわけじゃなかった、
 でも、きっと彼は私をちょっぴり愛してくれていたんだわ

Ma robe a toujours ses reprises 注3
Et j'ai toujours les cheveux fous
Mais c'est ainsi qu'il m'avait prise,
Je crois que je l'aimais beaucoup

 私の服はいつも同じ
 そしていつもみだれた髪をしている
 でもそんなだから彼は私を選んでくれた、
 きっと彼は私をとても愛してくれていたんだわ

{Refrain}

Anne Vanderlove


Si j'ai fondu tant de chandelles
Depuis le temps qu'on ne s'est vus
Et si je lui reste fidèle,
À quoi me sert tant de vertu ?
Qu'on me laisse à mes amours mortes !
Qu'on me laisse à mes souvenirs
Mais avant de fermer la porte,
Qu'on me laisse le temps d'en rire 注4
Le temps d'essayer d'en sourire...

 もし私がたくさんのロウソクを
 私たちが逢わなくなってから燃やしてしまったなら
 そしてもし私が彼に貞淑なままなら、
 たくさんの美徳が私にとって何になるというの?
 私を失くした恋にとどめておいて!
 私を想い出にとどめておいて
 でもドアを閉じる前に、
 私に与えてよ、笑い飛ばす時間を
 微笑んでみる時間を…

{Refrain}

[注]
1 amourは男性名詞だが、複数形で女性名詞扱いされることがある。
2 être bien mis(e)「身なりの良い」
3 reprise「繰り返し」。「私の衣装」の繰り返しということは、おなじ服を繰り返し着ていたということ。
4 Qu'on me laisse à qc.のmeは直接目的語で「私を」だったが、ここのmeは間接目的語で「私に」。en rireと次行のen sourireのenはde cela「それを」であり、「それ」とは彼との恋の想い出、失くした恋、いえ私の現状のすべて。



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2019
11.07

小さなフーガLa petite fugue

Maxime Le Forestier La petite fugue


「小さなフーガLa petite fugue」というステキな曲は、前回の「孤独の歳月Années de solitude」の作詞者であるシンガー・ソングライターのマキシム・ル・フォレスティエMaxime Le Forestierが姉のカトリーヌ・マリー・ル・フォレスティエCatherine Marie Le Forestierとイスラエルの作曲家のNachum Heimanとともに作った曲。1969年に彼の最初のスタジオアルバム:Deux 45 toursに収録されました。
フーガ(遁走曲)は対位法を主体とした楽曲形式の一種で、曲の途中から前に出た主題や旋律が次々と追いかけるように出る曲。歌詞にはジャン=セバスチャンとありますので、バッハのフーガでしょう。また、三人で演奏していたとあり、ピアノ、ヴァイオリンが出てきます。僕が演奏していたのはチェロかなと最初思ったのですが、最後にヴァイオリンが複数形で出てくるので僕もヴァイオリンだったんですね。



姉のカトリーヌCatherineとのデュオ



La petite fugue   小さなフーガ
Maxime Le Forestier マキシム・ル・フォレスティエ


{Refrain :}
C'était toujours la même mais on l'aimait quand même
La fugue d'autrefois qu'on jouait tous les trois.
On était malhabiles, elle était difficile
La fugue d'autrefois qu'on jouait tous les trois.

 それはいつも同じだったけど、僕たちは大好きだった
 三人で演奏していた昔のフーガ。
 僕たちはへたくそで、そのフーガは難しかった
 三人で演奏していた昔のフーガ

Eléonore attaquait le thème au piano, on trouvait ça tellement beau
Qu'on en arrêtait de jouer pour l'écouter.
Elle s'arrêtait brusquement et nous regardait du haut de son tabouret
Et disait "reprenez", mi fa mi fa mi ré.

 エレオノールがピアノでテーマを弾いた、それがとっても美しかったから
 僕たちは演奏をやめて聞き入った。
 彼女は急に弾くのをやめてピアノの椅子から僕らを見下ろした
 そして「続けてよ」と言って、ミ・ファ・ミ・ファ・ミ・レと弾いた。

La petite fugue2


{Refrain}

Souviens-toi qu'un violon fut jeté sur le sol car c'était toujours le sol 
Qui gênait Nicolas, quand il était bémol.
Quand les voisins commençaient à manifester, c'était l'heure du goûter.
Salut Jean-Sébastien et à jeudi prochain.

 思い出してよ、床に投げ出されたバイオリンを、
 だってフラットのとき、ニコラを困らせたのはいつもソ(床)だったから。
 人々が現れ始めたら、それは食事の時間。
 さよならジャン=セバスチャン(=バッハ)、また次の木曜日にね。

{Refrain}

Un jour, Eléonore a quitté la maison, emportant le diapason.
Depuis ce jour, nous n'accordons plus nos violons.
L'un après l'autre, nous nous sommes dispersés, la fugue seule est restée
Et chaque fois que je l'entends, c'est le printemps.

 ある日、エレオノールが館を出た、音叉を持って。
 その日以来、僕らはもうヴァイオリンの音を合わせられなかった。
 ひとり、またひとりと、僕らは散って行き、フーガだけが残った
 そして僕があのフーガを聴くのは、いつも春なんだ。

La petite fugue1


{Refrain}

[注] ヴァイオリン奏法には疎いので、調べ得た限りの情報を記す。solは「床」の意味と「ソの音」の意味をかけているようだ。バイオリンの弦は下からソ-レ-ラ-ミで張ってあり、この4つの開放弦を基音とした調、あるいは開放弦を多く含む調が、弦楽器は最も鳴りやすく、演奏しやすい。また、弦楽器は弦を押さえて音程を作るので、フラット系よりシャープ系で書かれた楽譜の方が演奏しやすい。弦楽器演奏で弓の弾力性による跳躍を利用する1弓連続のスピッカートを意味するjeté「ジュテ」も引っ掛けているのかもしれない。


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